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【世にも恐ろしい女子ヒエラルキー】まえがき 女は怖い生き物?《川代ノート》

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まえがき 女は怖い生き物? 

「女って、怖いよね」
そんなせりふをよくきく。
女は悪口を言う、嫉妬をする、仲間はずれを作って団結する、でも外面は八方美人……そんなイメージが強いのだろう。二〇一四年のドラマ「ファースト・クラス」も、女性誌編集部での女のバトルがドロドロで、沢尻エリカが職場いじめに合うというストーリーが話題になった。リアルさが面白くて好評だったようだが、世間が抱く「女って怖い」というイメージをさらに加速させる結果となった。
そもそも、人が「女って怖いなあ」と思ってしまう瞬間とは、どんな時なのだろうか。
よくあるのは、女のバトルである。「ファースト・クラス」でも話題になった「マウンティング」というやつだ。つまり、顔には出さないけど内心ではお互いをけん制し合いまくってる、女特有の卑怯な争いのこと。女同士が無意識に戦ってしまうのは、やはりどちらが女として上か下か、常に競争し合っているからだと思う。
女ならではのヒエラルキー。自分はどの地位にいるのか。自分はどの程度のランクの女なのか。
男ならば、仕事が主軸にあって、自分の社会的価値を判断する場合、仕事がうまくいっていながらかつ円満な家庭を築いているかどうかが、ある程度のものさしになることが多いようだ。まあ、もともと、オスという生き物は家族を守るために十分な食料を得てくることが大きな役割だし、メスを選ぶ場合もとりあえず気に入ったメスが落ちるまでガーッとおいかけまくる、みたいな感じだから、本能にかなっているのかもしれない。
でも、女はどうか。
男は単純でいいわねぇ、なんて言うとおり、女には結構、複雑に絡み合った判断基準が存在する。 そもそもメスは、より優秀なオスに選ばれ、より優秀な遺伝子を残してナンボ。だから女が他の女より少しでもいい男にモテたい、たくさんモテたい、と思ってしまうのは、当然と言えば当然だ。
男はしっかりと食料を持ってくる(=仕事)ことが出来るやつは優秀なオス、と明確にわかっているので、仕事に精を出せば自分が優秀な遺伝子だと証明できるけれど、女にとっては、そうではない。 優秀な遺伝子をもった男に選ばれ、優秀な遺伝子を残せる女こそが優秀であり、女社会において上なわけである。
だから昔は、ひたすら他の女を蹴落とし、 男に愛され、いい子供を育てることをただ努力すればよかった。 でも今は? 男も女も平等に社会に出る権利を与えられている今は、そうはいかない。 女は、女のなかで勝ち残りたい、という強い本能を持ったまま、社会という大波に一人でも生きてみろと放り出されたわけで、だからこそますます「なんかよくわかんないけど、とりあえず外見でも、モテる度でも、仕事でも、性格でも、どの分野でも他の女に勝ちたい」っていう複雑なヒエラルキーを構築してしまうことになったのだ。
ほとんどの女はいつも勝手に、無意識に、「この女より自分は上か下か」なんて気にしてしまう。まさに、承認欲求という末恐ろしい病に犯されている。
女の中には、いろんな要素が複雑に絡み合った確固たるヒエラルキーが存在する。さきほども言ったように、男社会にヒエラルキーが存在するならば、「仕事」という軸が間違いなく一番大きなものだろう(もちろん別のものに重きを置く人もいるだろうが、割合的には、仕事という軸を重視している人が一番多いはず)。「俺は仕事はできないけど、あいつよりも顔がいい」、エッヘン、と張り合う人はあんまりいない。「あいつ、顔はいいんだけど、いかんせん仕事は全然できないんだよなあ」なんて見下されることはあってもね。顔がよかろうが、仕事ができなければ「ダメなやつ」認定されてしまうことの方が多い。
けれど女の場合、いくつもの複雑なものさしがあり、簡単には判断できない。大きく分けると、①見た目、②キャリア、③プライベートの主に三つの大きな軸が、それぞれ絡み合ってヒエラルキーが出来ている。

①見た目
これは女性なら誰しもが実感していると思うけれど、かわいい女は優遇される。男以上に、女は見た目が重要である。少し前に「女性も見た目が9割」なんて本もずいぶん売れた。女は男を選ぶ時、見た目だけで判断するよりも、人柄、立場、時には経済面など総合的に判断することが多いけれど、男が女を選ぶ時にはまず見た目、っていう人がかなり多いと思う。
カテゴリー分けするならば、地位の高い順に⑴天然の美人、⑵努力とセンスで美人風な人、⑶普通の子、⑷全然イケてない子(女磨きにも興味がない子)、となる。 面倒なのは美人風と普通の間にいる、たまに「かわいい」とは言われるけどまだ普通で、どうにかして美人風になりたい女だ。
彼女たちは美人になれる可能性もあるけれど、下手すればブスに分類されてしまう可能性もあるので、とくに他の女より上か下か、気にしてしまうことが多い。美人風の子も普通の子も、虎視眈々と今より上のランクを狙っているのだ。 そういう負けず嫌いな女は、自分に害のない最下層の子にやたら優しくするところが、たちが悪い。ほとんどの女性は一度はそういう女に会ったことがあるだろう。学年を牛耳ってるリーダー的存在も、たいていかわいい女の子だったりする。女は自分より見た目がいい女と認めると、「従わなくちゃいけない」と思うものなのだ。それくらい見た目の力は大きい。

②キャリア
自分でもバリバリ稼げるようになった日本の女性たちは、キャリアにおいても他者と比較してしまう傾向にある。これは女だけではないけれど、年収、福利厚生、社会での知名度などなど、さまざまな観点から、自分はどの位置にいるのか測ってしまうのだ。
私が就活していた時は、それが顕著だった。私の通っていた早稲田大学はキャリアを重んじ、男と平等に働きたい女子が多かったので、ネームバリューのある大企業の総合職、つまり、より難関の就活戦線を突破した女子が称賛される対象であったが(女子なのにあの会社の総合職!? すごい! 優秀!)、女子大などでは商社や金融など年収の高い男性が多く働く会社の一般職、みんなにチヤホヤされる華のOL職が勝ち組とされる傾向にあるようだ。どのキャリアをよしとするかによって、その女子が何を一番大きな軸として考えているかがわかるのが面白い。ちなみに早稲田のキャリア女子は、短大とか女子大出身の大手一般職の専業主婦狙いの女子をしょっちゅう見下す。ぼろっくそに見下す。みっともないほどに、見下す。なんの罪もない彼女たちに、どんな恨みがあるというのかは知らないけれど、とにかく食ってかかる勢いで、見下し、貶すのだ。何を選んだってその人の勝手なのに、不思議なもんである。やたらめったら他人のキャリアを批判する女子は、もしかすると自分の将来に不安があって、それの裏返しで批判しているのかもしれない。あるいは、自分が結婚できるかどうか、自信が無いのかもね。

③プライベート
その人のライフスタイルが充実しているかどうか、人が見て羨むような生活をしているかどうか、その人の人格はどうか、人間性はどうか。これも重要な指針である。よくいる、Facebookにやたら楽しそうな写真や日記を投稿する「リア充アピール女子」もそうだ。そもそもFacebookは友達とつながる場所なので、ネガティブなものよりポジティブなものを投稿する方が普通なので一概には言えないけれど、なかには変な競争心がゆえに投稿する人もいる。友人がたくさんいるか、慕われているか、人がやらないような趣味を持っているか、ボランティアはやるか、料理とかの女子力はどうか…そのものさしは多岐に渡るが、とにかく「自分は他の女が羨むような生活を送っているだろうか?」と、社会のマジョリティから認められるようなプライベートを送るというのは、自分だけのアイデンティティを認めて欲しい女にとって、非常に重要なことなのだ。
誕生日パーティー開いてもらいました、料理つくりました、英会話セミナーに参加しました、旅行してきました、留学行きました…。本来は自分を高めるためであって、他人に自慢するためにしていることじゃないのに、あえてそれを人が尊敬しそうな書き方でアピールしてしまうのは、やっぱり他の女よりも上のランクでいたいっていう想いが根底にあるからなのだ。

見た目、キャリア、プライベート。
他にもたくさんあるし、カテゴリー分けすること自体ナンセンスかなとも思わないでもないが、いまのところ私が思う女子のヒエラルキーの三本軸は、このとおりだ。
しかしもちろんこの三つですべてが完結するわけではない。実は、総合してみて、女子がもっとも重要視しているのは「愛されるかどうか」なのだ。つまり上の三つの大きな軸以上に、ベースとして一番気にしてしまうのが「恋愛」というものさしなのである。
女はとにかく、愛されたくて仕方ない。 これが「メスの本能」の根本だ。上の三つだって、「愛されるための理由」にすぎない。
見た目がだめならいい会社に入って人間力を磨こうと頑張る。
収入はよくないけど女子力は私の方があると張り合うこともある。
見た目がかわいかったらモテるだろうと、おしゃれを研究する。
仕事が出来る優秀な女なら優秀な男につり合うだろう。優秀な男に出会える場所に行けるだろう。
料理にゴルフに英会話に。本も読んで映画もたくさん見て、教養もあるの。友達もたくさん。プライベートも充実してる。これだけ魅力の引き出しを持っている自分なら、愛してくれる人が見つかるだろう。
見た目ではたしかにあの女の方がちょこーっとかわいいかもしれないけど、私の方が何十倍も優秀だし、いい会社に就職できたわ。あんな男に媚びるしか脳がないバカな女になんか負けないんだから。
これだけ努力してる、人柄もいい自分なら、みんなが愛してくれるはず。
なのに。女磨きも、仕事も、趣味も、こんなにいろんなことを頑張っている自分より、なんでたいしてなにも努力してなさそうな、自分より格下のあんなボケーッとした女が、イケメンで経済力もある優しい彼氏に愛されてるわけ? 納得いかないんですけど!
とかね。
だから、ノロケ話をすると誰も質問とかして来なくてなんだか話しづらくなるのに、別れ話をすると「え、なんでなんで!?」「かわいそー」「つらかったね」と言いながらも、ズケズケとどこか嬉しそうに質問してくる、なんて女子会にありがちなことですよね。ウフ。
もちろんすべての女がそうだなんて言わない。そんなものに一切とらわれず、本当に自分が好きなもののために努力出来る純粋で素直な心優しい女の子もたくさんいる。
でもそんな風に達観出来るようになるまでは、生まれつきの心の綺麗さとかなりの修行が必要なのだ。基本的に女はゲスい生き物だ。誰でも心の奥に、メスの勝気な本能を抱えていることには違いない。
私が心配なのはね。このままもっと女性の社会進出が進んでヒエラルキーが明確になると、頑張りやな女たちはますます「もっといい女にならなきゃ」「もっと稼げるようにならなきゃ」と、肩に思いっきり力入れちゃうんじゃないかと思ってしまうからなのだ。
で、ますます男に元気がなくなり、晩婚化、未婚化が進み、ますます少子高齢化に拍車がかかる。
女たちに、これ以上頑張るなとは言わない。でも、男に媚びたくないとか気にせず、もっとメスの本能を受け入れて、女らしくかわいくなることに素直になっていいんじゃないかと、私は言いたい。 疲れるし、メスの本能があるのは嫌っちゃ嫌なんだけれど、そこから反抗しようとするよりも素直にメスであることを割り切った方が、すでに複雑で面倒なヒエラルキーがさらに複雑になるのを防げるんじゃないかと思う。原点回帰じゃないけれど。
「別に今は仕事が楽しくて恋愛してる暇なんかないしー、てかモテたくもないし。まあ寄ってくる男はいるけどね」って、ばればれの言い訳してないで、あんまり思い詰めすぎずに、やわらかく生きたっていいじゃないの、と。 そうすればもうちっと、結婚とかもナチュラルになるだろうに。
何より一番いいのは、女が優越感を食って生きようとしないことである。可愛い女の子が美貌を武器にして玉の輿に乗ろうが、仕事が好きな女性が出世を目指そうが、趣味を極めた主婦が料理教室を開こうが、誰が何をしたって自由なのだ。それを「玉の輿なんて意地汚い」とか「女のくせに出世なんて」とか「たいした能力もないくせに調子に乗ってる」とか批判するのは、本当は羨ましいからだ。本音を言えば、自分だって上のヒエラルキーにいきたいのに、その道を極めている人たちが羨ましくて仕方ない。自分が見下せないから、必死で批判して蹴落とそうとする。
ヒエラルキーなんか気にせず、自分を偽らず、自然体を解放できればいいのに。ありのままの自分を好きになれればいいのに。相当理性的にならなきゃいけないので本当に難しいけど、いつかそんな日がくればいいなぁと思う。そうすれば晩婚化も未婚化も少子高齢化も食い止められるかもしれない。「男子の女子化」「女子の男子化」の性別逆転現象もなくなるかもしれないね。
さて。
長いながーいまえがきをここまで読んでくださった方、どうもありがとうございます。
男性の中には、女子の実態に驚かれた方がいるかもしれません。
女性は「女子あるあるだわ」と思ったかもしれない。
でもなかにはこう思った方もいらっしゃるでしょう。
ならお前はどうなんだ、と。
エラそーに、上から目線で、まるで自分はそのヒエラルキーに入ってませんよとでも言いたいのか、と。
そうです。
その通りでございます。
お察しのとおり、私がこうしてこういった文章を書いているのも、いわゆる「賢い女アピール」に違いないのです。このヒエラルキーを冷静に観察できている自分は、女というバカな生き物とは違う高尚な人間なんですよということを、アピールして安心したいだけです。
他人事みたいに批判するやつほど、立派に女の競争のなかに入ってるんです。
上か下か、を本当に気にしない人は、ヒエラルキーの存在なんて目にも入らないんですから。このヒエラルキーが気になって仕方なくて、女子のヒエラルキーをテーマにした本まで一冊分も書いてしまっている私は、間違いなく誰よりも階級社会にとりつかれたプライドの高い負けず嫌いな女です。
冷静に分析しているように見せ、文章にし、本にする。
たとえば文章の一部を、SNSで披露する。
記事を見た人がいいね! をくれる。コメントをくれる。
その数を、まるで「自分自身の魅力の数」かと、厚かましく勘違いして。 別にいいね!の数が増えたからといって、私が成長できるわけでもないのに。

でも、そのループから抜けられない。
私を愛して。誰よりも愛して。

そんな「女」という呪いから、一生かかっても、抜け出せるか、どうか。

ほらね。

やっぱり女って、怖いでしょう?

そんな恐ろしい女の世界、もっと深く、のぞいてみませんか。
一度踏み込んだら、また戻って来れる保証は、どこにもないけれど。

▼世にも恐ろしい女子ヒエラルキー 目次

まえがき 女は怖い生き物?

第一章 見た目

・世の中には、どう頑張ってもたどり着けない「ほんものの美人」が存在する
・見た目ヒエラルキーにおける、「かわいい風」と「普通」エリアは、戦場である
・「普通の子」が一度チヤホヤされると、もう二度と「普通」エリアには戻れない《ワセジョの苦しみ①》
・コミュニティには、「チヤホヤされる」という役割の人が、どうしても必要なのだ《ワセジョの苦しみ②》
・男がよくきく「お前自分のことかわいいと思ってるだろ?」という質問に、正直に答えよう
・「おっぱいヒエラルキー」というのもまた、存在するのです

【コラム】一センチのほくろ①

第二章  キャリア

・「ステータス」派か「収入」派か「福利厚生」派か?
・「デキる女」ってなんでみんな前髪立ち上げてるの?《女子とプライド①》
・外国人と仲良くしたからって、自分が高尚になれるわけじゃない《女子とプライド②》
・留学に行ったら、自分を変えることはできるのか《女子とプライド③》
・立ち上げ前髪は嫌い《女子とプライド④》

【コラム】一センチのほくろ②

第三章  プライベート

・見た目も仕事も自信が無いと、「人格」で勝とうとしてしまうから、めんどくさい
・フェイスブックはれっきとした格闘技である
・大学生はなぜウユニ塩湖に行きたがるのか?《旅行者の悩み①》
・ウユニ塩湖に行ったからって、世界は何も変わらない《旅行者の悩み②》
・自分の一番得意なものさしで、人は人をはかるのだ

【コラム】一センチのほくろ③

第四章  やっぱり、恋愛

・複雑きわまりない、「経験」のヒエラルキー!
・失恋を経験すると、失恋してない人を見下したくなってくる
・セックス経験を男の前では少なく、女の前では多く言ってしまうのはなぜなのか?
・「少なくとも二十八には結婚してたいとするでしょ?」就活が終わった途端に人生を逆算で考え出す女たちのナゾ
・小悪魔になりたかったあの頃
・男が言う「ありのままでいいよ」を女が真に受けてはいけない理由

さいごに ただ、愛されたいだけなのに

 

つづき→【世にも恐ろしい女子ヒエラルキー①見た目編】世の中には、どう頑張ってもたどり着けない「ほんものの美人」が存在する《川代ノート》

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