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資格があれば“食いっぱぐれない”は本当か?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鉾立由紀(書塾)
 
 
「〇〇の資格を取れば、起業できると思ったのですが……」
 
そう言って、私のところに起業の相談に来られる方が大勢います。そして私も今でこそ、起業家のプロデュースという仕事をしていますが、起業する前は、私に起業の相談をされる起業志望者の方々と同じように「たくさんの資格を持っていれば“食いっぱぐれない”」と思い込んでいた会社員だったのです。
 
実際、「資格さえあれば大丈夫!」と思い込んでいた私は、MBA、英検1級、TOEIC975点とかなり難しい資格を数多く保有してきました。しかし、現実的に起業を考え始めた時、それらの資格が起業に役立ったかと言うと……まったく役に立たない。私のところに相談に来られる起業志望者の方々も、過去の私と同じで、資格は保有するもののどうすることもできず、私のセミナーや個別相談にいらっしゃり、解決の糸口を探そうとされています。
 
これからの時代は副業解禁時代です。そのため、この記事では、これから起業を目指す会社員の方々が無駄に資格取得ジプシーにならずにすむよう「なぜ多くの人が、資格を持っていても起業できないのか?」について話していきます。起業家としてのスムーズなデビューのために、この記事で資格の起業への有効活用の基礎を学んでみてください。
 
ではまずそもそも、なぜ多くの方々が資格を保有すれば起業ができると考えるのでしょうか? それは、多くの方々が資格を「水戸黄門の印籠」のように捉えてしまっているためです。「この紋所が目に入らぬか!」とその資格を見せれば、お客様がひれ伏す。そんなふうに考えているからです。
 
一方で、なぜ多くの人が、資格を持っているのに起業できないのでしょう? それは、この「水戸黄門」効果を期待できるのは、弁護士資格や医師免許のように、誰もが「その資格が“自分に”どう役に立つのか?」が明確にわかる資格の場合のみだから。それ以外の、多くの方々に知られていない資格の場合、この「水戸黄門」効果はほとんど期待できないと言っていいでしょう。
 
具体例と共に説明していきます。例えば、弁護士資格。この場合、資格保有者が何をしてくれる職業の人か、お客様は明確にイメージすることができますね。そのため、基本的に、どんな時に弁護士の先生に仕事を依頼すればいいかがわかります。
 
しかしその一方で、私が持っているMBA(経営学修士号)という資格は、弁護士資格ほどの認知はありません。そのため、私がいくら「私、MBAを持っています。その資格で仕事をしたいと思っています」とお伝えしたところで、お客様は「私に何を依頼できるのか? 私から一体何を期待できるのか?」がイメージできない、わからない。私になにを期待すればいいのかわからなければ、お客様が私に仕事を依頼してくることはありません。
 
では資格保有者は、どうすれば起業できるのでしょうか?
 
ここで知っておいてもらいたいこと、それは、お客様は100%「自分のこと」しか考えていないということなのです。要するに「私がMBAを持っています」とお客様に伝えても、それは“私”のことしか語っておらず、お客様の関心事である「自分(お客様)にMBAがどう役に立つのか?」について、一切語っていないということなのです。だから私が資格を使って、起業をしたいと思うなら、伝えるべきは「MBAを持っている」ということではなく「その資格が、お客様にどう役立つのか?」ということをリアルにイメージできるように、お客様に伝えること。
 
しかし残念ですが、資格をアピールすることをやめて、お客様に自分と付き合うことのメリットを伝えられれば、それで起業できるのかと言うと、そういうことでもありません。資格保有者が資格を活用して起業するには、あともう1つ学ぶ必要があります。それはあなたのビジネスを「圧倒的な量で、見込みのお客様にお知らせする方法」です。
 
多くの会社員が勘違いしていることの1つに「いい商品があれば売れる」と言うことがあります。しかし実はこれは大きな勘違い! お客様はあなたも、あなたのビジネスも、知らなければ想像できないですし、想像できなければ購入することもできません。要するに、あなたのビジネスの顧客メリットが明確に伝えられるようになったら、今度は、たくさんの見込みのお客様に「あなたがお客様の問題を解決できる」と知っていただかなければ、お客様があなたに依頼することは不可能ということなのです。
 
参考までにお知らせすると、紙のチラシをポストに1万枚まいて、お客様のお問い合わせをいただける確率は約1%と言われています。昭和の時代であれば、イエローページの「税理士」や「弁護士」のカテゴリーに名前や事業主名が掲載されているだけで、地元のお客様がお問い合わせの電話をしてきてくださったでしょう。
 
しかし今、資格の種類も増え、また同時に、資格の保有者も増えています。そしてさらには、お客様が日々受け取っている広告などからのメッセージも膨大な量に膨れ上がってしまっています。
 
だからこそ、この記事で私があなたにお伝えしたいこと。それは、まず、資格で起業したいなら、何はなくても、資格のアピールではなく、「その資格でお客様の何の問題をどう解決するのか?」、すなわち、お客様のメリットをはっきりとお伝えすること。そしてその上で、そのお客様のメリットをとにかくたくさんの見込みのお客様にお知らせすること。この2つが資格保有者の方々が起業する際に、最低限必要なことなのです。
 
これから、益々、多くの資格が登場し、もっと多くの資格保有者が誕生してくることでしょう。ですが資格取得のために試験料を払いっぱなしで終わりにしてはいけません。せっかくのお金と時間と労力を費やして取得する資格です。合格し、その資格を活用して、多くのお客様の問題を解決し、人々を笑顔にできる。資格をそんなツールとして活かしてくださったなら、私もこれ以上に嬉しいことはありません。
 
 
 
 
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2019-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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