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メディアグランプリ

人の話が聴けない私と押しつけがましい料理店


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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8月ライティングゼミ  畑田 和美
 
県外で一人暮らしの大学生の娘から時々電話がある。
たいてい30分から2時間に及ぶ長電話になる。学校や人間関係、なれない一人暮らし、将来のこと、自分の性格のこと、バイトのことなど、いろんなことで考えて悩み、精神的にかなりキツイ状態であったようだ。
長電話は後半戦にさしかってくると娘は機嫌が悪くなり最終的には喧嘩っぽくなり終了する。
聞くつもりだったのに、何とか力になりたいと思うあまり、娘にとって代わってわたしが話しをしてしまう。
「お母さんのそんなきれいごとのアドバイスなんかいらんねん。そんなアドバイス言われなくてももうわかってる。聞いてほしいだけやのに!もういいわ!」電話は切れる。
 
ごめんね、聞いてほしかったんだよね。また、やってしまった。
わたしのやっていることは自己満足の『押しつけがましい料理店』のようなもの。
 
やれブイヤベースだ、ステーキだ、フロマージュだ・・・次々にテーブルに並べる。「どう? おいしいでしょ。栄養あるよ。お腹すいてるよね!? 腕によりをかけて作った自慢の料理、さあどうぞ」お客様の具合など関係ない。
「シェフの気持ちは有難いけど、もういりません。今、食べたくないんだけど、吐きたいくらいなんだけど・・・もう気持ち悪くなってきた。こんな『押しつけがましい店』はもういやだ」娘はきっとこんな気持ちだったかもしれない。
 
どうすれば『また来たい料理店』になれるのか。
 
米国の心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーの傾聴の3原則を引用しておさらいしてみようと思う。
 
お客様が来店。『いらっしゃいませ』常連客を明るく迎える。今日はどんな様子かな、いつものご注文かな? などとまず観察する。急かすことなくじっくり待つ。
 
①共感的理解:相手の話を相手の立場に立って相手の気持ちに共感しながら理解する。
「今日はとても暑いから、アイスコーヒーがいいですよね?」などと先回りして決めつけないこと。相手の話に耳を傾け相手を理解する。
 
②無条件の肯定的関心:相手の話を評価せず否定せずなぜそう考えるようになったか、その背景に肯定的な関心をもって聴く。
『ご注文は、ホットココアなんですね! いままで冷房のききすぎた教室で長い講義だったんですね。熱いココアがいいですね。それに頭を使うと甘いものが欲しいですよね~』なんて感じかな。「この暑いのにホットですか、かき氷がおすすめですよ」なんてきっとわたしは言うだろうな。それはだめ。
 
③自己一致:聴き手が相手に対して自分に対しても真摯な態度で話がわかりにくいことを伝え真意を確認する。わからないことをそのままにすることは自己一致に反する。
『すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いします』とわからないことがあれば素直に言おう。
 
話が分かりにくくてもしつこく聞き返すと娘にウザがられる。「お母さん、理解力ない!」なんて言われるのが嫌で、実はわかったようふりをしたこともあった。
 
そうだった。昔、傾聴の講座もきいことがある。本も読んだ。
忘れるんだな~。すぐに。知識としては知っている、知っていいたはず。
でも自分に浸み込ませて習慣となるまで繰り返さなければ講座をどんなに受けても本を読んでも進歩はないと反省した。
 
傾聴の3原則をしっかり叩き込こんで習慣になるまでやってみよう、そして人の話をしっかり受け止められる人間になろう。そんな素敵な料理店ならお客様は、また行きたくなるに違いない。
『押しつけがましい料理店』は閉店しました。『また来たくなる料理店』開店いたします。
 
娘よ、ご来店お待ちしております。
 
 
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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