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ママは病んでなんかいられない!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:荒井彩香(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
子供たちを寝かしつけて、やっと一息。
晩御飯の片づけに洗濯物、まだまだやり残した家事はたくさんある。もうこのまま寝てしまおうか……。寝かしつけをしながら考える。いやいや、そうはいかない。誘惑に負けるわけにはいかない。明日が大変になることは目に見えている。子供たちを起こさないように、今晩もベッドからわたしはひとりそっと抜け出す。
 
家事と育児に追われながら、毎日なんとか生きている。現在進行形だ。私は4歳の息子と11か月の娘のママである。そして、シングルマザーほやほやなのだ。
 
まさか自分が離婚するとは思わなかった。いきなり別れがきたものだから、未だに心の整理はついていない。癒えない傷を抱えながら、幼い子供の2人のママとして、毎日奮闘している。
完璧では決してないけれど、周りの人たちの協力を得ながら、何とかやってきた。
 
しかし、今年に入って、プツンと糸が切れてしまうことがあった。
お正月に親戚と賑やかに過ごしたことで、急に孤独感に苛まれたのか。新年で張り切りすぎたせいか、原因はいろいろあると思う。きっと疲れが少しずつ溜まって、爆発したのだろう。突然、気分の落ち込みが激しく、自分が壊れてしまうのではないかという感覚に陥った。将来が不安でたまらない。シングルマザーとしてやっていけるのか。壮大な恐怖心に襲われるという経験をしたのだ。
 
悲しくて悲しくて、どうしようもなかった。そんな日が数日続いた。
普段は晩御飯にお風呂、寝かしつけの時間までに、あれをしてこれをして……と休む間もなく動いている。だけど、その日はもうどうにでもなれ! っと思った。
晩御飯の後、何もする気が起きない。もう頑張らなくてもいい、頑張れない。今日は早く寝なくてもいい。明日は保育園もない。なんとかなる! そんな気持ちでビールを飲んだ。涙が止まらなくて、子供たちを横にワンワン泣いた。
 
子供たちは自由に遊んでいる。すると息子は泣いてる私に気づいて、一瞬止まった。なんで泣いてるのか、息子の頭には、一瞬はてなが浮かんだのだろう。しかし、はてなの表情はすぐ笑顔に変わった。ケラケラ笑い出したのだ。何がおもしろいのか。ママがワンワン泣いているというのに。
きっと心の中で「大丈夫?」と聞いてくれるのをわたしは期待していたのかもしれない。
 
「ママ泣いてておもしろい?」と聞くと、飛びっきりの笑顔で「おもしろい」と答える息子。そうか、おもしろいのか。いつも怒ってばっかりのわたしが、ワンワン泣いているのがおもしろいらしい。
 
こんなに悲しいのに。あなたたちの将来を思って、不安で不安で泣いているのに……。目の前でケラケラと笑っている。愛嬌たっぷりの笑顔でこちらを見ている。それがだんだんとおもしろくなってきて、わたしも笑ってしまった。もう泣いているのか、笑っているのか、自分でもわからない。ただの情緒不安定のママである。
 
「ママ悲しいねん」と言ってみる。一応、言ってみる。聞いてはいない。情緒不安定であることはこの子たちには関係がない。そんなことはどうでもいいと言わんばかりに「お腹が空いた」と言うのだ。スナックパンの袋を手渡す。すると息子に続いて、娘まで一緒に食べるのだ。さすが兄妹。一体、何本食べるのか。晩御飯はきちんと食べたというのに……。
 
まわりを見渡すと、娘がティッシュの箱からティッシュをすべて取り出していた。赤ちゃんがよくやるやつだ。部屋中おもちゃも散乱している。もう好き放題。元々、綺麗な部屋ではないけれど、ひどすぎる。やばい、このままわたしが何もしなければ、この家は大変なことになる。病んでも片づけるのは私だ。今までの努力が一瞬にして崩される。病んでる場合じゃない! 病んでなんかいられない! そう思った。この子たちは病む暇も与えてくれないのだ。
 
離婚して4か月が経とうとしている。ずっとこの子たちのために頑張らないとと思って生きてきた。わたしが頑張らないとこの子たちはダメになる。しっかりしないといけない、立派に育てないといけない、そう思ってきた。しかし、実際は反対なのかもしれない。この子たちのおかげでわたしは生かされている。この子たちがいないと、わたしが死んでいたかもしれない。この子たちのおかげで、わたしは生きる活力が得られている。この子たちはわたしの原動力だ。
 
落ち込んでも立ち止まることがあっても、またわたしを動かしてくれる。ママ、ママとひっきりなしに呼ぶ。お腹が空いた、遊んでほしい、そんな欲求がエネルギーとなって、わたしを動かしてくれる。決して立派なママではない。だけど、無条件にわたしを求めてくれる存在が2人もいる。どんな状況であろうとも、とびっきりの笑顔で待っている。
 
今日もこの子たちに生かされている。ママは病んでなんかいられない。病む時間なんて、子供たちは与えてくれないのだ。
 
 
 
 
***

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2021-02-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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