メディアグランプリ

何で結婚式やる必要があるのかわからない人ほど、オリジナルウェディング


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まっすん(ライティング・ゼミ土曜コース)

結婚式って面倒臭い。
上司や友達をわざわざ自分のためなんぞに休日にご足労いただいた上、3万円程度のご祝儀もいただくとか忍びないし、みんなの前に立つとか恥ずかしい。

それにいろいろとお金もかかるし、準備も面倒だ。できることならやらずに済ませるか、家族だけで安く済ませて、新婚旅行にぱーっと使った方が合理的なお金の使い方なのではないだろうか。
たかだが数時間の式のために、車を買えてしまうくらいの額、地方だったら下手したら家を買えてしまう額のお金を費やすことにとても抵抗があった。
そして、なんといっても、結婚式をやる意味がよくわからない。

こんなことを考えている人ってかなりの数いると思う。

何を隠そう、ぼくもその1人。
そうであるにも関わらず、ぼくはオリジナルウェディングをやった。オリジナルウェディングとは、単なるホテルや教会でのお披露目の会とするのではなく、会場選びから、会のプログラムまで、全て自分たちで考え、選び、世界に1つだけの式を行うというもの。そんな面倒な結婚式を行ったのだ。

もちろん妻がどうしても結婚式をやりたい! とご所望だったこともあり、おぎやはぎの矢作さんばりに「妻のやりたいことはやらせてあげてぇしな~」という想いがあったことも確かだ。
ただ、自分自身、納得した状態でないと結婚式なんて、やりたくなかったぼくが、準備に10か月かけ、様々な紙モノ(パンフレットやネームプレート等)や全国各地の美味しいものを50種以上集めて、それを引き出物にしたり、通常は結婚式では使わないレンタルスペースを使って、こだわりの装飾で会場を彩ったりした、とても「凝った結婚式」をなぜしたか?

ぼくは結婚式をある種の「まちづくり」と捉えたのだ。

仕事を通じて、ぼくは「まちづくり」に関わることが多いのだが、そんな時にいつも思うのが、自分の思い通りにいかないというジレンマ。
それもそのはず。なぜなら、「まちづくり」には実に多くの人が関わってくるからだ。そこに住んでいる住民、行政をはじめ、地権者や開発事業者など、さまざまな立場で、多様な背景を持った人が関わる。

そんな「まちづくり」において、自分が思う、自分が理想とする「まち」をつくることは、限りなく不可能に近い。ゲームの「シムシティ」に逃げることもあった。自分の思うように国をつくる金正日(キム・ジョンイル)が時に羨ましく思う時すらあった。

でも、当時その名が世の中に徐々に浸透しはじめた「オリジナルウェディング」という枠組みでの結婚式であれば、「国」、「まち」とまではいかないまでも自分の想う「場」がつくれると思ったのだ。

もちろん、お金や場所や時間など、ある程度の制約はあった。けれども金を出すのは自分だ。
社長のように、大魔王のように、こう書いてしまうと面倒な客のように思われるが、自分の理想の場をつくることができるのだ。

考えてみても欲しい。
自分の理想とするモノや空間、場をつくれることって人生においてどれほどあるだろうか?
どんな有名な建築家だろうと、実際に設計費を出すクライアントの要望に応えないといけないし、どんな有名な映画監督だろうと、製作費を出すスポンサーの要望に応えないといけないだろう。
結婚式にかかる費用で車も買えるけど、結局は既にあるラインナップから選ぶという作業をするだけ。自分で理想の車なんてつくれない。

でも、自分の理想の場をつくる機会を、この結婚式でもらえる。
これはぼくのように「まちづくり」に関わる人以外にも、特に「モノづくり」が好きな人には、結構グッとくることなのではないか。

参列していただけるゲストの方々は、まさに自分の理想とする「まち」に住んでもらう住人。
そう考えると、これまでの人生の節目節目でぼくの人生に潤いをくれた友人、先輩、先生、上司、家族にぜひ来てもらいたい。ぜひ来てもらって、日ごろの感謝をこの理想の場を通して、伝えたいとも思うようになってきた。

結婚式を開いても自分が主役にはなりたくない、別に友人たちにぼくの結婚を祝って欲しいともそんな思わない。ただ、単純に自分が企画した場に人がきてどんな反応をしてもらえるか見たい。どうせなら、楽しんでもらいたい! その日を徹底的に楽しんでもらう。よくある結婚式の1つとしての思い出ではなく、たったひとつだけの思い出に残るような、そんな式をすることが、ぼくの1つの感謝のしるしだった。

結果としては、完全に手前味噌ではあるが、満足のいく式になった。
今でも、当時に参列してもらった友人に会うと、あの時の結婚式が1番思い出深かったといった話もしてくれる人が多くいる。
とはいえ、ここまで書いて、元も子もないことをいうようだが、結局結婚式なんて自己満足。
単純に形式的な結婚式を開いてそれで自分が満足できるなら、それもよしだと思う。
けど、せっかくここ近年台頭してきたオリジナルウェディングという新たな文化を体験することはとても有意義な散財の仕方なのではないか?

結婚式をやることに迷ったら、ぜひ思い出してほしい。

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2019-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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