メディアグランプリ

沢山の「いいね」獲得は、ある先輩の分析からがスタート


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:池田哲平 (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「相変わらず、面白くないね」
A先輩はぼそっとつぶやいた。
「なんか文章にすると当たり前でさ、なんか哲平さんの良さがでてない」
A先輩は僕のFBの投稿やブログの読者だ。
面白いことはどんどん拡散してくれる読者でもある。
しかし、僕の記事を拡散してくれたことは1回もない。
そう、1回もないのだ。
「話すと面白いのに」とA先輩は言う。
 
Aさんは2つ年上。
一流私大から一部上場に20年以上勤務した後、7年前に独立。
数千万円をたたき出すビジネスと大型マンションのオーナーになった。
家賃収入も年間数億円稼いでいるようだ。
人脈も幅広く、下北沢の小劇場の女優から、大臣まで持っている。
電話一本で上場企業の社長を呼び出すこともできる位だ。
 
成功しているからこそ、人やコンテンツを見る目は厳しい。
売れている本やベストセラーであっても、ぶった切られる。
「切り口が当たり前で、途中で読むのをやめた」
「ストーリーが今の時代にあっているからかな、まあ暇なときに読めば」
とコメントも辛口だ。
 
ビジネスでのアドバイスも厳しい。
「人は疑ってかかった方がよい」
「お金の話をしない人間が一番怖い」
「怪しいと思ったら動かない方がよい」
などと、直情的な僕に戒めのアドバイスをくれる。
 
そんなA先輩が僕の話で喜んだことがあった。
「僕、ウズベキスタンのタシケントで警察に捕まったんです」
顛末を色々話すと、
「馬鹿だよな、それ。でも、人間らしくてイイ」と大笑いしてくれた。
現地コーディネーターにのこのこついて遊びにいったら、綺麗な女の子がでてくるのでなく警察がでてきたというお話。警察はビジネスマンから「強請り」や「たかり」で小遣い稼ぎをしていたのだ。
 
「そういう話ってさ、噂に聞くけど。リアルだとなんか馬鹿だね」
「でも、警察官が小遣い稼ぎに、吉原で待ち伏せしていたみたいな話でしょ。でも日本人はハニートラップにひっかかりやすいから、そういうことには気をつけた方がイイみたいな話ができるじゃない。それをブログとかに書けばイイじゃん」
 
A先輩は自分が面白く感じるかどうかだけで、コメントをしていると思った。
僕の失敗談だから、ただ喜んでいるだけだと思っていた。
 
違った。
 
他に拡散している投稿は
 
小劇場の女優からの劇の見方。
就活大学生の企業分析。
税理士の税法改正の課題点。
 
などだった。
 
つながっている人に役立ちそうな情報を拡散していた。
 
A先輩の拡散記事を分析してみた。
 
投稿者の有名か無名は関係なかった。
 
A先輩は決して有名だからという理由で著名人の投稿を拡散するようなことはしていなかったのだ。
 
投稿自体が面白いかどうかが、拡散基準だ。
それは全くぶれていない。
 
A先輩が拡散している投稿が読まれている理由はシンプルだ。
 
僕らに役立つ話しだ。
僕らのメリットにつながっている。
 
A先輩の拡散基準に確信が持てた後、僕の投稿をもう一度見直した。
 
海外出張での風景。
出張前の空港での話。
自分が食べた食事の話。
自分がダメダメだったころの話。
何気ない日常の話。
 
どうも、人に役立つ感はない。
情報もどこででも取れるものばかりだった。
 
A先輩が「面白くない」という理由がわかった。
「面白くない」どころか「ひどい」
 
そして、もう一度、A先輩の言葉を考えてみた。
「実際、あって話す話は面白いんだけどね……」
 
会っているときには、「どうしたら喜んでくれるだろう」と考えながら話している。
どうもブログやFBの投稿は考えないで書いているように思えた。
 
A先輩を喜ばせる記事を書く準備のためA先輩の「考え」や「人となり」を分析してみた。
 
インスタグラムでは食事の写真が半分。小劇場の女優が3分の1。あとはお店や観光地の写真。
FBの拡散投稿は役立つ話がほとんど。
プロファイルは不動産オーナー。東京と地方の2重生活。
お酒は飲む人ではない。基本時には人を疑っている、性悪説。
僕が海外に詳しいのは知っている。
僕が海外に6年以上住んでいたのも知っている。
僕の会社にはたくさん外国人が働いているのも知っている。
 
プロファイリングが終わったので、A先輩を喜ばせようと思って書いてみた。
 
FBで異文化の人との接し方についてだ。白人だと日本人と見た目が違うから、「もしかしたら異なる考え方をもつかも」と心の準備ができる。アジア人は見た目が似ているだけにもともとの考え方が同じだと認識すると大変なことになる。まずは違いが存在するかもと認識することからが異文化理解のスタートというようなことを書いた。
 
A先輩の周りには外人がいるわけではないから、異文化との出会いを部署の違いや産業の違いでも起こりうるという説明を加えた。
 
FBでは珍しく「いいね」が3桁にいった。
 
A先輩からLineで連絡があった。
 
「この間の異文化の記事面白かったよ」
 
A先輩の「面白かった」は必ず3桁の「いいね」につながると確信が持てた。
 
A先輩に向けて書いたものが記録になった。
 
よし、しばらくA先輩の喜ぶ顔を考えながら書いてみよう。
 
 
 
 
***
 
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2019-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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