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【天狼院書店/東京エリアスタッフ大募集】若い人ばかりの天狼院書店で45歳のパート主婦の私が働いている理由《二次募集開始/正社員候補、契約社員、アルバイトスタッフ》


記事:中村美香(天狼院書店 東京エリア パートタイムスタッフ)

「美香さん、ありがとうございます!」
「かしこまりました! 後ほど、提出いたします!」
LINEのグループで、天狼院書店の社員から、私宛にメッセージが来る。
半年前には考えられなかった渦の中に、今、私はいる。
社員ではないけれど、かなり大事な仕事を任せてもらって、ドキドキしたりワクワクしたり、時に冷や汗を垂らしながら仕事をしている。
今、私が、するべきことは? 何ができる? そんな風に自問自答しながら池袋の街を歩き回って半日が終わる時もあれば、最近手に入れた、憧れのMacBook Airの前で、数字や文字を入力したり、計算したりしている日もある。

あれ? あなたって、天狼院書店のお客さんじゃなかったっけ?
もしも、半年くらい前に、天狼院書店のホームページの中のメディアグランプリを偶然のぞいて、私の記事を発見し、名前を覚えてくれている人がいたとしたら、感謝したい。
そう、私は、天狼院書店のライティングゼミと、ライティングゼミ・プロフェッショナルコースを受講していた天狼院書店の客だった。
それが、どうして、ここで、パートスタッフとして経理の仕事の手伝っているのかというと、そう、あれは、昨年の8月のことだった。

「中村さんって平日の昼間、何してるのー?」
自宅でゴロゴロしていたある夏の日の午後、メッセンジャーにメッセージが来た。
送り主は、天狼院書店の店主、三浦さんからだった。
当時、私にとってライティングの師匠だった三浦さんから、そんな風にメッセージが来るなんて初めてだったから驚いた。
「三浦さん、こんにちは! 今は、息子が夏休みなのですが、普段は、PTAのボランティアくらいで、特に何もやってません」
ドキドキしながらも、平静を装ってそう返信すると、すぐ
「なるほどー」
と、返信があった。
何だろう? 何でそんなこと聞くんだろう?
そう思いながら、もしかして? と、淡い期待もした。
それは、ライティングゼミ・プロフェッショナルコースの受講生として、何か、文章を書く仕事を紹介してくれるのかもしれないと思ったのだ。
だから、私はこう書いた。
「息子も大きくなってきたので、働きたい気持ちもあります。できたら、家で、文章を書く仕事ができたらいいなと思っています。まだ、具体的には、行動してないですが。いつも、ご指導ありがとうございます。アドバイス励みになります」
すると
「おお! そうなんですねー!」
というメッセージを送ってくれたきり、三浦さんからメッセージが来なくなった。
私は、少し、不安になった。
居てもたってもいられず、ゼミの中で、当時、挑戦していたフィクションについての思いなどを、つらつらと書いてみた。
それなのに、何も返信もない。
なんなんだ! 正直、焦らされた。
だから、思い切ってこう書いてみた。
「ところで、平日の昼間の仕事か、お手伝いのようなものがあるのでしょうか?」
すると、すぐに返事が来た。
「あります!!!!!! 詳しくは、明日か明後日! 木村さんとはもう話ししてあります!!!笑」
! の多さに驚いた。
何だろう?
念願のライティングの仕事だろうか? でも、なんか違う気がする。
木村さんとは、現在、天狼院書店で働いている社員。
彼女もゼミのお客さんの立場から、天狼院書店で働くようになった人だ。
だから、一緒に机を並べてゼミを受講した仲間でもある。
「わかりました! 詳しい話をドキドキしながら待ちます」
「お楽しみに!」
そして、翌日の土曜日、行こうかどうしようか迷っていた天狼院書店の編集会議に出たのだった。だって、日曜日のゼミの時間まで、待ちきれなかったから。

編集会議中は、会議の話が頭に入らないくらい、この後にされるであろう話の内容が気になって仕方なかった。

ようやくと言っては失礼だけれど、編集会議が終わって、
「あの、昨日のお話というのは何でしょうか?」
そう尋ねたら、
「あ、じゃあ、よかったらこちらに座って」
こたつのある席に呼ばれてドキドキした。
天狼院書店に客として通いだしてから随分経っていたけれど、こたつ席に座ったのは初めてだった。
「失礼します」
妙に緊張した。

「あの、うちの経理の仕事を手伝ってもらえない?」
「え? 経理ですか?」
正直、何だ、ライティングの仕事じゃないんだと、がっかりは、した。
だけど、経理の仕事にも興味があったので、気になったのも事実だ。
「えっと、経理って具体的にどんな仕事ですか?」
すると、今、いろんな事務的なものがバラバラになってしまっているから、それをちゃんと整理できる人を探していると打ち明けられた。
「あの、興味はあるのですが、あまり長い時間は働けないかもしれません」
「週3で、一日5時間から6時間くらいならどう? 曜日も都合がいい曜日で大丈夫。もしお子さんが熱出したら休んでもいいし」
え? そんなに条件いいの?
時間的にも、ちょうどいいし、仕事内容も、元銀行員の私としては、悪くない話。
時給も納得できる金額だったので、断る理由がなかった。
でも、自分自身の気持ちが舞い上がっているのもわかっていたので、とりあえず、うちに持ち帰って家族に相談するという形にその場はしておいた。
ただひとつ、気になることがあった。
「ところで、何で、私に声をかけてくれたのですか?」
すると、私が、細々と書いていたブログを読んでくれていたスタッフさんがいて、そこに書いてあった、元銀行員だとか、簿記や社労士、FPなどの資格を取ったけれど取りっぱなしで持ち腐れてるとか、息子の習い事が水曜日にあるとか、そういった情報を知っていてくれたのだった。
ああ、情報発信って、大事だな。
思い切って、ブログのプロフィールに何者か書いておいてよかったと思った。

その後、家族にも相談して、夏休み明けから、働くことになった。
初日は、社長の三浦さんと社員の木村さんから、ガイダンスを受けた。
今の天狼院書店に何が足りなくて、どんなことをやって欲しいか、具体的に聞いた。
そこでわかったことは、今、足りないものは、「大人の力」で、把握しきれていない事務の漏れをしっかり塞いでくれる人、バラバラになっているものをしっかり交通整理してくれる人が欲しいということだった。
会計事務所と契約しているので、そことの連絡係や、毎月計算が必要な数字を決められた日までに出すことが私の主な仕事と言われた。

思っていた経理の仕事と違って拍子抜けしたことを覚えている。
簿記などの記帳をするのかな? と思っていたから、何だ、それだけすればいいのかと思ったのだ。
しかし、その後、すぐに、それは、甘い考えだったと知るのだけれど……。

私が若い頃働いていた銀行には、マニュアルがあったけれど、ここには
なかったのだ。
ああ、そうか、これがあのガイダンスで言われたことだったのか!
「すでにあるのではなく、一緒に作っていって欲しいです!」
ああ、そうか、自分でどうにかしないといけないのか……。
正直言えば、辛かった。
年齢は重ねているけれど、社会人として働くには、ブランクがあって、私が会社で働いていた時期には、必ず上司がいて、その人の指示か、あるいは、マニュアルに沿って仕事をしていたから、今、自分が何をするべきかなんて頭で考えたことがあまりなかったことに気がついた。
現状の辛さと、自分がある程度、仕事ができると思い込んでいただけだったという事実を突きつけられて、逃げ出したくなった。

だけど、不思議な感覚もあった。
ある日、信頼できる友だちに、今、想像していたよりも、仕事が大変で辛いんだという話をした時だった。
「そんなに大変だったら、辞めるという選択肢もあるよ」
そう言われた途端、辞めたくないという感情が強く湧き上がった。
辞めるとしても、それは今ではない! このまま辞めたくない! どうにかこの辛さを乗り越えて、できれば、ある程度、ここに来た意味があるくらい、仕事の痕跡を残すまでは辞められないと思った。
がっかりされたくなかったのだ。
私の負けず嫌いの部分が出たのだと思う。

それに同じくらいの時期に、社長の三浦のある思いを聞いたのだ。
社長の「天狼院をクリエイターが安心して働けるよりどころにしたい」という言葉が私の心に刺さった。
社長が「天狼院をエージェントにしたい」と言っていることは知っていた。
しかし、それ以上のことをして、クリエイターを支えたいと思っていると初めて聞いて驚いたのだ。
クリエイターの多くは、例えば、税金の計算とか、そういった事務的な細かいことがあまり好きじゃなかったり、得意じゃなかったりするらしい。
それに、個人事業主だから、年金とかそういった将来のことが不安だったりするかもしれないけれど、それらをしっかりサポートしてあげられる場所になれたらいいなって思って……そのようなことを言っていたのだ。

それを聞いた時に、私にできることは、もしかしたら、そういうことなのかもしれない。クリエイターという立場に憧れていたけれど、もしかすると、得意な実務をするということで、支えていく側に回った方が、人の役に立つのかもしれないと思った。
なんだかワクワクした。

ここで、もうしばらく頑張ってみよう! そう思った時、少し視点が変わった。

店舗間の移動の多さも、運動不足の私にとっての「いい運動」と思えるようになったし、これはどうしたらいいのか? という問題に直面した時は、高度な「謎解き」をしているのだと思えるようになった。
社会保険でわからないことがあった時には、資格取得のために勉強したことの復習であり、実践だと思ったら、ありがたく感じた。
全てが学びだと思えるようになった時、職場の仲間から感謝されるようになった。

感謝の言葉は、素直に嬉しかった。
だけど、実は、よくわからなかった。
なぜ、普通のことをやっているのに、こんなに感謝されるんだろうって。

でも、そのことこそが、気づきだった。
私にとっての「普通」は、実は、年と共に、知らず知らずに積み重ねていたものから生まれた「何か」だったようなのだ。

「限られた時間の中で責任を持ってやってくれている」
「主婦の目線から気づくことをフィードバックしてくれている」
「いるだけで、若いスタッフが安心する」

改めて、そう言ってもらって、びっくりした。
けれど、とても嬉しかった。
価値を発見してもらった思いだった。

天狼院書店で働く人は、実際若い人が多い。
社員も20代か30代前半で、社長も40歳。学生のバイトもたくさんいる。
しかし、だからこそ、今、新たに必要なのは、「大人」なのだと思う。
実際、私がスタッフ募集の記事を見た時も、若い人を育てたいというメッセージが溢れている気がしたし、そういった思いももちろんあると思う。
けれど、だからこそ、それを支える大人の力が必要なのだ。
それに、年齢や性別を問わず、多くの人に有益だと思ってもらい、利用してもらいたいと思っている書店だから、作り出す側にいろいろな視点が必要でもある。大人の出番もきっと多い!

私自身、直接声をかけてもらっていなかったら、今、ここで働いていないと思う。
「働いてみたい」と思ったことはあったけれど、自分から、その扉をノックしてみる勇気はなかった。

だけど、今、家庭と両立できるか不安もあったけれど、子育てとPTAのボランティアもやりながら、経理の仕事をさせてもらっている。
時間や曜日は、社員と話し合い、配慮してもらえているので本当にありがたい。

仕事をしているうちにあることに、気がついた。
それは、昔からの「得意」に、主婦として、母として、悩んだり工夫して過ごしてきた時間がプラスされ、若い頃よりも、できるようになったことが増えたような気がすることだ。
そんな自分の新しい部分の発見も嬉しい。

私は、パートで働いたことが今までなかったので、あくまでもイメージだけど、パートの仕事は、「与えられたものをこなす」という印象があった。
しかし、ここでは求められているものは、パートとはいえ、大きい。だけど、その分、やりがいを感じる。

天狼院書店は、今、ものすごい勢いで変化し続けている。
私が入った時にはなかったマニュアルも、整いつつある。
今までの空気感を大切にしつつ、整えるべきものは整えていく。
一緒に、作っていく同世代の仲間が、もし、今後、増えてくれたら嬉しいなと思う。

 

***

■募集条件:
【アルバイト・スタッフ】
業務内容:店舗運営業務/イベント運営業務/編集補助など
応募資格:業務に支障がないレベルでパソコン・インターネットを扱える方/学生の方だけでなく、主婦の方も歓迎/土日に入れる方歓迎/書店未経験者歓迎
給与:当社規定による
出勤日数:週2日以上*時間固定シフト制(応相談)
勤務時間:9:30〜22:15の間の3時間以上*時間固定シフト制(応相談)
交通費:当社規定による
勤務地:天狼院書店全店舗(東京天狼院、天狼院書店「池袋駅前店」、天狼院書店「Esola池袋店」STYLE for Biz、福岡天狼院、京都天狼院)

【契約社員】
業務内容:店舗運営業務/イベント運営業務/スタッフ教育/編集補助など天狼院の全ての業務
応募資格:大卒以上*応相談/業務に支障がないレベルでパソコン・インターネットを扱える方
給与:月給制*当社規定による/インセンティブ給与有/社会保険等完備
出勤日数:週休2日制 勤務時間:9:30〜18:30(実働8時間)/13:15〜22:15(実働8時間)時間固定シフト制*変更になる場合有
交通費:当社規定による
勤務地:天狼院書店各店舗(東京天狼院、天狼院書店「池袋駅前店」、天狼院書店「Esola池袋店」STYLE for Biz、福岡天狼院、京都天狼院)
契約期間:6ヶ月(延長・社員登用の可能性有)

【正社員】
業務内容:店舗運営業務/イベント運営業務/スタッフ教育/編集補助など天狼院の全ての業務
応募資格:大卒以上*応相談/業務に支障がないレベルでパソコン・インターネットを扱える方
給与:月給制賞与有*当社規定による/インセンティブ給与有/社会保険等完備
出勤日数:週休2日制 勤務時間:9:30〜18:30(実働8時間)/13:15〜22:15(実働8時間)時間固定シフト制*変更になる場合有
交通費:当社規定による
勤務地:全国の天狼院書店(*転勤有)

*東京エリアの場合、1日の間に複数店舗を移動していただく場合もございます。

*社員中途採用に関しては、通常の給与体系ではなく、経験により応相談となります。正社員希望の場合、その旨を履歴書にご記入ください。

*現在子育て中のスタッフも活躍しております。責任持ってお仕事をされる方は大歓迎です。お子様の体調や学校の関係で突発的な事象が発生しそうな場合にはその旨を、履歴書にご記載ください。

 

■募集の流れ:
応募は、エントリー方式です。
1.お問い合せフォーム へアクセス。
2.以下の内容を、お送りください。
件名:天狼院スタッフへの応募
内容:お名前、お電話番号、メールアドレス、希望の勤務形態(アルバイト、契約社員、正社員)、勤務希望エリア(東京・福岡・京都)を記入
と記し、簡単な履歴を含めたメッセージを送付ください。
担当より、メールを送付いたします。

そのメールアドレスへの返信として、

・履歴書(*写真付き)のPDFファイル

を添付してください。

上記をもって「1次選考」とさせていただき、面接に進んだ方にのみ、担当者から連絡を差し上げます。
なお、募集は複数回開催させていただく予定ではございますが、募集人員に達した場合、予告なく募集を打ち切らせていただきますので、お早めのエントリーをお願いいたします。

 

■応募締め切り:2018年9月30日(日)23:59

■面接日:9月〜10月の火曜日、または水曜日(予定)
書類選考を通過された方から随時実施していきます。

 

皆様のご応募、お待ちしております。

 

 

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2018-09-20 | Posted in チーム天狼院, 募集, 記事

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