ゆる自給菜園で、自分も育つ。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事: MDR(ライティング・ゼミ日曜コース)
無人島に食べ物を一つだけ持っていけるなら、枝豆にする!
そう思うほど、自分で育てた枝豆は別格の味の濃さ。
夏の早朝、草を刈っていると朝日が昇ってくる。
大げさだけれど、地球の一部になったような気がする瞬間。
我が家は、市民菜園を借りて4年目。54㎡=タタミ30枚ほどの面積で、ミニトマト、きゅうり、とうもろこしなどを育てています。仕事をしながらなので、平日や日中は作業しない「ゆる」菜園ですが、暮らしになくてはならないものになりました。というわけで、ゆる菜園の楽しさをお伝えしてみます。
農作業ってヨガみたいだといつも思うのです。
体を使い汗をかく。五感を使う。人によるけれど、早起きをするようにもなります。頭しか使わない毎日と比べて、心身ともに動かすのは、爽快! の一言です。
また、コツは自分の体で覚えるしかない、というところもヨガに似ています。ヨガでは体の部分を意識して動かしますが、農作業も一緒。例えばクワで土を掘り起こすのも、体の重心を意識するとぐっと楽になります。知識ではなく、使える知恵を身につける。自転車に乗ることを覚えるように、体が覚えたものは、圧倒的にブレない感覚があるものです。
もちろん、実務的なメリットも色々ありますよ。
まずはもちろん食べておいしいこと。だいたいのものは取れたてはおいしいし、たまに苦くなったり硬くなったりもするけれど、それも多様性ってもんだなあ、と思えます。経済的な面では、ナス一袋の値段で苗を1・2本植えれば、夏中食べきれないほどナスがとれます。
自然に触れる楽しみ、育つ楽しみもあります。野菜は自然に育つけれど、雨が多すぎたり少なすぎたり虫がついたり、思い通りにならないことも多い。でも、それが自然というものですよね。スマホや車といった人工物にしか接することのない生活の中、畑が視野を広げてくれます。そしてだんだん野菜たちに、ペットのような愛着が湧いてくるはず。「おはよー。昨日は良く降ったね」とか、「カラカラでごめん、大丈夫?」とか。
最後に、食糧安全保障の面も大切です。いきなり固い話になりますがが、日本の自給率は37%(平成30年)。2050年には世界的な食糧危機が来るとも言われています。加えて、災害などで物流が滞ることがいつでも起こりうる時代。そんなとき、食料を一部なりとも自分でつくれるというのは、安心感につながるのではないでしょうか。電気の世界ではオフグリッドといって、電力会社の電気供給網に頼らず、自家発電で電気を自給するという考え方がありますね。同じように、食べ物の流通網から少しでも外れてみる。消費者側でなく、生産者側に立ってみる。それが、くらしを自分の手に取り戻すことになるのでは、と思うのです。「ゆる」いのに「自給」菜園と言ってみたのには、そんな思いもあります。
とはいえ、年間を通して野菜を買わないなんていうのは、相当ハイレベル。いきなり目指すものではありません。夏にミニトマトを買わずに済んだとか、買うと高いおしゃれな品種のジャガイモが育ったとか、ごく部分的でいいんです。あなたも、ゆるく、はじめてみませんか。
草ボーボー畑の私がアドバイスというのもおこがましいですが、気楽にはじめるコツをいくつか。
・自宅の庭や近くに畑が借りられればベスト。プランターの場合は可能な限り大きいものを(水不足になりやすいため)。
・夏は雑草も強力だけれど、野菜もよく育つので夏野菜から挑戦します。ゴールデンウイークに耕して、その翌週ころに苗を植えます。まずはそのまま食べられる果菜類(トマト、ピーマンなど)から。
・作業時間は、朝か夕方。週末だけでも何とかなります(たぶん)。
・週一回は朝涼しいうちに草刈りをする。週2・3回は、仕事の終わりにちょっと見に行って収穫する。夏野菜は大きくなるのが早く、一週間取りに行かないと巨大なキュウリやオクラに驚くことになります。
・もしコドモがいれば、ミニトマトなど畑でそのまま食べられるものを植えておくと、農作業しているあいだの間が持ちます。夕暮れ時にコドモと一緒に畑で過ごす時間もすてきですよ。
・ともあれ、最初の1・2年は自分がどのくらいできるか分からないもの。なんとなく付き合い方が分かるまで、気長に数年やってみてほしいです。
そして少しずつ実践していくと、見えてくることがあります。それは「スーパーで買える野菜はほぼ「男性不妊」の野菜である」とか「外国では禁止されている農薬が日本では使い放題」といった、農のダークサイド。そういった知識はネットにあふれていますが、聞きかじりの知識でしかありません。それに対する自分の立ち位置を、畑という経験に基づいて決められるのは、なんとも誇らしい。畑という実体験が、ぶれない自分の芯を作ってくれているようでもあります。
そんな「自分も育つ」ゆる自給菜園。ぜひお試しください!
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