メディアグランプリ

勉強させたい子どもにこそ、リア充を!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
 
記事:内藤睦(ライティング・ゼミ書塾)
 
「時代は変わったな……」
本屋さんで、おもちゃ屋さんで、スマホの画面をのぞき込んでいて、実感する。
 
最近の早期教育はすごい。
小さい子どもを持つ身として、また、子どもを教える仕事をしていて、子ども達が学ぶための選択肢の多さには本当に驚く。
幼児教室やドリルはより取り見取りだし、知育のためのおもちゃも国産品から海外のものまで山のようにあり、しかもネットで注文すればすぐ手に入る。
知育絵本も過去から続くベストセラーや新しいものが続々出ている。スマホで「知育アプリ」や「知育動画」を検索すると、大量に結果表示される。
そして自分の経験や、幼児教育の専門家、塾などの教育系メディアが、ホームページやSNSやブログで山のように情報発信している。
「東大生の○%は公文とピアノを小さい頃にやっていた」といった記事を見たことがある人も多いだろう。
先輩ママ方の経験談も豊富なので、何をやるのがいいのかというオススメ情報はもちろん、「こうやれば子どもが伸びる!」といった方法論、「子どもが続けてくれない、親はどうやって支援したらいいのか」…といった悩みに対する回答もスムーズに手に入る。
 
じゃあそうやって情報とノウハウを得て、子どもが小さい頃から知育それらに小さい頃から触れていたら、子どもは賢くなるのだろうか?
「そうでもない」というのが、子どもに教える仕事をしている私の感覚だ。
 
幼児・小学校低学年向けの知育でよく問われるテーマはある程度決まっている。
数感覚、言語、図形、推理、記憶、論理、一般常識などと、手先の器用さやコミュニケーション力、頑張る力などだ。
これらの多くはペーパーテストで問われる。
たとえば「論理」であれば、
「いちごととうもろこしを天びんにのせたらとうもろこしの方が下がりました。とうもろこしとメロンを天びんにのせたらとうもろこしの方が上がりました。
3つの野菜の中で一番重いのはどれでしょう」といった問題を解くことになる。
 
この手の問題は、6歳くらいでは難しい場合もある。抽象的に考えるのが難しいのだろう。
しかし、小学校低学年の間にはだんだんわかってきて正解できるようになってくる。
 
しかし、以前私の受け持った小学校低学年の生徒さんの中に、その手の問題が全然分からない子がいた。
「ほら、天びんってシーソーと同じだよ。シーソーに、お父さんと乗ったら、お父さんの方がドスンと下がって自分の方が上がるでしょ。重い方が下がるんだよ」とヒントを出してみた。しかし、その子はほとんどシーソーに乗ったことがなかったらしく、ピンとこなかった。
 
また、数の感覚があまりない子もいた。「1000は100が10個集まってできるもの」ということがわからなかった。
「100円玉10個あれば、1000円札1枚と一緒でしょ」と言ってみたところ、お金で買い物した経験があまりないようで、ピンときていなかった。
「100が10集まれば1000になる」という10進法の大切な部分を、実感を持って理解するのが難しければ、大きな数の計算はやがて難しくなるだろう。
 
でも、その子達の学力に問題があるわけではない。実感を伴っていないことは、理解するのが難しいのだ。
 
この子達にとって大切なのは、解けるようになるまで問題を解くことではない。
実際に公園に行ってシーソーで遊ぶこと、お金を握りしめて買い物に行くか、お店屋さんごっこをすることだろう。
つまり、机上のドリルやペーパーテストを解くよりも、タブレットの解説を見るよりも、生の体験が必要なのだ。
 
別時期に中学受験のための指導をした女の子は、中学受験をすると決めた時点で小学校5年の後半だった。
中学受験する子の大半は、小学校4年生になる年の2月から塾に通うなどして受験のための勉強を始める。
その子は、受験勉強をする期間が1年半と短かったので苦労もあったが、アドバンテージもあった。
自然の中や親せきの畑で遊ぶ機会が多かったので、生物範囲については既に多くのことを覚えていたし、実感に基づいた理解ができた。
問題文ではなく本をたくさん読んでいたので、文章を読むのも得意だった。
そして、勉強することに疲れていなかった。
小さい頃から塾に行ってこってり勉強すると、テストの点数や模試の結果にさらされる。
点数で評価されたり、自分の順位を意識し続けたりすることで、気持ちがすり減ってしまう子ども達も多い。
 
指導した彼女は、アドバンテージを活かして、合格を勝ち取った。
 
もちろん、実際的な経験をたくさん持っているからと言って、ペーパーテストでいい成績が取れるわけではない。
テストで高得点を取るためには、やはりある程度高度に抽象的な思考ができることやテストで点を取るためのテクニックが必要である。
そのためには机上での勉強は当然必要である。
でも、小さい頃から「テストでいい成績が取れるようになるため」塾に行き、ペーパーテスト慣れすることが高い学力を持つことに繋がるかといえばそうでもない。
 
なぜ親は、子どもが小さい頃から知育をし、勉強させるのか。
おそらく、その方が「子どもが将来困らず、幸せで充実した生活が送れるから」と考えるからだろう。
しかし、本当に子どもに将来充実した生活を送らせたかったら。
机上の、紙やタブレットの上での経験をせっせと積ませるのはそこそこにして、実際の経験をしてみませんか?
リアルの経験を充実させるのです。
 
「子どもに勉強してほしいのに、なかなか勉強してくれない」とお悩みの保護者の方。
お子さんは机上の経験値を上げることに疲れているのかもしれません。
一緒に体を使って遊んだり、出かけたり、何かを作ったり。
お子さんと一緒にリア充しませんか?
 
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 


 
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2021-04-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事