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チーム天狼院

【天狼院書店暴露日記】カシオレを飲み終える前に


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田中望美(チーム天狼院)

先日のライティング・ゼミプチ飲み会の時のことだ。
私はその日、どうしてもどうしても天狼院書店のカシスオレンジが飲みたくて、少し奮発し、なけなしのお金で里山十帖のみかんジュースを使ったカシオレを飲んだ。天狼院ではひっそりと売られているという。

ずっと飲みたいと思ってはいたが、中々飲むタイミングがなかった。店主三浦やスタッフからは超絶美味しいと噂は聞いていたのだが、本当かどうかは飲んでみないと分からない。
やっと飲めることを、私は純粋に喜んでいた。

「夕暮れ色だね」
「ホントだ! 大人な感じで、ちょっと切ない夕暮れカシスオレンジだ!」

ライティング・ゼミのお客様がハイセンスなネームを付けてくださったカシオレを私は、一口ゴクリと飲んだ。
これまでいろんな居酒屋でカシオレを飲んできたが、こんな味のカシオレは予想だにできなかった。
ミカンとカシスが絶妙なバランスで絡まり合っている。そしてそのミカンのしつこくない濃厚さ。
こんなの何百杯もいけちゃうよ、と思った。美味しすぎて、私は、カシスオレンジを大事に大事に味わって飲んだ。

すると、そんな私を見てか、気がつけば、私も! 私も! と、スタッフ含めプチ飲み会に来ていた全員がカシスオレンジを注文し始めたのだ。
飲めば、皆口々に言う。
「えー!! ウマすぎる!!」
「すごい!!」

そして店主三浦が言う。
「これ、単価が高いから、儲からないんすよ、知られちゃ困る」

その言葉に皆が、わははと笑う。

「こんな風に皆が凄い言って伝播していく文章がかけたらいいのにな」
あるお客さんが、グラスに入ったカシスオレンジを見ながら口にした。

確かに。こんな風に質の良いコンテンツを書けるようになれば、自分の書いた文章でたくさんの人の心を動かし、感動を届けられるかもしれない。

プチ飲み会に参加している皆がウンウンと首を縦に振っていた。皆同じ気持ちだった。

そしてまたカシスオレンジを口に含む。

いや~!!! やっぱり何度飲んでも美味しい!! 体中に染み渡る!! 里山十帖のみかんジュースを使ったカシスオレンジ、凄い!!
飲み会の大半をこのカシオレの盛り上がりで使ってしまった私たちは、それはもう上機嫌。

ハイパーコンテンツとも言えるこのカシオレを見て、何だかとてつもなく記事を書きたくなった。無性に書きたくなった。
ハイパーコンテンツを書けるようになるには、やはり書き続けることしかないからだ。
この新鮮な気持ちを持ったまま私は文章を書く。

でも……まだまだこのカシスオレンジには叶いそうにない。
おそらくこのカシスオレンジほどの文章をかけるようになったのならば、私はプロのライターとしてもやっていけるだろうし、私が一つ記事を書けば、多くの人に知れ渡り、感謝されることだろう。

残り少なくなったカシスオレンジを見て、私はこいつがちょっと憎らしくなってしまった。

いいな、お前はこんなに絶賛されて。

最後の一口を一気に飲み干し、しばらく歓談したあと、一番最初にカシオレを飲み終えた私は、とても切ない気持ちになった。
周りの皆はまだカシオレのこの味を楽しんでいる。私はもう、ない。

そんな時、あるお客さまがこう言った。

「自分がやりたいと決めたことで生きていくようになってから、不安もあるし、リスクな道をとったと思われるし、確かにそう思うけれど、でも、今が一番生きてる感じがします。自分の価値がゼロからのスタートなんです」

私は、そのお客様のことを常々尊敬していた。とてつもなく魅力的だった。女性らしい清楚さを持つ外見ももちろん、学びに対する意欲と行動力が凄いのだ。そこには外見とは裏腹に熱い何かが見える。彼女が言うことはつまり、このカシオレが天狼院書店で発見され、広く世に認められるようになることと同じなのだ。里山十帖のみかんジュースは特別な製法で作られ、最初はこのみかんジュースのことを知る人はそう多くはなかったはずだ。けれど、妥協なく自信を持ってつくられた和歌山県産のみかんジュースはじわじわと知れ渡り、今や三ツ星の旅館にも使われるほど多くの人が味わう貴重なものとなった。そこまでになる道のりをたどる今が、一番生きている感じがするという彼女に私は胸を打たれてしまった。

皆が彼女を感心の眼差しで見ていると、フイに、

「え、でも、天狼院書店で働かれてるみなさんも自分がやりたいからやってるんじゃないですか?」

と言った。

私はハッとしていた。
そう言われればそうだ。たくさん働いて、踊って、書いて。超きついと思うことはあるけれど、現状、それでも私はここで働き、踊り、書き、自分のやりたい表現を磨き続けている。きついことのほうが多いけれど、夢中になって、今を没頭していて、なるほど確かに、生きているって実感している。他の人から見れば、私の一日一日なんて平凡で地味なものかもしれないけれど、それでも私自身が生きていると実感できる日々を過ごせているというのは、誇りを持ったっていいんじゃないかと思う。
少なくとも、どんなに素晴らしくとも、他の人に敷かれたレールを歩いていくのよりかは、こっちの道のほうが幸せだ。
天狼院書店で働いて、お客さんに喜んでもらったり、ダンスを観に来てくれた人が、かっこよかったよと言ってくれたり、自分の書いた文章を読んで心動いたっす! と言ってくれる夢を追う後輩がいたりしてくれたほうが、嬉しいし、私自身の次なる力にもなる。

私も天狼院書店のカシオレのような存在になれるよう、日々精進しよう。
その日、幸福に満ちた顔で帰っていくお客様を見て、そう思わずにはいられなかった。
もし今後、天狼院書店のカシオレを飲む機会があったなら、
カシオレを飲み終える前に、あなたがどんな気持ちになったか教えてくれると嬉しいです。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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