メディアグランプリ

勇者よ、転職という旅に出よう!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ニオカエリー(ライティング・ゼミ平日コース)
 
スーツという鎧に身を包み、多少圧迫的な面接という攻撃を受ける。
転職はRPG!私は転職者という名の勇者だった。
 
社会人をしていると一度は「転職したい」と考えるのではないだろうか?
もっと人間関係が良いところで働きたい、もっとやりたいことが出来る仕事に就きたい等、理由は様々であろう。
私の場合、理由は「たった一度きりの人生、せっかくなら海外に貢献できる仕事がしたい!」。退職を決意したのは、入社5年が経ったときであった。
 
新卒で入社した直後は、まず一通りの業務をこなすことに必死であった。
でも、心の底にあったのは、学生時代から海外旅行が好きで旅先でいつも外国の方に助けられた思い出。いつか英語を使い、お世話になった海外へ貢献できるような技術者になりたい。
職場の中でも中堅となり、仕事に対し心の余裕が生まれた時、入社当時に思い描いていた志望動機とのギャップや同じ日常の繰り返しに疑問が生まれた。
 
やっぱり海外に目線を向けた仕事をしたい!
 
チャッチャラー♪ 私が勇者という名の転職者になった瞬間だ。
新卒で入社して同じ村にいることは安全ではあったが、これからも毎日同じ村人と同じ会話をし、同じイベントが発生するのを見続けるのであろう。
私は勇気をもって、退職を選んだ。
 
とはいえ、無謀にも先行して退職してしまったのは良くなかった。
世間は無職の勇者に厳しい。
 
好景気のはずなのに履歴書が全く通らないのだ。
履歴書が通らなければ、もちろん面接という関門になかなか辿りつけない。
『こうかが ない みたいだ……』
 
転職者として旅立って最初の段階で、私は大きく心を打ち砕かれてしまった。
 
前途多難な私に手を差し伸べたのは、エージェントやチューターと呼ばれるアドバイザーさんだった。
「応募職種別に履歴書を用意したほうが、書類が通りやすいからね」と、素人勇者に大変貴重な助言を与えてくれる。彼らが書き直してくれた履歴書は、もはや皮の服、枝を振り回して戦うような私ではない。
どんな私の小さな経歴についても、魔法のように膨らまして魅力的な装備を持っているように書き換えてくれた。
 
チャッチャラー♪ レベルUP。
 
転職採用は新卒採用と異なり、空いているポストに応募するケースが多い。椅子取りゲームのようなもので、運がよくないと空いている椅子を見つけることが出来ない。
なかなか良い椅子を見つけることが出来ずヤキモキする日々が続いた。
 
転職活動の特徴として、期間が長くなることで評価が下がる。
レベルUPしたはずなのに、気付くと市場価値が下がっている。
負のループに入ると余計に就職が難しいように感じられた。
 
私は世間に必要とされていないのかも。
もう、一生働くことが出来ないかもしれない。
深い闇のダンジョンで、ネガティブな言葉が頭をよぎる。
 
転職という名のRPGで私は周りを敵で囲まれ、瀕死寸前であった。
ピコンピコン……もう限界だ!!
目の前がまっ暗になりかけたことが何度あっただろうか。
 
助けてくれたのは前職の仲間はじめ、友人、家族の温かい言葉。
私の夢を応援してくれた人達に対し、ここで諦めるわけにいかない。
 
勇者はもう一度、そして、何度でも立ち上がった。
 
諦めずに挑戦し続けた結果、ちょっとずつではあるが、面接にたどり着ける機会が増えてきた。
 
『こうかは ばつぐんだ!』
その言葉と同時に、遂に温かくその門を開いてくれる新しい町を見つけることが出来た。
 
人事部長という門番が私に問う。『勇者よ、わが社に入社しますか?』
選択肢は、はい、と、いいえ。
もちろん、返事は『はい!』
新しい町、現職である。長かった転職活動は、気付いたら半年もやっていた。
 
転職活動は私にとって辛い経験の一つだ。
一方で、大変だったからこそ、乗り越えてしまうとその苦労が今の仕事へのモチベーションとなっていると思う。イタリア、アメリカ、中国、等世界中の同僚と英語を駆使して、もともと夢であった海外に貢献できる技術者として日々奮闘している。何度も辛い思いをしたが、前職という村を旅立って本当に良かったと実感している。
 
私は、転職というRPGをクリアしたのだ。
 
そして、今新たなRPGの舞台に立っている。
 
婚活だ。今度は、アラサー婚活女子という勇者になった。
こちらもなかなか難航しており、残りHPが少ないことを示すアラームが鳴りやまない。
瀕死に近いが、転職と同じように最後まで諦めないことが大事に違いない。
 
転職、婚活……と、私の人生はRPGの連続だ。
 
でも、何か辛いことがあったら、今まで乗り越えてきた旅を思い出そう。
旅に出ない人生なんて、面白くないのだから。
 
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2019-03-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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