書くことは部活動に似ている
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:渡邉 碧(ライティング・ゼミ特講)
「自分で書いてみたら? ライターに戻してる時間もないし」
「え……、本当ですか」
やりたくないなあ、というのが本音だった。
いつの間にか、書くことが億劫になっている。
なんとなく自覚はあった。
文章を書き切る自信がなくなってしまったのだ。
中高生のころ、夢は音楽雑誌のライターになることだった。
アーティストに会って、曲の背景や作曲の意図なんかを聞きたかった。
それに書くことは好きで、題材さえ決まればぐんぐん筆が進んだ。
これを仕事にできればなんて楽しいのだろう、と思っていた。
それからインタビューを学べる大学へと進学し、いろんなことを学んだ。
出版業界が斜陽産業なら、同じようなことがWEB業界ならできるのでは? そう考え、ディレクターの道に進んだ。
ライティングは、ライターに依頼するようになった。
納品物を見る度に、やはりプロには敵わないと思い知らされる。
自分は文章の方向性を提示し、整え、仕上げる。
そういった編集的な仕事が主になった。
縦割りに担当業務が分散し、生産性とクオリティを求める中で、挑戦する気持ちも自信も萎んでいってしまった。
自分が書かなくたって、もっと上手く書いてくれる人がたくさんいる。
そうして、どんどん書くことから遠ざかっていった。
ところが、東京から鹿児島に移住して以来、全てを横断的に担当する仕事が増えた。
予算も人数も少ないからだ。
おまけに短納期の仕事が多く、その中でクオリティの高いものを届けなければならない。
体育会系のノリで、初めてのことでも「やれるでしょ」と任された。
「社長にプレゼンするんですか!?」
「コンペでどうやったら勝てるのか全く分かりませんが、とりあえず案考えます」
「カメラすらほぼ触ったことも無いのに、カメラマンに指示出しするんですか……」
今までは縦割りで担当外だったことまで、書いて話す必要があった。
これは、アウトプットの訓練が必要だと痛感する。
初めてだから、とか言っている場合ではない。
そんな時、たまたまFacebookで流れてきた「ライティング・ゼミ」の広告。
普段広告はあまり開かないのだが、なぜか気になり見てみると紹介文がかなり面白い。
そして鹿児島で出張講座をやってくれるらしい。
これは。
また書くことを楽しめるようになるかもしれない。
すぐに申し込みボタンを押した。
内容は全8講ある講座を2日間ですべてやってしまおう! というハードなもので、講座を受け終わった時には正直ほっとした。
久しぶりに脳みそから汗をかいた気分だった。
なんというか、ぶっ続けに部活の練習した後のような……。
体は疲れているけれど、頭はハイになっている。
学生に戻ったようだった。
学んだ後は、週1回の課題提出が4回。
これが、困った。
書きたいことなんて、そう無かったからだ。
自分の中から次々と書きたいことが浮かぶなんてことは、まあ無い。
1~2回ならまだしも、4回ともなると後半は書くことが無くなる。
初っ端からネタ切れだった。
思えば、音楽雑誌のライターの場合、内容はアーティストが喋るものだと思っていたし、仕事でもテーマに沿ってアイデアを出すことはあっても、自分で何かをテーマなしで書くことはあまり無かった。
もしかして、自分で書きたいことなんて最初から無かったんだな……と気づいて少し落ち込む。
しかも、サイトに掲載されている課題優秀者の文章がまた、とんでもなく面白い。
なぜみんな、こんな面白いネタを持ってるんだ? と不思議でならない。
あるアーティストが言っていた。
「街の中で気になるものがあると、自分の作品の世界に入ってしまう。だから車や自転車を運転するときは、本当に気をつけないと危ない」と。
ものを作る人は何気なく街を歩いているだけで、ネタを発見してしまうようだ。
その視点を、私もほしい。
私も書けるようになりたい。
そのためにライティング・ゼミに参加したのだ。
こんなに「書くこと」自体に対して真剣に考えたことはない。
ネタ切れになってからが本番だと教わった。書き続けることで、学んだことが身に付いていくと。
なんだか、本当に部活動みたいだ。
理論を学び、練習を重ねることで段々と上達していくような。
それならば、話が早い。すでに学生の時に経験済みである。
大体こういうものは、毎日毎日コツコツと練習している人が上手くなるのだ。
ネタが無い、忙しい、才能が無い、などできない理由は山ほど生まれる。それでも、続ける人が上達していった。
きっとライティングも、同じなんだろう。
そして時たま、ご褒美がある。
部活の試合に勝った時のように。自分の文章を読んだ人が、「面白かった!」と言ってくれたら。
絶対に忘れない人生の1ページになる。
まだまだライティング思考にはなれないけれど、今日も書くためパソコンに向かう。
どっかにネタ、転がってないかなーと思いながら。
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