メディアグランプリ

男性の動作に対して好き勝手言ってます


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:浅倉史歩((ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
私が大好きな男性の動作のひとつ、それは「ポケットから小銭を取り出すこと」である。
コンビニのレジや自販機の前で、無造作にポケットに手を突っ込み、チャリチャリ言わせながら必要な小銭だけをピックアップしてお支払いをする、あの何気ない姿が何ともいい。
 
 
いや、ちょっと違う。言い換えよう。
男性が、小銭入れやお財布から小銭を取り出す男性の姿がどうしても好きになれない。
小銭入れや財布に大きな指を入れて、小銭をちまちま取り出す姿がどうもいただけない(と感じる)。
それがおっちゃんであろうがお兄ちゃんであろうが、知っている人であろうが知らない人であろうが、関係なく。
 
 
誤解しないでいただきたいのだが、私は小銭を粗末にするつもりはないし、自分自身今までだってそのようなことはしてきていない。
お財布や小銭入れにいれて丁寧に取扱いする人の方が、男性としての好感度は高い。
あくまでも「小銭を扱う時の動作の好き嫌い」というだけの話である。
(ちなみに父親は絶対にそんなことはしない人で、小銭入れを持ち歩く派)
 
 
しかもポケットでチャリチャリさせると、衣類としての形が崩れてしまいビジュアル的に美しくないことも、ポケットの生地が傷んで穴があいてしまうことも十分認識している。
つまり実際問題として「ポケットチャリチャリ」は何一ついいことなどないのに、どうしても気持ちは「ポケットチャリチャリ」に傾いてしまうのだ。
一体なぜなんだろう。
 
 
ところがある時、それがすっきり解決できる文章に出会った。
脚本家・内館牧子さんが書かれたエッセーである。
驚くことに、内館さんも同じことを感じていらっしゃったようで(というより、私が内館さんと同じことを感じていたことが驚きである)、彼女特有のテンポのいい文章で、スパッ!とした表現で綴られていた。
 
 
「小銭入れを覗き込むときの、オトコの背中が好きになれない。 
大の男が背中を丸め、人差し指と中指で一枚一枚小銭を取り出すときのからだのラインが何とも貧乏臭くてみじめなのだ」
 
 
そうか!!
それか!!
男の背中なのか!!
からだのラインなのか!!
すっきりーーー!!!
 
 
確かに、小銭入れを覗きこむとき、男性の大きな背中が丸くなる。
 
 
そして太い指を小銭入れのなかでちまちま動かす姿は……
うん、誤解を恐れず内館さんの言葉を借りてそのまま言おう、「貧乏くさい!」と。
私の感受性は小銭入れちまちまを「貧乏くささ」とキャッチしてしまっていたのだ。
(気を悪くした方がいらしたなら申し訳ないけれど、あくまでも私個人の感覚としてご理解、お許しいただきたい。)
 
 
知らず知らずのうちに、男性には堂々とした姿を求めていたからなのかもしれない。
内館さんが書かれているように、男は「大」と勝手に描いていただけなのかもしれない。
ただ単に、そういう姿にあこがれていただけなのかもしれない。
という、若かりし20代のころの私(笑)。
 
 
それから月日が流れた今では、ポケットチャリチャリだろうが、小銭入れちまちまだろうが、全く気にならない。
そんなことが気になっていた自分に我ながらあきれているくらいであり、それよりも今、男性の指先のちまちました動作がかわいく思える時がある。
それは、携帯電話やスマートフォンを操作する姿なのである。
 
 
端末がすっぽりと入ってしまうような大きな手でぽちぽちやっている姿は、何ともほほえましい。
「よくあの太い指で操作できるなー」
「間違えて隣のキー触ったりせーへんのかなー」
「もっと大きいサイズのスマホにしたらええのに」
「スマホやなくて、パソコン使ったら??」
などなど、またもや好き勝手思ってしまうのだが、画面を覗きこむ背中の丸っこいラインに人間臭さを感じて、それが何とも愛おしい。
 
 
そう感じるのは、きっと自分が大人になり仕事をしていく中で、社会で戦う男性の姿を見せつけられたからだと思う。
男性の人間としての大きな器や堂々としている姿を前に、「やっぱり男ってすごいな」「女性ではかなわないな」いう場面に何度も出くわしただろう。
大切な人を守るため、涙をこらえながら耐えている姿にもどれほど出くわしただろう。
 
 
だからこそ、その真逆の姿である、「背中の丸いライン」も、「ちまちました指の動き」も、男性というより、一人の人間の一つの姿として、普通に受け入れられるようになったのだと思う。
それを前提として小銭ちまちまについて触れるなら、大人になりきれていない世間知らずの幼い感覚がそう感じさせていたのかもしれない。
 
 
ちなみだが私の友人は、男性の普通のお財布を出す瞬間の仕草や ご飯を食べに行ったときのメニューの決め方で 気持ちが冷めたりときめいたりするらしい。
 
 
結局のところ何歳になっても男性の一挙一動で、女性の心はときめいたり冷めたりと、忙しいのかもしれない。
というよりも、小銭のこともスマホのことも、「どれもこれも他人にとやかく言われることじゃねぇ、ほっといてくれ!」という世の男性の声が聞こえてきそうである。
男性の皆さん、すべて私の主観で好き勝手書きました!!
ごめんなさい!!

 
 
 
 
 

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/86808

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-08-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事