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ギャップと引力で子どもは伸びる~夜のお菓子はうなぎパイ~



*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:白川とも子 (ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「お母さん、うなぎパイ考えた人、スゲーくない?」
 
 
息子は大好物のうなぎパイを口に放り込みながら、言った。お盆休み、実家に帰ったときに、しっかりゲットしてきたおやつだ。
 
 
「うなぎってぬるぬるしてるやん。だけどうなぎパイ、サクサクしてるよな。ウマい!」
 
 
連日の移動、抱える仕事、課題の提出で、もうろうとした頭にうなぎパイ。
もうすでに、私の許容量はギリギリって感じだ。
 
 
「ま、食べたらわかるで、お母さん!」
 
 
優しいのだか何だか、弱りつつある私の口に、次男は自分の食べているひとかけらを放り込んだ。中学3年になった息子は、私にあまりしゃべらなくなってきていた。何か話しかけても、「ああ」とか「べつに」という返事が返ってくるぐらいだから、うなぎパイ、よっぽど好きなのに違いない。
 
 
うなぎはぬるぬる。パイはサクサク。
息子の言葉をなんとなく、私は口の中で繰り返してみた。
ことばとしては、真反対のイメージだ。けれども、お菓子の中で一つになっている。なんなら、より強められて、強烈な印象を残しているではないか。そして、うまい!
 
 
この夏、私は塾で子どもたちと濃い時間を過ごしている。テキストはなく、私が選んだ本や新聞の切り抜きで進み、子ども達は文章を書いていく、という小さな塾だ。夏休みの教室は人気で、子どもは暑い中やってくる。
 
 
暑い夏ほど子供たちは大きく成長する。それは長く塾を続けてきて思うことだ。塾に来てもいいし、家でいてもよいのだが、汗だくで子ども達は通ってくる。自分の夢を実現するために、言葉を紡いでいくそんな塾だ。
 
 
もし、読者に子育て中の方がいたら、小さい時から親子で楽しんでほしいトレーニングがある。私の塾で実践し、効果が出ている方法だ。皆さんの教育法に合っていたら、使ってみてほしい。夏休みに一気に成長できる秘蜜の特訓だから、小学生低学年にはより効果があるだろう。
 
 
 
 
・鉛筆をもって、紙に線を引く
 
 
 
 
あ、今、笑った?
じつはこれが非常に有効なのである。
「え? そこですか」
とよく聞かれるポイントだが、意外なことに、これ、大事。
 
 
今、小学校で起きている問題の一つに、「子どもの握力が落ちている」ことがある。ひと昔、私たちはHBの濃さの鉛筆で書いていたはずだ。今、入学準備で「Bから6Bの間で、お子さんに合うものを選んでください」という指導をしている小学校が多くなっている。それは、子どもによって、筆圧(書くときの力の強さ)の違いが大きく、芯の堅いHBでは、字が書けないのだという。実際に、塾にきている子ども達には、最初どの子も線を書く練習、ぐるぐると左から右に「らせん」を書く練習をする。ここで大事なのは、「タイムを計る」ことである。一回目と、二回目。そのタイムを計ると、その差は歴然と出るはずだ。
「差」が出なければ、出る状態にしてあげてから、タイムを計る。練習によって、「早くきちんと線が引けるようになる、スゲー!」ということが子どもにわかればオッケーだから、時間で一喜一憂しなくてよいのである。
 
 
その次に、頭の回転が良くなる遊びを二つ。
 
 
 
 
・さかさまことばゲーム
 
 
 
 
目に入った看板、本、なんでもよいが、すぐ「さかさま読み」をするのだ。
 
 
たとえば、「夏バテ」は「てばつな」である。「うなぎ」は「ぎなう」
子どもが慣れてきたら、親が先に「るーび」と言って当ててもらう。大事なのは、スピードだ。とにかく早く、大量に。
そして、あっさりとやめる。
星飛雄馬のお父さんほどには、しつこくしないことだ。
 
 
できるまでやる必要はない。時々やって、「脳をびっくりさせる」ことが目的で「目に入る文字と音の差」このギャップが、必要なことなのである。
 
 
 
 
・めっちゃ反対ことばさがしゲーム
 
 
 
 
単純な、反対ことばゲームではない。「山」→「川」でもなく、「高い」→「低い」でもない。どういうことかというと、関係が遠ければ遠いほど「オッケー」なのである。そこに、親が関わることで「なぜ?」という確認を入れる。反対ことばを探すのは問題をつくる子どもたちで、答える人は、だいたい適当に答えてよいのだ。
 
 
「ゆうとのおなかはゴリラでいっぱいである」
 
 
みなさん、ご遠慮なくツッコミ! 大歓迎である。息子がどういう意味でこの問題を出したのか、いまだ持ってわからないが、ともかく、問題である。
 
 
そうして、その理由を家族で探しまくり、誰が「オッケー」をもらえるかを競った。ルールはゆるい。そのため、我が家では「名問題」と言われるものがいくつか誕生したのだった。
 
 
楽しく遊ぶコツとしては、できるだけ離れたキーワードをくっつけて、問題を子どもが出す。親の答えが想定内でなくてもよく、大喜利でなくてよいのだ。
たとえで言うなら、「逆上がり」や、「けんすい」にチャレンジするような感覚だ。言葉の遊びは、何回かやってみると、言葉選びがどんどんうまくなっていく。そうして、子どもの語句が増えていることに気づいてもらえるだろう。
 
 
こうして、子育てで活用した秘密の特訓は、今,子どもたちの教育の中で実際に使い、AO入試合格や、推薦留学合格などの実績が出ているが、大切なのは家庭での「面白い!」遊び感覚だ。
 
 
言葉と言葉のイメージが遠ければ遠いほど面白さも出て、ギャップが大きいほど、子ども達はその引力にひかれてぐっと、のめり込む。もちろん、きっと大人だってそうだろう。
 
 
ぬめぬめ、サクサク夜のお菓子は、息子の大好物。
 
 
そんな絶妙な組み合わせの言葉たちが、私たちのまわりにはたくさんある。それに気づくことで、子どもたちの力はこの夏グンと大きく伸びるだろう。言葉の面白さ、響きの面白さ、ぜひ、「ギャップと引力」を使った特訓を親子で楽しんでみてはいかがだろうか。
 
 
 
 
 

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2019-08-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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