何にでもすぐに影響されてしまう親子の話
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:テラニシ ヒロキ(ライティング・ゼミGW特講コース)
テレビでも少し前からよく名前を見聞きする「でんじろう先生」こと米村でんじろう先生のサイエンスショーが近くのホールで行われるとのことだったので行ってきた。
最近では息子がテレビで見かけると必ずと言って良いほど「ねぇ、今の録画してある?」である。最初のうちはなんとなくごまかしていたが、どうやら本気のようなので録画するようにしたら、もうすぐ4歳になる息子は自分でレコーダーのリモコンを巧みに操って、何度も繰り返し見ているのだ。
普段は何かオモチャで遊びながら、飽きっぽく見たりするテレビも、でんじろう先生の番組だけは正座して背筋を伸ばすように姿勢を正し、「かじりつく」を絵に描いたような集中っぷりである。
3月ごろだったか、図書館が入る近くの施設でたまたま見かけた今回のイベントのチラシを持ち帰り、彼は何度も繰り返し見ながら「あ〜ぁ、はやくでんじろう先生に会えないかなぁ」と言っていた。
地元のホールでやる事なのでそんなにすぐに席は埋まらないだろうと勝手に思っていて、そろそろ予約しておかなければなぁと思ってWebを見たとき、「甘かった……」 と思った。ホールの1階席は満席状態になっていた。
実際、行ったことのない場所だったので、どのくらいの規模のホールか分からず、そこしか空いていなかった2階席にわざわざ予約する必要があるのかなど、妻と相談した。
しかし、GWは天狼院書店のライティング・ゼミに通う以外に特に予定もなく、遊びにも連れて行ってやれないのなら、という後ろめたい気持ちと、3歳にして本人の好奇心を掻き立てるものがそこにあるのであれば、それはもう悩んでいる場合ではないのではということで、2階席を予約した。
結果的には、行ってよかった。
まずは2階席とはいえ、先頭に近い真ん中寄りの場所で、上から見やすかった場所だった。遠くて見えないと困るなぁと心配して、秋葉原のヨドバシカメラで双眼鏡を準備したが、結局はほとんど使うことなく観覧できた。むしろ、息子から私が取り上げて、でんじろう先生ではなく、司会のお姉さんを拡大して見るのに使った回数の方が多かったくらいだ。
会場は「こども未来館」という名前の施設が併設されていて、せっかちな私の手を引かれていつものように早く到着してしまったが、室内で遊べる場所が色々あったので問題なかった。
それでも、ホールの開場時間より早く入口に並んでしまった。座席指定で慌てる必要がないのにである。
私たち親子と同じように列ができていたので、少し早めに開場した。すぐさまグッズ販売のサイエンス実験キットに飛びついた。
同じようなものやでんじろう先生の商品は確か先日行った東急ハンズにも並んでいたような気がしたので、慌てて買う必要もなかったのだが、「会場限定」という4文字の漢字についつい踊らされてしまって財布が緩んだ。今、流行りのなんとかPay決済だったらもっと買っていたかもしれない。
1,500円で手にした3種類の実験ができるキットには冊子も入っていて、「まぁこれはこれでさらに興味が湧くのなら」と、自己投資ではなく、息子への投資である。
ショーの中ででんじろう先生からとても素晴らしい話を頂いた。
「いま、理屈がわからなくても、楽しむということが大切です。何故そうなるかは後からちゃんと理解できます」であった。
なんとなく説明できそうなことも、「説明」から入るのではなく、まず一緒になって楽しむ。という事を実践しようかと思った。
家に戻って、既にお風呂に入って寝る準備をしなければいけない時間が近づいていたが、GWで財布にも息子にも緩くなってしまっている私は、「じゃあ、空気砲だけやろっか」といい、息子と一緒に組み立てた。
想像以上の楽しさであった。
キットの箱は小さなサイズで、はっきり言って子供騙しサイズだなと思ったが、とんでもない話だった。
サイエンスショーを肉眼で見たり、テレビで見たりしていた、あの大きさの空気砲だから、大きな輪が飛び出す面白さが過剰演出のごとく繰り広げられると思っていたが、実際にポンっ! と叩いてみて驚いた。
父子ともに興奮冷めやらない状態で、寝かしつけタイムとなった。
そして、翌朝起きたら、資源ごみの日として畳んであった段ボールを息子が発見してしまったのだ。朝メシ前に工作タイムの開始である。
できた。
簡単に完成した。しかも、あの驚きを得た付録のキットの6倍ほどのサイズのものができた。
さて、朝から色々なものを吹き飛ばすために、あれやこれやと実験である。
こうやって楽しむことが大切なんだな。理屈は後からでいい。
色んなことに興味を持つ子供に育って欲しい。
科学ネタだと苦手とするママも多いと思うので、私と同じように子育てを頑張るパパに、お子さまと色々と繰り返して工夫し失敗しながら楽しむことにチャレンジしていだけたらと思う。
理解は後からついてくる。
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