メディアグランプリ

1年後には芸人を目指しているのだろうか。

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:園部 彩里(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
だいたい土日は録画しているお笑い番組を片っ端から見ていく。
 
ただ、最近いつもと何かが違う。純粋な「おもしろい」の感情ではないのだ。
 
小学4年生ぐらいのときだろうか。
私は転勤族だった。ちょうど、小学4年生3学期のタイミングで転校したことがあった。
(この学校の学期の区切りは、4~8月:1学期、9~12月:2学期、1~3月:3学期だった)
 
人見知りをするタイプではなかったが、ほとんど出来上がったクラスの輪に入るのは簡単ではなかった。
この頃から、私は誰かの中心でありたかった。
憧れていたのは、テレビで面白い事を繰り出す勇者たち。
親に怒られるぐらい、くだらなくておもしろいテレビの虜になっていた。
 
転校先の学校でも人気者はすでにいた。
人気者は決まっておもしろい。それだけでなく、よく笑い、よく話す。
自らをさらけ出して中心になる。
皆はその子たちが「次はどんなおもしろい事を見せてくれるのだろう」と期待の目で見ていた。
その存在は私がテレビ越しに見る、あの勇者たちと重なった。
 
次第に友達も増え、あの勇者たちとよく遊ぶようになり、私もみんなの笑顔を生み出す側になっていった。
それが快感で、楽しかった。
誰かの前で自分をさらけ出すことは、苦ではなかった。
もっと知ってほしかったし、おもしろ認定されるのが何よりも嬉しかった。
学生時代はほとんど部活に明け暮れ、クラスではおもしろ担当として何不自由なく生きてきた。
 
とにかく人の笑顔が大好き。
人を笑かせること、私の発言でみんなが笑う、注目を浴びる事。
大きな声で笑うのも大好きだった。
 
社会人になった今。
4年が経とうとしているが、何かがずっと足りなかった。
むしろ忘れようとしていたのかもしれない。
 
録画したテレビの向こうで沢山の人(私もそのうちの一人)の笑いをかっさらっていくのが、心底羨ましい。
最近、「おもしろい」に、「羨ましい」の感情がちらつくのだ。
あの時の勇者になりたいと。
 
今の職場では、この欲望は満たされない。
しかし、現実問題、勇者になってお金を稼ぐという事は、お笑い芸人になるという事だ。
与えられたクラスの人気者になるような簡単な話ではない。
ルフィーが海賊王を目指すぐらい無謀な野望だ。
 
私が憧れているのは相当な苦労を重ね、何年も売れない時期を経験したブレイク芸人。
 
いろんな番組に出て注目を浴びていいなあとか、
そんな発想できていいなあとか、
時に思うが、こんな感情を抱くこと自体恐れ多い。
そんな立場ではない。
彼らはほんの一握りの逸材で、誰よりも努力に忠実に自分の実力を諦め続けなかった天才なのだ。
それぐらいリスペクトしている。
安定した会社でのうのうと生きている先輩・上司には全く抱かない感情だ。
悔しいことに私もその会社の一員だ。
 
昔から何不自由なく生きてきた私には、怖くて挑戦できない。
何かを捨てることが出来ないでいる。
おまけに今まで大きな挫折をした事もない。
 
動き出せない自分は、
逃げの理由をどんどん縦に並べていく。
 
女性やし、体張れへんしなあ。
ガツガツした尖った感情ないしなあ。
何年も売れない時期を経てまでやりたいことなんかなあ。
誰にも負けない強みもないし、特技もないしなあ。
 
立ち止まっている。
いや、マイナスな理由を並べることによって人間として衰退しているのかもしれない。
 
人生に刺激が欲しい。
自分から飛び込んで何かに没頭する人生を歩んでみてもいいかもしれない。
夢があって、その倍の挫折があって、その5倍の学びと成長があって。
 
挑戦した結果、芸人として失敗していたとしても、
過去を振り返った時、行動した自分を誇りに思っているだろう。
 
これは最近密かに自分の中に芽生えた感情なのだ。
臆病すぎる自分は誰かに背中を押して欲しいのだろう。
 
悩ませてほしい。
私が日頃読む自己啓発本たちは、
すぐやる。行動した奴が勝ち。
と、焦らしてくる。
 
この一年間、今の会社で働きながら芸人を目指すのか、違う会社でやりがいを見つけるのか、このまま働き続けるのかを考える1年にする。
この三択で答えを出そうと思う。
期限を決めるので待ってほしい。
 
これを読んでいるあなたも諦められない夢があるだろうか。
私のように、目指すのは怖くて踏み出せない事があるだろうか。
一緒にこの1年はじっくり考える1年にしてはどうだろう。
来年には答えを出して、その道に一生懸命になるのだ。
その頃には、他の2択に未練が残っていないように、考え尽くすのだ。
 
そして、新しい選択肢を見つけ同じように悩む1年にしていくのだ。
 
生きている限り悩みは尽きない。
出来ることは、1つずつ解消していくのみだ。
 
1年後には、何かしらの選択をしなければならない。
その為に、お金を貯めて目の前の仕事に打ち込み、自分と向き合い続ける。
 
私があの頃の勇者を目指すかどうかをジャッジする、大切な1年になりそうだ。
 
 
 
 
***
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2021-01-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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