自分の強みは、どうすれば見つかるのか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:赤木 広紀(ライティング・ゼミ日曜コース)
「自分の強みって、自分では本当にわからないものですね~」
20年に渡ってライフコーチングのプロとして300人を超えるクライアントの目標達成や課題解決のサポートを1対1の面談(セッション)で提供してきた。
5000回を超えるコーチングの中でも比較的多かったのが「自分の強みって何だろう?」というテーマ。
さて、もしあなたが「どうすれば自分の強みを見つけられますか?」と相談を受けたら、どう答えるだろう?
先日、ある交流会で、Aさんという女性と知り合った。
前職のキャリアを買われて転職し、今年で3年になるとのこと。
今の職場でどんな仕事をしているのか聴いていると、彼女が一言、
「最近、同じ部署の人から『Aさんって目標達成力が高いですよね。すごいですね』って言われたんですよね」
おお、そうなんだ~ 新しい職場で認められるって嬉しいですよね、と言おうとしたが、Aさんの顔を見て、口にするのをやめた。まったく嬉しそうではなかったからだ。
「でも、Aさん。なんだか釈然としない感じですよね」と、彼女の表情と声のトーンから伝わってくるニュアンスをそのまま返す。
「そうなんです。仕事で目標達成するなんて当たり前じゃないですか。それをすごいって言われても……」
確かに、自分ではできて当然だと思っていることを褒められても嬉しくないだろう。
「ちなみに相手の方は、別に皮肉で言ったわけではないですよね?」
「ええ、本当にすごいねって思ってくれているというのは伝わってきたんですが、でも……」
「でも、ピンとこない。納得がいかない。ですか?」
「そう……なんです」
相手から賞賛されている、認められている、それはよくわかる。でも、ピンとこない。納得いかない。これは、Aさんに限ったことではないだろう。
ここでコーチ魂がムクムクと湧いてくる。
おせっかいだとは分かっているけど、強みを見つけたら、是が非でも気づいてほしいというコーチ魂が。
「ところで、Aさんって、息ができますか?」
「はっ? 息ですか?」
「そう、呼吸できますか?」
「えぇ、はい、そうですが……」
一体この人は何を聞いているんだ? という顔になる。
「そうなんですね、すごいですね! 息ができるんですね!」と、ちょっと演技がかった口調で言うと、
「はぁ……」
と、明らかにけげんそうな表情になる。
ヤバい。このままだと単なる変な人で終わってしまうぞ……
「今、僕のこと、『ちょっと、何言ってるか分かんない』って思いませんでした?」
と、お笑いコンビのサンドウィッチマンのセリフを真似して言うと、
「思いました! 思いました!」と、今度はノリよく返してくれて、ちょっとホッとする。
「すいません、変なこと言って。でも、さっき同じ部署の人から「目標達成力が高いですね」って言われたときも、『ちょっと、何言ってるか分かんない』って思いませんでした?」
「そうなんです。まさに、そんな感じだったんです」
ああ、やっぱりそうか。
一呼吸おいて、こう伝える。
「それ、Aさんの強みですよ」
「えっ?」と、ビックリする声。
「そう、目標達成力の高さ、これがAさんの強み。で、その強みが、今の職場ではAさんの価値にもなっているんです」
「目標達成力が、私の強み? 価値になっている? ちょっと、わかんないです……」
「そうですよね。Aさんにとってはあまりにも当然のことだから、それが強みだと思えないのもよーくわかります。でも、本当は、息をするのと同じくらい意識せずに当たり前にできてしまうことが強みなんですよ」
「意識せずに当たり前にできてしまうことが、強み、ですか?」
「えぇ。さらに言うと、当たり前だとも思いさえしないことが、真の強みなんですけどね」
「でも、そうなると、ますます自分では気づけないですよね。自分の強みに」
「だから、周りの人の声に耳を傾けると見えてくるんですよ」
ハッとした顔になるAさん。
「そうか、私にとっては当たり前のことでも、他の人にとっては価値があるってことですよね。しかも、息をするぐらい普通にできることだから、無理がない」
「無理がないから続けられるんですよ」
「前職では、目標達成力が高い人たちばっかりだったから、別にすごいことだと思わなかったけど、今の職場では、私って貴重な存在なんですね。そうか、そういうことか~」
のどに引っかかっていた小骨が取れたようにスッキリした表情になる。
「自分の強みって、自分では本当にわからないものですね~」
強みは誰の中にもある。
ただ、強みはあなたにとって、あまりにも当たり前にできてしまうことだったりする。
そう、息をするように。
当たり前にできてしまうことは、いちいち意識しない。いや、意識できないと言っていい。
それが、自分一人で強みに気づくのが難しい最大の理由だ。
じゃあ、気づくことはできないのか?
できる。方法はある。
それは、
「周りの人の声に素直に耳を傾けること」
思い出してほしい。
これまであなたは、多くの人から認められたり、褒められたりしてきたはずだ。
「〇〇さんって、そんなことができるんですね!」
「〇〇さんの文章、いつも面白いですよね」
「〇〇さんと話すと、気持ちが軽くなるんです」
でも、いろんな人から同じことを褒められたり、認められたりしているのに、ピンとこなくて受け取らなかった声はなかっただろうか?
その受け取らなかった声の中に、あなたがまだ気づいていない強みがきっと隠れている。
だから、周りの人からの賞賛や承認の言葉に素直に耳を傾けてほしい。
そして、あなたが誰かの強みを見つけたら、今度はあなたがその人に届けてほしい。
「そんなこと、相手も分かっているんじゃない」と思うかもしれない。
でも、もしかしたら、相手はまだその強みに気づいていないかもしれない。
だって、一人で自分の強みに気づくのが難しいのは、他の人たちも一緒だから。
誰かもまた、あなたの声を待っている。
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