もうすぐ「はやぶさ2」が帰ってくる!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:永井 廣子(ライティング・ゼミ平日コース)
「ねぇ、あの『はやぶさ2』のカプセルが12月に『リュウグウ』から帰ってくるんだって!!」「でも『はやぶさ2』本体は、また旅に出るんだって!」
そんなことを早口で立て続けに言われても、すぐには意味が分からなかった。
「はやぶさ2」という小惑星探査機が「リュウグウ」という星からサンプル(星のカケラ)を持ち帰ってくるのは知っていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、外に出て月や星を見る機会さえ減っていたので、宇宙に対する興味が薄れていたのかもしれない。
小惑星探査機「はやぶさ」初号機が遠く離れた小惑星「イトカワ」から帰ってきた、10年前のあの日を覚えているだろうか。
宇宙には興味がなかった人も、あのときめきと興奮は覚えているのではないだろうか。
日本の宇宙科学の技術はなんて素晴らしいのだろうと誇らしく思ったあの日を。
「はやぶさ」の世界初がたくさん詰まった、人類史上初の小惑星サンプルリターン(小惑星のカケラを地球に持ち帰ること)という使命には、予想を超える深刻な問題が次から次へと立ちはだかった。
2003年5月にロケットにより打ち上げられ、2005年11月に小惑星「イトカワ」への着陸とサンプル採取、その後、故障や燃料漏れ、行方不明になるなどの数々の困難を乗り越えて、2007年に地球に向けて動き出し、2010年6月にようやく地球への帰還を果たした。
帰還の時には、市内でのパブリックビューイングが行われ、テレビでも何度も放送されたので、相模原市民も大いに盛り上がった。
そして、JAXA/宇宙科学研究本部のホームページが毎分50,000アクセスという驚異的な数字をたたき出すほどに、世界中の注目を集めていた。
大気圏で美しく燃え尽きたはやぶさの光は、日本の宇宙科学にとっての希望の光に見えた。
オーストラリアのウーメラ管理区域の砂漠で回収されたカプセルが、JAXA相模原キャンパスに運ばれてきた時には、旅に出た子どもの帰りを出迎えるような気持ちの職員の皆さんや、帰還の噂を聞いて駆け付けた市民が、あたたかい拍手で迎え入れた。
その時の感動的な様子は市民にとっても誇らしかった。
「はやぶさ」によってJAXA相模原キャンパスへの愛着も増し、近所の子どもたちが「JAXAで働きたい。宇宙の仕事がしたい」と言うほど、その将来の希望や憧れにもなった。
詳細はYouTubeの動画や『はやぶさ/HAYABUSA』『はやぶさ 遥かなる帰還』『おかえり、はやぶさ』の3本の映画にわかりやすくまとまっているので、興味のある方はぜひ見てほしい。
私はその「はやぶさ」の故郷(ふるさと)と言われている相模原市に住んでいる。
『宇宙戦艦ヤマト』によって宇宙への興味に目覚め『銀河鉄道999』によって宇宙旅行への憧れをかき立てられた世代としては、身近に宇宙を感じられる街に住めるのは喜ばしい限りだ。
地域には宇宙好きが多く、地元意識の高まりとともに、JAXAと地域が一体となって、たくさんのイベントを開催したり、宇宙に関連した食べ物を開発したりして盛り上がっていた。
そして、もうすぐその「はやぶさ」の後継機と言われている「はやぶさ2」が帰ってくる!
「はやぶさ」が行方不明になった時に、JAXAのスタッフが「見つかりますように。無事に帰還しますように」と祈願した小さな神社が近くにある。本当に無事に見つかって宇宙から帰って来られたのだから、かなりの御利益にちがいない。
私も散歩の途中で立ち寄り、何度か無事を祈った。
「はやぶさ2」も無事に帰還するようにと、その神社で祈願祭が行われた。
今度はトラブルなく帰ってきてほしいと心から願っている。
2014年12月にロケットにより打ち上げられた「はやぶさ2」は、2019年の2月と7月には「リュウグウ」に着陸し、2019年11月には「リュウグウ」からの離脱を始め、地球に向かっていた。
今回も初めての挑戦が盛りだくさんで、もちろん簡単な作業など何一つない、困難な道のりを歩んできたことは間違いない。
10年前より詳しくネットで知ることができるその内容に、ワクワクしたり心配したりできることが嬉しい。
「はやぶさ2」が宇宙で黙々と仕事を進めるそのいじらしさに胸が熱くなる。
そして、技術者やスタッフの冷静な仕事ぶりの中に時折のぞく熱い情熱に心を打たれるのだ。
その人たちが、研究や実験で忙しい日々の合間を縫って、地域の子どもたちや保護者に宇宙の話をたくさん聞かせてくれたので、宇宙ファンも着々と増えている。
これからの「はやぶさ2」のスケジュールが気になるところだ。
12月5日の14時から15時頃には「はやぶさ2」が「リュウグウ」で採取した星のカケラを詰めたカプセルが、探査機本体から分離される。
なんと今回、探査機は地球に帰ってきて燃え尽きるのではなく、他の星に向かって旅立っていくのだ。15時から17時頃には地球圏を離脱するための軌道変更が行われる。そんなことができるなんて思ってもみなかった。
12月6日の2時から3時頃には、カプセルがオーストラリアのウーメラ管理区域に着地予定だ。
帰還を待ち焦がれている相模原市は、市立博物館や市民会館でのパブリックビューイングを予定している。10年前よりネット環境がはるかに進歩しているので、素晴らしい中継が見られるのだろうと期待が高まる。
それとは別に、12月6日未明に、寒空の下でもかまわずに屋外で開催されるパブリックビューイングは、地域の商店会と市民団体の共同開催で、近所で開催されるので、もちろん私も寒さ対策を万全にして見に行く気満々だ。
今度はどんなお土産がカプセルに詰まっているのだろう。
少し早い宇宙からのクリスマスプレゼントかもしれない。
その中身が明らかになる日が待ち遠しくて、今からワクワクしている。
そして、もう一度旅立って行く「はやぶさ2探査機本体」の、その後の活躍と無事を心から祈りたい。
***
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