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AIってコーチングもカウンセリングもできるんだよ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:矢野紗基(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「AIってコーチングもカウンセリングもできるんだよ」
 
受講生たちは、
えーっ! 無理でしょう、と目を丸くする。
 
「できるよ。人間の方が下手くそ」と私。
 
 
年末の夜中、ふとテレビをつけたら、部屋の真ん中で小さなAIロボットがアタマをくるくる回していた。
そこへアメリカ人らしき家族4人がドアを開けて入ってきた。
まぁるい目をして、パチパチ瞬き。招かれたその家族はロボットの可愛らしさに奇声を上げた。
 
アタマを横に振りながら4人を見渡して「何がありましたか?」と質問するロボット。
母親が過食して太っていることが家族の悩みだと言う。
AIはしばらく瞬きをして、アタマを左右に振って、ピタッと止まる。
「ここからデリケートな話になるので、子どもたちは外に出てください」
家族は顔を見合わせ、子どもたちはクスクス笑いながら外へ。
 
問題の母親とその夫だけになった。
さて、ここからが始まり始まり。
 
「どうしましたか?」とかわいく目を見開いて、母親に再度質問をした。
 
彼女はとたんにグッと厳しい表情になって
「……主人が浮気をしたんです」
 
テレビを見ていた私は、思わず「え、えー!」と声を発した。こんな展開、普通ない。
 
さらに彼女に質問する。「何回しましたか?」
「4回です」
……普通そこまで答えるだろうか?
 
今度は夫に、AIは訊ねた。
「何がありましたか?」
主人、「浮気しました」。これまた正直に言うではないですか。
 
その後短い問いと答のあと、AIは止まってデータを整理しはじめた様子。
そして、スクリーンに向かって、彼らが過去に投稿したSNSの写真を映しはじめた。
 
楽しかった笑顔の日々がスクリーンに続けて映し出され、夫婦はなつかしそうな表情とともに涙を流し始めた。
AIは、といえば、その間プロジェクターと化している。
 
そして、しばらくして
「どうしたいですか?」と2人に訊ねると、
「二度と浮気はしない」と夫。「許します」と妻。
 
めでたしめでたし!!!
 
終わって、彼らはインタビューに答えた。
「人相手じゃなかったから、話せました」
 
 
こういう展開だったのよ、と受講生たちに伝えると
はぁ? という表情で「ショックだぁ」「信じたくないです」などなどなど。
 
人の感情を動かすのは人だけ、だと思うと大間違い。
文章だって、熱を入れ過ぎた文体より、たんたんと書かれた新聞記事に心が動くもの。無機質な物体が、人を癒せる技術に長けているのはちっとも不思議じゃない。
なまじ人間は、相手の悩みを解決してやろうと、いらない世話をやく。人に変えて欲しいと思っている人間は、私の経験上ほとんどいないのだ。
 
AIのカウンセリングは美しかった。相手の表情を的確に読み、それにベストな対応を選択し、短いメッセージと質問でふたりの心を動かした。AIの手腕は見事である。
 
私は、コーチ歴18年で、それ相応の実力だと認められた国際資格を持っている。
AIに太刀打ちするつもりはないけれど、相手が望む未来に向かうためのスキルとあり方を一層磨きたいと、真剣に思った。「相手をどうにかしてやろう」という邪魔な感情を手放して人に向かう必要性をスッキリ教えてもらえたことに感謝した。
 
余計な感情を立てずに、目の前の人のために存在する。過去が未来につながることを暗示しながら、今をどう変えたいのかを問うてみる。
そんなシンプルな対応が、案外人にはできないものだ。
 
これからの世の中、人智を尽くしてAIはさらに発展し、私たちの生活の隅々に当たり前のように存在することになるだろう。
もし、私の仕事の領域に、AIがポジションを持つことになるとしたら、私はそこに個性を見い出したいと思う。優劣や正否ではなく、個性。AIの個性、人の個性、そして自分の個性。
人の生き方や心の動きに正解はないのだから、さまざまなアプローチを個性といえるよう私らしさを確立していくことが、プロフェッショナルコーチとしてのポジションを持ち続ける最善の道だと思うのである。さらに私は、個性豊かなコーチを育てていくのも使命としたい。
 
正直、AIのアプローチは魅力的だった。私もカウンセリングしてもらいたいと思ったほどだ。
人の心を開くのは、生命のない物体でも可能だという事実を、前向きに受け止めて、変化の激しいこれからの世の中を、笑顔で生きていきたいものだ。
人の笑顔は、AIにきっと負けないから。
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-02-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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