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和歌山の片隅で気づいた穴場なお店の見つけ方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:千葉貴大(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「和歌山の〜付近で美味いもの食べたいから、店探しといて」
大阪に勤務していた時、営業課長である私の上司は、翌日一緒に行く出張の際の店選びを、こともなげに依頼してきた。
40歳手前で課長になる社員が多い職場で、30歳で課長になるだけあって、仕事も店選びもお手の物なのだろう。普段通りのテンションで告げてきた。
 
 
しかし待って欲しい。
相手はこの私だ。
営業のくせに会食なんてしたことがなく、仮にそんな機会があるなら上司達に全てを任せて欠席する、できる限り他人とのコミュニケーションを少なくして生きていたい、それが私なのだ。
今回はお客様はおらず、上司と二人きりとはいえ、ましてや和歌山県の片田舎で、上司の気に入りそうな店(出世には興味ないが、上司から多少気に入られて、職場環境をよくしておきたいという気持ちくらいは残っている)を明日までに探すという高難易度タスクをいきなり振られても困る。
 
 
食べログを一通り見、他社サイトも見たがいい感じの店が見つからない。
やはり田舎だけあって店自体の数が少ないことも影響しているのだろう。
とりあえずGoogle mapで点数の高い割烹料理店を見つけ、予約をした。
食べログだと点数は3.1点だし、口コミは少ないし、コースが5,000円・7,000円・10,000円の3種類のコースしかなかったのが気になるが仕方がない。とりあえず一番安い5,000円のコースを予約した。
 
 
遠方だったので前泊することになっており、夕方には大阪の事務所を出発した。
車で向かったが、高速を降りると既に夜になっており、そこから先は海岸沿いの真っ暗な夜道を走り続けた。
街灯はもちろん少ない。
外の風景も相待って、店に対してぼんやりとした不安がつのっていく。
到着が30分遅れることが途中で判明し、お店にはお詫びの電話をしたが、電話に出た方の雰囲気が柔らかかったことがせめてもの救いだった。
店が近づくにつれスマホの電波の本数も2本、1本と減ってきた。
上司の名誉のために補足すると、クオリティの低い店でも機嫌を損ねるような人では全くないが、それでも選んだ手前、いい店であって欲しいと思った。
 
 
店の前に車を止め、中に入るととても綺麗で落ち着いた雰囲気が広がっていた。
白を基調とした店内は個室がメインとなっていたがカウンタースペースもあり、BGMでジャズが流れる大人空間は、接待や記念日の食事にも使えそうな店だった。
 
 
料理のクオリティも予想をはるかに超えてきた。
 
 
どこかで見たことのある食材達が、見たことのない形・組み合わせで次々と出てくる。
刺身にはチーズと何かを加えたソースをつけて食べるという経験したことのない組み合わせ。
白子をハモでくるんだ一品は何もつけなくても美味しかった。
ローストビーフは脂身が少なそうだったが光り輝いており、口に入れると一瞬でとろけてしまった。
デザートまでこだわり抜かれた料理の数々は、長時間運転してきた体に染み渡った。
女将さんがこちらが話終わるのを待って、一個一個料理の説明を丁寧にしてくれるのもありがたかった。
 
 
料理だけでない、これだけ素敵な体験がたった5,000円しかかからないなんて!
課長共々大満足な夕飯となったのであった。
(もちろん次の日の商談がうまく行ったのは言うまでもない)
 
 
さて、今回の体験で私が学んだことは、店を決めるのに一つの情報ソースだけで決めてはいけないということである。
今回の店だって、食べログの点数だけでみたら3.1点だし、口コミは少ない。
普段だったら使用するのをためらうだろう。
だがそうしたものはやはりあくまで一つの目安として使うべきだ。
私自身もこの出来事以降、食べログ以外の情報ソースからも情報収拾を行うようになった。
 
 
様々な店を探すようになる中で、ブラッシュアップを行い、最近は以下の条件で店探しを行なっている。
 
 
【穴場探しの3条件】
① 食べログの点数は3.0~3.5であること
(それ以上になると人気すぎてなかなか予約できないことがある)
② Google map上でもいい口コミが複数あること
(主観だが、Google mapの口コミはPR などが知る限りないため、正直な感想が書かれていることが多いと感じる)
③ 店の雰囲気はInstagramやTwitterといったSNSでもチェック
 
 
これらを踏まえた店探しをすることで、ハズレだなと感じる店に当たることは少なくなり、人にオススメできるような穴場な店に出会う機会が増えてきた。
田舎だけでなく、もちろん東京や大阪のような都会でも使用できるので、ぜひ活用してほしい。
 
 
店探しとは、服選びに似ているかもしれない。
ファッション雑誌だけを見て服を買っても、いい結果はあまり生まないだろう。
高級なブランドの服は知名度はあるが、もしかしたら機能性が低いかもしれない。
デザインがかっこいいものは、もしかしたら着心地が悪いかもしれない。
雑誌だけでなく、SNSで検索したり、実際に手に取ってみることで初めてわかることもあるはずだ。
 
 
様々な情報ソースにあたり、その情報が本当かどうかきちんと比較をしよう。
その一手間で、彼氏彼女と素敵な記念日を過ごせたり、仕事につながる接待ができたり、同じ2時間でも全然価値の違う2時間になるだろう。

 
 
 
 
 

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2019-08-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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