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メディアグランプリ

『Yes』を積み重ねること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:葉田さつき(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「何ですか? それ?」
「どういう関係があるのですか?」
 
この前、ある団体のボランティアスタッフに応募したときの面談でも聞かれた。
 
「趣味は何ですか?」
「長く続いているものは何ですか?」
という質問に対して、私が「合気道」と「即興劇」と答えた後の続いての質問である。
 
正確にいうと、私の心の中の答えは
「『趣味として長くかかわっていて、かつ、面白さだけでなく、そのエッセンスというか精神を極めていきたいもの』が『合気道』と『即興劇』です」
である。共に約30年続いている。
 
「なんですか? それ?」には 二つの意味があると思う。私みたいな中年のおばさんが「合気道となんとか劇」って答えたことに対する「驚き」と「意外さ」とおばさんらしくないという「軽蔑感?」が入っていると思われる。
「現役です」と答えるとさらにその表情が増すことから、この「驚き」、「意外さ」、「軽蔑感?」はたぶんある程度入っていると確信している。
もう一つは、単純に「即興劇って何?」だろう。
 
即興劇にはいろいろな種類があるが、私がやっているのは「プレイバックシアター」と言うものだ。
 
観客の一人(語り部)の語ったストーリーをそのまま3人から5人の役者で即興で再現してみてもらう。話のエッセンスを強調することはあるが、あくまでも語り部のストーリーを再現するので、創造したり出来事を作ったりすることは行わない。
 
何が魅力的なのだろう? 私は役者としてその舞台に立つことが多い。
 
役者は語り部に質問することができないので、何が言いたいのか、何を劇で表してほしいのか、どういうシーンを見たいのか 一生懸命に語り部の話を聞き考える。
「一生懸命に話を聞き、考える」ことも好きだ。
 
語り部の話が終わった後に、役者どうしの相談もなくすぐに始まるので、演じ始めた他の役者に合わせていかないと舞台は進行しない。
 
「私は、このシーンからこういう動きで始めたかったのに、あなたは違うシーンから始めたのね」
と、喧嘩を売っている場合ではなく、もう舞台は始まっていて、観客も見ているので、それに合わせていかないといけない。しかも、語り部のストーリーのエッセンスに沿うように進めていかないといけない。
他の役者に、他の役者の演技に続けて、積み重ねるかたちで
「私はこういう役でこういうふうに演じるよ」
とはっきりわかるように できれば
「私のあと、次にこのようにつなげてね」
とわかるように、セリフと演技で舞台を作っていく。
 
私は、たぶん ではなく、絶対、
「即興劇の中でこれが一番好きなんだ」と思う。
 
相手のこと(演技)を肯定し、それに自分が目的(語り部のストーリのエッセンス)に合うもの(演技)を積み重ねてつなげて、また、それに目的(語り部のストーリのエッセンス)に合うもの(演技)をつながっていくこと。即興の演技がスパイラルのようにつながって、目的(語り部のストーリのエッセンス)に向かっていく。
 
これを
「『Yes』を積み重ねること」
という。
 
勝手に私が命名した言葉だが、とても的確にこの現象を言い当てていると思う。
私はこれが好きで、こういう風に考えていければと思っていた。
 
「『Yes』を積み重ねること」は別の趣味でも感じていた。
「合気道」である。合気道は、護身術に代表されるように試合を行わない武術である。
相手が攻撃してきた力を利用して、相手に崩れていただく。
相手が右手で打ってきたら、自分は、相手の右手の動きを止めないでそのエネルギーやベクトルをさらに加速するように導く動きをし、相手はバランスを崩して倒れていただく、という感じである。
 
相手に対し、相手の攻撃を「Yes」と受け入れて、それに対して、自分がどうできるかを考えて行う。全く即興劇と一緒だ。
 
私は、「『Yes』を積み重ねること」を座右の銘にしている。私の趣味で、長く続いているものはこの言葉が根底にあり、これを追及したいから私は、「合気道」と「即興劇」がすきなんだ、と思っている。
 
しかし、つい、仕事や家庭では、相手の言葉に乗って、言い返してしまう。言い訳を重ねて言ったり、後味が悪くなったりする。
まず、「Yes」と受け入れること と思っているができていない。私の中で、わかっているが、普段はできていないことの一つになっていた。
 
ふと気づいてことがあった。バスケットボールや野球の試合でも、選手たちはあるプレイの上にそのプレイを認めたうえで、次どうすれば勝てるだろうかと考えてプレイしているではないか?これは「『Yes』を積み重ねること」ではないだろうか?
 
私たちでも、会議の時や書類を作っているときは、今の状態を認めた上で、どうすればよくなるかを考えている。これも「『Yes』を積み重ねること」ではないだろうか?
 
どこが違うのだろう? 長い間考えていた。
試合やある仕事を仕上げようとしているときは「時間が限られていること」そして「目的がはっきりしていること」という結論に達した。
 
30分ぐらいの短時間だが、この時間はこういう目的で「『Yes』を積み重ねることをしよう」と思ってやると、とても楽しくいろいろできた。言い争いになりそうになる時は、「目的は何?」と自問したらばかばかしくなって、さっさとそこから抜け出すようになった、
 
「『Yes』を積み重ねること」は、普段の生活でも、少しは自覚してきた。でも、まだできていないと思う。でも、これからもずっとこの言葉とともに、私の一つ一つの出来事を積み重ねていこうと思っている。
 
 
 
 
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2019-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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