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身勝手ながら


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記事:山田THX将治(天狼院・書塾)
 
この記事を書き始めていた10分ほど前、突然ショックな訃報を知ってしまった。
折角書き始めていた記事を、題名を含め全消去した。あまりのショックに、筆がピクリとも動かかくなったからだ。
 
ベルナルド・ベルトルッチ。
御存命だったイタリア随一の巨匠の訃報だった。ショックを受けたのは、享年が77歳で、現代だとまだまだ作品を作り続けられるだろうと思っていたからだ。安心していたからだ。
しかも、前作が2012年公開の『孤独な天使たち』だったので、そろそろ新作のニュースが来てもよさそうなものだと、勝手に想像していた。ところが、訃報に添えられたニュースには、ベルトルッチ監督は重い病で既に車いす生活を余儀なくされていて、遺作となった『孤独な天使たち』も、やっとの思いで作り上げたことが添えられていた。そういえば、その前の『ドリーマーズ』という作品は、2003年公開なので、だいぶ間が開いていたことを失念していたのだった。
 
あまり映画をご覧にならない方だと、イタリアの映画監督と言ってもほとんど知ることもないだろう。しかし、ベルナルド・ベルトルッチ監督は、坂本龍一さんの音楽で有名な『ラストエンペラー』で、見事アカデミー作品賞・監督賞・脚色賞・音楽賞等、9部門を獲得した“映画界の巨匠”といえば分かるかもしれないだろう。
 
アカデミー賞受賞の関係で、‘ベルトルッチ監督=『ラストエンペラー』’の印象が強いが、実はまだまだ語らなければならない作品も、多く作った監督さんなのだ。
特に、衝撃的(1972年当時)シーンが有名な『ラストタンゴ・イン・パリ』は、公開当時に社会問題と化したシーンで有名だ。また、5時間を超える大作の『1900年』(1982年公開)は、今でも私に強い印象を残している。
 
そんな名作揃いのベルナルド・ベルトルッチ監督作品だが、私が個人的に大切にしている作品は、1991年に日本で公開された『シェルタリング・スカイ』という作品だ。エキゾチックな感じのラブストーリーだが、その中に‘文化の衝突’や‘人間の存在’といった奥深い問題を含んでいる作品だった。何より30年近く前の作品にもかかわらず、現代の若い方々でも十分に理解し付いていくことが出来る内容だと自信を持ってお勧めする作品だ。機会があったら、是非ご覧下さい。
 
重病に臥されていたとはいえ、享年77は少し早すぎると思う。
勿論、人間の寿命は誰にも決めることは出来ない。でも、ファンの一人として身勝手な我儘が有った。
それはただ一つ、もう1本だけでもベルトルッチ監督に映画を撮って頂きたかったということだ。『孤独な天使たち』では物足りなかったということではない。
ただ、何故だか‘映画監督=長命で生涯現役’という誠に勝手なコンセンサスが存在するからだ。実際に、日本の巨匠・黒澤明監督は88歳と長命だったし、クリント・イーストウッドやウディ・アレンといった80歳代の監督が、今でも‘現役’として活躍しているからだ。
だから私は誠に身勝手ながら、70歳代のベルナルド・ベルトルッチ監督も、病を完治させて監督に復帰なさると思い込んでいたに過ぎなかったのだ。
 
ベルナルド・ベルトルッチ監督。
沢山の名作・感動作を有難う御座いました。私たち映画ファンにとっては、一生の思い出となりました。
貴方の“遺産”をこれからも大切に観賞させて頂きます。
 
ベルトルッチ監督の作品は、世界で一番多いイタリアの“世界遺産”に引けを取らない存在です。
 
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2018-11-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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