メディアグランプリ

お母さんがゲームにハマった方が家庭は平和であるという、納得の実体験をした


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:月野ミナ(ライティング・ゼミ土曜コース)
 
「うち、子どものゲームは1日に30分までって決めてる」
「子どもがゲームばかりやってて全然勉強しないから、ゲーム機取り上げちゃった」
「今度テストで90点取れたら欲しいソフト買うってことにしたの」
 
子どもたちが小学生だったころ。
PTAの会合などで母親たちが集まると、こんな話は鉄板ネタだった。
 
子どもがゲームばかりやっていて勉強しない。
だから、ゲームを取り上げた。
それでも勉強しない。
1日のゲーム時間を30分にしたら、隠れてやっていて、親子ケンカに発展した。
などなど、ゲームが親子関係に与える影響は、並々ならぬものがある。
 
といっても、ゲームは子どもだけのものではない。
電車の中でも、隣の席のヒトがなにかしらのスマホゲームをやっているってことも日常の光景のひとつ。
 
大人の日常にもゲームは当たりまえのように溶け込んでいる。
ゲームの会社だって儲けるために作っているわけだから、人が夢中になるのは当たり前である。子どもなら、なおさらだ。
 
そんなかんじに、今の私はゲームに理解があるが、以前はちがっていた。
 
うちには3人の男子がいる。
いまはもう、長男は成人式を迎えるほどに成長しているが、彼らの小学生時代はゲームに支配されたような時間を送ることも多かった。
 
小学生男子は、ゲームにどハマりする。
 
節度あるオトナなら「もっとゲームやりたいっ!」って思っても自制して、「よし、今日はここまで」ってやめられる(はずだ)が、年齢が低ければ低いほどそんな「自制」などできるはずもない。
ただただ夢中になってやりつづける。
 
そして、いつ見てもゲーム中の我が子にイライラが募り、母は
「いつまでやってるの! いいかげんにしなさい!」
と切れる。
 
よくある光景だ。
 
しかしながら、我が家は少しばかり例外だった。
自分で言うのもなんだが、わたしは母としてかなり寛容な方だ。
他の母たちがよくやっている「ゲーム時間の制限」も、いちどもやったことがなかった。
 
しかし、だ。
 
食べているときと寝ているとき以外ゲームと一心同体になっている子どもの姿を見ると、さすがに気になって、ひとこと言いたくなる。
「ねー、いつまでやってるの?」と。
 
「ちょっと待って。いま、いいところなんだよ」
 
ちょうど、私は虫の居所が悪かった。
いつまでたってもゲームをやめない長男にどうしようもなく腹が立ち、プレイ中のDSを取り上げ、ソフトを抜いてしまった。
 
長男は半狂乱。
修羅場と化した。
 
そんな経緯もあったのだが。
その数年後、あるきっかけがあり、こともあろうに今度はわたし自身が、ゲームにハマった。
女子にありがちな、畑を拡張していくオンラインゲーム。
 
毎日毎日、ほんの少しでも時間があればいそいそとパソコンをひらき、そのときのイベント作物を収穫する。
たくさん収穫して少しでも多くのレアを集めて料理をつくり、報酬をゲット。
最初にまわすガチャの倍数が、その後の得点数に大きく影響を与えてくる。
いい倍数のガチャを当てるために、数回はまわしたい。そのためにはある程度の課金が必要。
レアがいつもの倍出現する豊作タイムにはどうしてもオンラインでいたい。
 
畑ゲーム中心に生活がまわりだした。
 
ラッキータイムがあると夕食の時間が変更する。
30分くらいふつうに夕食が遅れる。
 
ゲームの中の、ネットの「住民さん」たちとも仲良くなった。
チャット中は、子どもが話しかけてきても「ごめん、後で」。
 
ゲームに夢中になっているときの子どもたちの気持ちが、身に染みてよくわかった。
 
オンラインゲームって、驚くほどうまくできている。
これは、だれだって夢中になるよ。おカネもかけたくなるし。
 
「やった! 全クエスト終了!」
思わず叫ぶワタシ。
時間をかけてイベントのクエストを全部クリアし、ゲットした画面の中の立派な報酬。
「よかったねぇ」と生暖かく見守る子どもたち。
 
プレイしているゲームの種類はちがうけど、子どもたちとはゲームのことで会話が盛り上がるようになった。
 
課金ってやっぱり必要だよね。
ゲーム会社、うまいこと作ってるよね。
無料から始めるけど、ずっと無料のままでは時間がかかりすぎるシステムになってる。
数百円くらいならってそれでアイテム買っちゃうよね。わかるわかる。
 
結局わたしは約2年半、畑のゲーム中心の生活を送っていた。
さすがに飽きた。
 
子どもたちもその年代年代で夢中になるゲームの種類は変わり、ある程度やり切ると終わっていく。
食事と寝るとき以外ゲームをやりっぱなしだった長男も、いつしかゲームをやらなくなっていた。
 
私もその後、ゲームで以外のものに夢中になり、家事はあいかわらず適当だ。
でも、子どもたちとの距離は近くなり、かくだんに仲よくなった。
 
“ゲームに夢中になるなんてとんでもない”
 
って思っているお母さんこそゲームをおススメする。いや、ゲームではなくてもいい。
 
「こんなバカげたこと」って思っていること。
 
自分の中で「ありえない」と制限していることこそに、実は、惹きつけて止まない魅力があったりする。
 
そして、子どもたちはお母さんの笑顔が大好きなのだ。
 
「いつまでゲームやってるの!」
って怒っているお母さんより、
 
「ちょうどいいところで手放せなくて、夕食遅くなっちゃった」
って、ぺろっと舌を出して笑ってごまかしているお母さんの方が、たとえ夕食時間が遅れたとしても、10000倍好きなのだ。
 
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2019-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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