そのダイエット、本当に必要か? 答えはライザップが教えてくれた
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:吉田 陽子(ライティング・ゼミ日曜コース)
ライザップは本当に痩せるのか。
この問いの答えは、力強くYESだ。
絶対に痩せる。むしろ痩せない方が難しいだろう。
しかし、体型を維持できている人はどれ位いるのだろうか。
10人いれば8人はリバウンドしているのではないかと思う。(完全に私の主観です)
ただ炭水化物を抜けば、あとは好きなだけ食べれると思ったら大間違い。徹底的に摂取カロリーを管理され、それに加えて週2回の激しいトレーニングがついてくる。あの生活をすれば、痩せないはずはないのである。
私は、4カ月のライザップ生活を送って9㎏減量し、たったの1カ月で元に戻るどころか12㎏増量するという、リバウンド中のリバウンドを体験した。あんな大金と労力を払って、こんな滑稽な結果が待っていようとは。私がここで負け犬になるなんて、夢にも思っていなかった。恐らく今までの人生で一番の挫折を味わった。
私がライザップという禁断の門を叩いたのは、忘れもしない、2015年のお正月だった。
職場の先輩2人が見事にライザップで大変身を遂げたのである。2人とも、体のサイズが半分くらいになってしまったのではないかと思う程に痩せた。痩せて人相もキャラクターも変わってしまう程だった。
それを目の当たりにした私は、自分も試さずにはいられなかった。
「今年こそは変わってやる!」と、お正月特有のモチベーションMAX状態で意気揚々と申し込みをした。
昔からぽっちゃりとしていて、常にお腹がキューピーちゃんのようにぽっこり出ている体型がコンプレックスだった私は、小学校高学年の頃には既にダイエットに取りつかれていた。リンゴやところてんが流行ればそればかり食べたし、1日2食が良いと言われたらそうして、はたまた3食きっちり食べた方が良いと言われたら躊躇なく切り替えた。
最初は意気込んでやるが、いつの間にかフェードアウト。そしてまた新しいダイエットに手を出しては「今度こそ!」と意気込むループを飽きもせず繰り返していた。
しかし今回のダイエットには、妙に自信があった。全然運動らしい運動なんかした事がないという先輩2人があんなにも痩せていたからだ。私は普段から週2回はランニングをしていたし体力もあるので、自分には楽勝だと高を括っていた。
ところが、待っていたものは徹底したカロリー管理だったのだ。一人でやるのは難しいので、トレーナーに毎食の写真を送り、強制的に管理してもらうというものである。
毎食ごとに、これはよかったとか、これはダメ、これは控えて、等のアドバイスメールが返ってくる。食事と合わせて毎日の体重・体脂肪率も送らないといけないものだから、嘘を送るとすぐにバレる。
これがかなりのストレスだった。
毎回、指示は厳しくほぼ褒められる事はない。最初に渡されるマニュアルブックにはOKとされている食べ物が、どんどん禁止されていく。食べる事を推奨されていたはずの野菜も、ある時期を超えるとコーンや人参やトマトなどの、少しでも甘いと感じるものは禁止された。
その頃食べられるものと言ったら、ささみ・ゆで玉子・キャベツ(ドレッシングはノンオイル)・プロセスチーズ・大豆食品くらいのものだった。
そしてしまいには、納豆についている小さなからしさえNGという指示がとんできた。からしには糖分が含まれているというのだ。
はっきりとこの時、私の我慢の糸がぶつっと切れた。
「これだけ禁欲的な生活をしているというのに、からしさえも奪うのか!!」
全てがどうでもよくなってしまった。
ここから驚異のリバウンド生活が始まった。
狂ったように炭水化物と糖質を摂取するようになった。
『狂ったように』という表現が正にぴったりだった。もはや味を楽しむなんていう感覚はなく、今まで禁止されて悪だと植え付けられた食べ物をとにかく食べてやる!! という冒涜行為だった。まったくもってお腹なんか減っていないのに、食べ続けた。
駅から家までの帰り道に3店舗あるコンビニで体に悪そうなものを買っては、次のお店に着くまでにポテチや唐揚げクンを間食し、最後のお店でまた脂たっぷりのごはんやお菓子やビールを買い込んで、寝る直前まで食べる、という生活が続いた。
吐くまではいかなかったが、毎日お腹がはちきれそうで気持ち悪くて泣きそうになる。
それを繰り返す日々が1カ月は続いた。
結局、4カ月かけて落とした9㎏は、たったの1カ月で12㎏増となった。「そりゃそうだ」の結果なのだが、自分のコントロールが出来ず、自分が怖くて本当に辛かった。
おそらく、食べる事も飲むことも人一倍好きだった私から、日々の幸せを奪った。
その頃の私は毎日うつうつとしていた。こんな私からは、彼氏も離れていき、友達と会う機会もなくなり、孤独な生活になった。それまではストレス発散で行っていたランニングも、むしろストレスの種となってしまった。
体重以外のたくさんのものを失って手に入れたものは3㎏の余剰体重。滑稽すぎた。
こんな思いまでして、本当に私は痩せたいのか? 痩せるってそんなに大事か??
好きなものも食べれない、楽しい時間も過ごせない、人とゆっくり話もできない。こんな生活を送ってまで手に入れたいものなのか?
答えは激しくNOだ。そんな思いをしてまで、痩せる事に価値はないのだ。
実際に、9㎏痩せていた時期も、評判は全くよくなかった。脂質を取らないからお肌はかさかさしていたし、何より精神的に満たされていないので覇気がない。「痩せたね!」とは言われても、「きれいになったね!」と言われた事は一度もなかった。
ちょっとくらい太っていたからって何だというのだ。痩せて生気のない女と、ぷよぷよしてたって美味しい物を食べながらにこにこしている女なら、後者の方がよいに決まっている。
結局は好きな事を思う存分に楽しんでいる事が一番幸せで人を生き生きとさせるのだ。
なんと高い授業料だったのだろう。しかし、20年以上とらわれてきたダイエットの呪縛から放たれるには、これくらいのインパクトがないとダメだったのかもしれない。
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