メディアグランプリ

青春を奪われた私が語るアカペラの魅力


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:奥 寛子(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
Ha~Ha~
Uh~Uh~ Wow~ Wow~
 
 
4~6人が声だけで演奏する音楽がある。「アカペラ」である。
テレビでも特番で放送され、学生たちがトーナメント形式で戦っている人気の青春番組もある。
ボイスパーカッションという言葉の知名度が上がったのも、この番組の効果だろう。
今回は、アカペラの魅力にハマり、貴重な大学4年間に恋人も作らず、無我夢中で歌い続けていた私が、アカペラを知らない皆さんに魅力を語ろうと思う。
 
 
そもそもアカペラとは何ぞや? ゴスペルのことか?
いいえ違う! これは一番よく間違えられる。逆に言えば、私がこのタイミングで皆さんに聞いてもらいたかった質問だ。聞いてくれてありがとう。
ゴスペルは音楽のジャンルなので、ポップス、ロック、ジャズ、R&Bと並ぶ。一方、アカペラは楽器を使わないだけの、いわゆる音楽形態なので、アカペラでロックもできるし、ジャズもできる。つまりアカペラでゴスペルもできるということになる。

 
 
なぜそんなに夢中になったのか?
アカペラは、4~6人で1つのグループを作り、全員が違うメロディーやリズムを発し、重なり合わせてハーモニーを作る。全員の音がぴったりと合わさった時、いわゆる「ハモった時」に、とてつもない快感に襲われる。某水泳選手を思い出してほしい。「ちょー気持ちいい」「何も言えねえ」こんな感じだ。
ハモれるようになるには、何度も練習をしないといけない。その練習を超えた先に、ちょー気持ちいいが待っているのだ。そして皆さんがまだ体験したことのない世界を紹介すると、「倍音」という世界がある。これは、メンバー全員がぴったりとハモった時に出る音で、誰も発していない高音がキーンと鳴るのだ。
倍音が出ると、メンバーの数以上の音が鳴ることにより、ハーモニーに厚みが出る。人間の声の可能性をここに感じる。同じジャンルが好きなメンバーとグループを組み、好きな音楽を朝から夜まで声に出して歌い、心地よいハーモニーを生み出して1曲を作っていく。
この曲のこの部分にこんな歌詞入れてコーラスしてみよう、2番のサビはもっと盛り上げたいから全員がメインのメロディーを歌おう、と試行錯誤を繰り返す毎日。仲間と一緒に一つの作品を作っていく工程がとても楽しかった。
 
 
アカペラは、例えるなら「握手」と一緒だ。
仕事の場面でも新しい友達でも、知り合ってまだ親しくない人と握手をした時、手のひらから色々な情報を受け取れる。温かいな、乾いているな、力が強いな……と。言葉だけでは分からない情報が、手のひらから出発して、頭の中の記憶というゴールを目指していく。握手を終えた後、握手をする前よりも相手との距離が縮まっていることはないだろうか? 握手をすると信頼関係が生まれやすい。
また、握り方が強すぎても弱すぎてもバランスが悪いように、声の距離をゼロにするためには、声の大きさを揃えることも大切だ。メンバーの顔を見ながら息つぎのタイミングを合わせ、同時に発声を終わらせるようアイコンタクトをし、グループが1つになることに意識を集中させる。目と耳の感覚を研ぎ澄まし、メンバーに歩み寄っていくことで信頼関係が生まれてくる。
握手をしていると、相手に違和感を感じることがあるように、声にも相性がある。万人に受ける声もあれば、どうしてもハーモニーが生み出せず、浮き上がってしまう声もある。そういう時は、特徴を生かしながらパートを変えるようにする。ハモりパートだと一人だけ目立ってしまうような声は、リードボーカルに持っていく。その特徴的な声は、聴いている人の耳に残りグループの個性になる。
 
 
完璧なハーモニーは温かい。優しいぬくもりを感じる。
だから私は多感な青春時代に、アカペラ以外に「何もいらねえ」と思ったのかもしれない。
素晴らしいハーモニーだけを求めて、アカペラ仲間との絆を深め、毎日深夜まで歌っていた。
人肌が恋しいという言葉があるが、私にとってもは人声が恋しいの方がしっくりくる。
 
 
4人集まれば素晴らしいメロディーが奏でられる。スタジオに行かなくても、家でも公園でも歌える。
楽器を買わなくても声だけで演奏できる。メンバーと声を出し合って、ハモるだけで温かい気持ちになれる。こんなにコスパの良い音楽が他にあるだろうか。
学生さんでも社会人でも、少しでも興味を持った方は始めてみてほしい。そして私をグループに誘ってほしい。そう、私は今、人声が恋しいのだ(笑)

 
 
 
 
 

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2019-08-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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