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NGOといえど、仕事は仕事


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記事:後藤愛美(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
NGO、という言葉を最近テレビやネットでよく見るようになった。
一方で、見知らぬ人に「私、NGOで働いています」と何気なく自己紹介すると、一瞬絶妙な空気が走る。
 
まだまだNGOで働くということがメジャーではない日本。今回は、NGOで働くってちょっと興味あるなぁという方に向けて、どんな仕事なのか、実際に働いてみてどう感じるのかを、私を例にして説明してみようと思う。
 
もともと、私は、大学生の頃から、途上国開発に関わる仕事をしてみたいとぼんやり思っていた。しかし、新卒でNGOってなんだか得体が知れないし、大学生で様々な途上国に行き、そこに広がる厳しい現状を知る中で、何のスキルも知識もない私に何ができるのだろうかという思いも強かったため、まずは企業に入って経験を積んでから、NGOに入ろうと決めた。(そして、それはとても良い選択だったと思っている。)
 
私が新卒で入ったのはコンサルティングの会社で、特に人材育成のために研修を提供している会社だった。毎日夢中で仕事をし、とても楽しかったが、会社の代表が変わったことをきっかけに、もやもやとした気持ちが募り、1年ほど悩んだ結果、丸4年でずっとやりたかった開発業界への転職を決めた。
 
NGOと言っても、日本には数え切れないほどの数がある。そんな中、私が就職先を決める時に大切にしていた軸は3つだ。
 
一つ目に、私の興味範囲である途上国の子どもにまつわる事業をやっている場所であること。
二つ目は、前職の経験を生かして、何かしら自分が貢献できる、場所であること。
そして三つ目は、「プロとして、仕事ができる場所である」ということ。
 
正直なところ、NGOで働くというと、給料をもらうというよりはボランティア精神満載で、あまり能力がない人がひたすら想いだけでやっている組織、というイメージが当時の私の中にはあった。
 
でも、私は絶対そんな風には働きたくなかった。
 
仕事としてやるのならば、プロとして、きちんと適切な給料をもらって仕事がしたい。想いだけではなく、能力がある人たちが、本当に意味のある活動をしている。そして、自分自身もその場所でしっかり成長できる。そんな場所で働きたいと強く思って、転職活動をした。
 
結果とあるNGOに内定をもらい、「広報・ファンドレイジング部門」のスタッフとして採用されることになった。ファンドレイジング、と聞くと聞き慣れないかもしれないが、日本語に訳すと資金調達。要は、現地で活動するためのお金、寄付を集める仕事だ。
 
特に私は、WEBサイトやSNS、リスティング広告からの個人寄付者の獲得を担当しており、日々サイトの訪問数やそこからの寄付者数を見ては、この見せ方がよい、この文言が良い、というのをテストしまくるという、一言でいうとWEBマーケティングの仕事がメインだった。その他にも、大口の法人・個人寄付者へのお礼・お願い訪問、イベントの企画・実施、寄付者に届ける年次報告書の作成、WEBのブログの更新など、幅広い仕事を担当した。
 
2年ほど、この場所で仕事をしてみて感じたことは、
「NGOといえども、仕事は仕事なんだな」ということだ。
 
これは、私の反省でもあるが、シンプルにNGOという組織に入れば、自分がずっと追い求めてきた仕事ができる、と夢を描いていた。しかし、私が入った部門が資金調達部門だったこともあり、向き合うのは寄付者、という数値目標。グーグルアナリティクスに並ぶ数字たち。費用対効果。正直、仕事の内容は企業でやっていた営業活動と、なんら変わらない。
 
もちろん冷静に考えると、すべての仕事は現地につながっている。でも、気持ち的には、自分のこの業務がどう途上国の支援につながっているのか、なかなか腹落ちができず、ものすごい違和感をかかえたまま仕事をする時期が続いた。
 
きっと「NGO」に入ること、はゴールではなく、大切なのはこのNGOという場所で、自分はどんな風に現地に貢献したいのか。どんな仕事の仕方が好きなのか。きちんとそこと向き合い、自分の答えを見つけること。当たり前だが、そんなことが大切なのだと思い知った。
 
そんな中、NGOで働いてよかったと思うことは、日々現地の情報が山ほど入って来ること。そして、様々な働き方の人が周りにたくさんいること。それゆえに、自分が何に心が動くのか、考えるきっかけは、ものすごくたくさんあった。(私はその結果、やはり自分はもっと受益者に近いところで直接サービスを提供する仕事をしたいと、カンボジアに移住し、最貧困層の女性たちに向けて、トレーニングやカウンセリングを提供する部署に移ることにした。)
 
他に感じたことといえば、一緒に仕事をする関係者がものすごく多いことだ。特に、インターン、ボランティア、プロボノなど、お客さん以外の存在。しかも、彼らは基本無給で働いてくれる。最初はそんな人たちにどれくらいの権限の仕事を、どう任せたらよいのかものすごく迷った。しかし、フレッシュな大学生から、バリバリのビジネスマン、仕事を引退したおじいちゃん、おばあちゃんまで、多様な人と一緒に働けたことは、私の人生をとても豊かにしてくれたように思う。
 
最後に、NGOというのは一般的に小さな組織であるがゆえに、ものすごい幅の仕事が任され、権限を大きく任されることも多い。そういう意味で、大きなプロジェクトに関わったり、自分を成長させる機会はいくらでもあると感じている。(それはNGOに限らず、スタートアップの企業も同様だとは思うが。)
ちょっぴり心配していた給料などの待遇も、団体によって差はあれど(そしてやはり通常の企業よりかは低い場合が多いのは事実だが)、私にとっては全く問題ないくらいの額をもらうことができていた。しかし一方で、資金も限られているため、大手大企業のように研修などの制度がしっかりと整っているわけではない。特に現場に来ればなおさら。それゆえに、私は新卒で企業に入ったことは、良い選択だったと思っている。
 
いろいろつらつらと書いてきたが、私が伝えたいのは、企業とNGOってそんなにも大きく変わらない、ということ。
 
NGOとはいえど、仕事は仕事。
でも、そのフィールドで、本当に自分の仕事はこれなんだと、心から思えたときは、最高に幸せだと思う。
 
私も、その仕事を見つける旅の途中にいる。
ぜひ、NGOへの就職が企業と同じくらい当たり前になり、このフィールドで、自分のやりたいことを模索する人が、一人でも増えるとよいなと思う。
 
 
 
 
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2019-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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