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私が中国語検定1級にトライするわけ


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記事:伊藤祥(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
3か月半後の来る11月24日(日)は中国語検定の試験日である。私は今年も1級を受験予定だ。読者に中国語の学習者はレアかもしれないが、あなたも、英検1級に受かってみたいなとか、TOEIC900点だったら、などと思ったことはないだろうか。あなたも語学に関心があれば、私のいきついた考えが参考になれば幸いである。
 
 
一般に、中国語を仕事にしようと思えば、中国語検定準1級、HSK6級をとっていればいいと言われている。中国語検定1級はその上に君臨する幻の資格だ。
中国語検定1級は年に1回秋だけの実施で、合格率は極めて低く、昨年度の一次試験の合格率は5.6%、二次試験は66.7%で、合格者はわずか12名。しかも、最近の会場には中国人受験者もけっこうな人数見かけられる。むろん、和訳問題もあるので、中国人だから絶対受かるという問題ではない。一方日本人でも、ちゃんと勉強すれば受かっている。
 
 
さて、どこにその試験の難度があるのか? この試験には、多くの四字熟語に慣用表現、紛らわしい多くの類義語の使い分けが出てくる、語彙力が勝負の試験である。そして、準1級より難度も上がるのに、求められる正答率が上がる。ヒアリングと筆記、各々85%以上得点しなければならない。一言で言うならば、「中国語オタクのための試験」であって、昨年、一緒に受験した仲間は、「なぜ受けるか、そこに試験があるから」と言った。この発言は的を射ていて、受験者は実用目的というより、登山者に近い。
 
 
そもそも、機械翻訳などのレベルがあがっていくと言われる中で、なぜ生身の自分に語学を叩き込むのか。それは、やはり外国人と直接にコミュニケーションがとれる爽快感が何物にも代えられないからであろう。そして、やれば、レベルがあがり到達感があるから。
 
 
大学や留学、現地での仕事生活を経て中国語を学んできた私であるが、実は学習になんの秘訣も感じられない。今のところ、まだ中国語をマスターしたぞという実感もない。ただ、道を前に進んだだけという感じ。このように、語学をマスターするというのは、終わりのない果てしない作業のような気がする一方で、短期間でもまとめて勉強するとやはり、ググッと身についた感を感じられることもある、だから勉強しようという気にもなるのだ。
 
 
同志の勉強会に参加してみて、他のつわもの達も年中勉強に集中してられるわけではないということがわかった。いつまで勉強の集中力が保てるかというと、以前の準1級受験時の経験から言って、3カ月ぐらいがせいぜい。そして何を勉強するかというと、前回1級合格寸前の好成績をとった友人の学習法から見て、やはり過去問題を解くことが有効だ。そして、英語と違い、中検1級の過去問以外の対策本は1冊しかないので、対策本と過去問の両方を解く。そこまで絞れていても、なかなか勉強しきれない、合格レベルに到達しない。難儀なことだ。
 
 
よく、かつて日本人は外国語会話が苦手とか、外国語の学習に向いてない、とか学校の暗記教育が悪いなどと言われることがある。でもそれは、負け犬の遠吠えであって、少なくとも逆の立場の中華圏の日本語の上手な人たちを見ていると、ひとえに日本人とは学習量が違うだけのように思う。
 
 
思い返せば、数年前、中検を意識し始める前は、いい年をして、また大学受験のように真剣に勉強するという行動が自分でも受け入れがたかったが、数年かけてやっと勉強モードになった。語学学習には秘策はないから、私がやらなきゃと思っていることは、きっとあなたがやらなきゃと思っていることと同じだ。繰り返すが、それをやれば、レベルが上がる。
 
 
私の学生時代からの学習タイプは、色々教材に目移りして、あまり深められないタイプ。そのため、今は教材を絞ることを意識している。英語なり、他に外国語をマスターしたいと思っている人も、これだという教材を見つけたら、それに絞った方がいいかもしれない。
 
 
そして、学生時代と異なり、勉強さえしていれば1日大きい顔をしていられるわけではないので、学習時間にはどうしても制約が出てくる。まずは、1日にこの時間だけは必ず勉強するという30分を確保することが大事だ。朝30分勉強したから夜はもっとしようと思っても、結局その30分で終わってしまうことも多い。毎日30分だけでは足りないが、でも、たった30分でも意外と参考書を読むことが出来る、日々の蓄積は大きい。
 
 
こうして見ると、語学試験を受ける人はやはり登山する人と似ている。しかし、語学試験の登山はただ高いだけ、距離が長いだけの初心者向けの夏山登山だ。登る難度すらないのだ。もくもくと山頂の風景めざして進む。だから、外国語の基礎をつくる早道は、すぐ登り始めること。累積の勉強時間を稼ぐ、教材をしぼってよそ見をしない。
 
 
つまらない?
何をおっしゃる、進まないと登らない。
単語を覚える、例文覚える。文法問題を解く。長文読む。実際にネイティブと会話し、チャットする。やればやるだけ裏切られず、まんま上手になりますよ。
 
 
しかし、言語を「深く」学ぶのは、また少し別。それについては、改めて書く。

 
 
 
 
 

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2019-08-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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