あえてインフルエンザに一言言うならば
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:山口祥平(ライティング・ゼミ日曜コース)
2019年が明けてからすでに10日以上が経過し、それまで静かだった街や田舎も一転にぎやかになってきた。街では寒さに耐えながら足早に職場に向かう大人たちがいれば、田舎では幼稚園時や小学生が元気に通園・通学している姿が見受けられる。
そんな様子を見て、2019年もいよいよ始まったんだと改めて実感する。
しかし、新年のスタートダッシュの邪魔をしようと色々なところで暴れまくるとんでもないやつがいる。しかも、毎年毎年である。警戒して近寄らせないようにしようとしても、それを嘲笑うかのように私たちにぐいぐい侵略してくる時もある。
1人だけでなくどんどん拡大していき、多くの人がきつい思いをし、毎年このくらいの時期になるとニュースでも新聞でも取り上げられ社会問題にもなっている。
そう、とんでもないやつの正体はインフルエンザである。
私はもう7年近くインフルエンザにかかっていなかった。普段から体調を崩すことはほとんどないし、毎年かかっていなかったので自分は大丈夫だろうと思っていた。
そんな慢心を鋭く一刀両断されたのか、完全に私の負けだった。
私もインフルエンザにかかってしまったのである。7年ぶり2回目のインフルエンザである。
やつは突然やってきた。
残業が22時に終わり、いざ帰ろうと思って外に出たらさっきまでとは違った寒さを感じたのだ。
雪も降っていないのにこれは絶対におかしいと思ったので家に帰ってすぐさま体温計を取り出し腋に挟んだ。
数字は勢いよく上昇していき、止まったところは38.7度。
ん? これは風邪なのかインフルエンザなのか? どっちとも言えずの体温であったが、熱が高いことに変わりないので、栄養ドリンクを飲んですぐに寝ることにした。
寝れば朝には平熱に下がっていて何事もなく会社に行けるだろうと思っていた。
しかし、昨夜よりも下がってはいたが37.6度で微熱だった。
ちょっとだるさが残っているが会社に行って仕事をしていれば、気も紛れて熱も下がるだろうと思って仕事を続けていたが一向に良くなる気配はない。
むしろ、時間が経過するにつれて頭がボーっとして集中力もなくなり仕事がはかどらない状態になってきた。
このまま続けていては仕事に悪影響を及ぼすと判断し、午後から病院に行って診察してもらうことにした。
病院に到着し受付で症状を看護師さんに話した後に体温計を渡されて熱を計る。数字の画面を見て熱の上がり具合を見る気力すらなく、どこを見ているかわからないような方向を見ながら、体温計の音がなるのを待っていると、ピピピッと終わりの音がなった。
体温計を見ると想像を超える数値が表示されていた。40.2度である。
思わず、「わーお!」と心の声が漏れてしまった。40度を超えるなんて思ってもいなかったし、嬉しくもない自己記録更新である。
体温計を看護師さんに渡して、診察までお待ちくださいと言われて待っていたが、絶対にインフルエンザだろうと確信していた。
しばらくして診察室の先生に呼ばれて症状のことを詳しく聴かれ、「インフルエンザの疑いがあるので検査をします。」と言われた。
「いや、もうインフルエンザです。」と言いたかったが、わかりましたと素直に返事をして違う部屋に隔離されて検査をしてもらうことになった。
ティッシュみたいなものを先端を細くして鼻の中にぐいぐい突っ込むやつである。
大分ソフトな素材なのに、奥までぐいぐい攻め込まれると、うっ! となるし、看護師さんも私が病人と知っているはずなのにそんなの関係ねぇとばかりに強引にやってくる。
強引な検査から解放され、1人隔離された部屋で検査結果を待っていたら先生が現れて、A型のインフルエンザであることを宣告された。
重々承知していたので、何の驚きもなかった。
それから帰宅しすぐに寝たが、体重が100kg増えたかのように体が重く食欲がない時間が続いた。
ある日突然やってきて私の中を暴れまわり数日すれば何事もなかったかのように消えていったインフルエンザ。やつの猛威を止めることは全くできなかった。
いわば、普段なかなか姿を現さないが、親戚の集まり等にいきなりやってきて1人盛り上がっているおじさんのようだ。
もう何歳になった? だの、もう結婚したのか? だの、数か月前にも聞いた同じようなことを聞いてきては1人でゲラゲラ笑い、1人盛り上がって満足したら酔いが回ってカバみたいな口を開けてイビキをかいて寝ている。そして一寝入りし終わったところですっきりしたらしくて姿を消していくなんとも騒がしいおじさんなのだ。
かかわらないでくれといっても、お構いなしにまたやってきて何かとかかわってくるだろう。
今回インフルエンザにかかって、健康管理の大事さや元気な体でいることが重要であることなど気づかされる事があったが、それとはまた別に1つ気づきを与えてもらえたような気がする。
それは、いかに周りの人に助けてもらっているかということだ。
家庭では妻が消化の良い食べ物を考えて作ってくれたり子供の世話を全部してくれれば、会社では普段私がやっている仕事を同僚がフォローしてくれた。
そのように支えてくれている人がいるからこそ私自身も仕事やプライベートを自由にさせてもらっているんだと感謝の気持ちを気づかせてもらう良いきっかけになったと思う。
その点に関してはインフルエンザに対してありがとうと言いたい。
しかし、もう近づかないでいただきたい。
これから雪も降るようになり寒さも益々厳しくなってくるので、健康管理には十分に気を付けて温かい春を迎えましょう。
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