留学という夢を叶えてくれた1冊
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記事:佐倉咲良(リーディング・ライティング講座)
「もう嫌だ、夢を叶えられない人間になるのは」
また私は夢を叶えられないの? これから失敗続きの人生になってしまうの? そんなの嫌だ。でもどんな問題集を使っても、点数は上がらない。一体、どうすればいいの?
中学生のころ、とある機会に恵まれてアメリカからのホームステイを受け入れたことがあった。その子は5日程度しか私の家にはいなかったのだけれど、それまで田舎暮らしで「みんな一緒」が正とされてきた私の「自分とは違うもの」への興味や好奇心を掻き立てるには十分な期間だった。母親が元々英会話講師だったのもあいまって、私は英語という教科も好きになり、「大学は絶対国際系の学部に行って、アメリカに留学するんだ!」と中学生ながらに意気込むようになった。義務教育で習うような日本の受験科目としての英語がどれだけ「英語が話せるようになる」に遠回りな教育をしているかを薄々感じながらも、目をつぶって机に向かって勉強した。すべては、大学でもっと実践的な英会話を習い、アメリカに留学に行くという目標のためだった。
はれて大学生になり、私が目指していた交換留学は定員が決まっていて、誰でも行ける留学でないことを知った。TOEFLという英語の試験の点数、授業の成績、留学の志望理由書(日・英両方)、教授からの推薦書、面接の総合結果で候補生が決まるとのことだった。
ご存じではない方にTOEFLについて詳しく説明すると、主にアメリカへ留学する際に英語力を証明するためのテストである。120点満点で、配点はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティング各30点。上記の4つの技能を全て試験会場のパソコン上で行う。「留学」が目的なので、ダムの建設方法や渡り鳥の生態、アメリカ建国の歴史など学術的な題材が広く扱われる。従って受験者は一般的な単語のみならず、「スペクトル」や「受粉」など、日常会話でいつ使うんだ? となるような学術的な単語を覚えなければならない。よくTOEICとの違いについて聞かれるが、TOEICは「請求書」「監査」などという単語に代表されるように、ビジネス英語を習得することを主としている。ざっくり言えば、TOEFLは留学を目的とした学術的な英語、TOEICはビジネス英語の習得を主としている。私の感覚では、TOEFLの難易度はTOEICと比べ物にならないほど難しい。
このTOEFLだが、どれだけ勉強しても点数が上がらなかった。留学に行くためには最低でも70点が必要だが、60点台が限界だ。このままでは夢だった留学に行けない。70点を大幅に上回らないと、候補生には選ばれない。私の通っていた大学には帰国子女が主に定員を占める付属校があり、その学校からエスカレーター式で入学してきた英語のできる子達が留学の候補生の枠をかっさらってしまう。基準点である70点を数点超えたような微妙な点数では、受からないのである。
ふと、ある体験がフラッシュバックした。大学受験の時だ。私には文字通り「死ぬ気」で、心療内科に通うまで追い詰められながら勉強した経験がある。人生で一番努力したのに、結局第一志望には受かることが出来ず、夢を叶えられなかった。苦い思い出だ。
大学受験に続き、今回もまた、私は夢を叶えられないのだろうか。第一志望の大学にも落ち、第二志望の大学で留学の候補生にも選ばれないのか。私はもう、夢を叶えられない人間なのだろうか。どれだけ努力しても、無駄なのだろうか。夢を叶えていく人を横目に、指をくわえているしかないのだろうか。
少しやる気をなくしていた私に、仲の良かった教授が私に向かってアドバイスをくれた。
「佐倉さん、どこかの英語塾が出しているテキストを使うより、公式のテキストを使ったほうがいいよ」
私ははっとした。公式のテキストは値段も張るので使っていなかったのである。そういえば大学受験のセンター試験も、どこかの予備校が出しているものより実際に出題された過去問の方がためになると先生も言っていた。根本的に過去問と予想問題集では、質が違うのである。
それからというもの、私はTOEFLの公式問題集を片っ端から解きまくった。解いて答え合わせして出てきた単語を覚えて精読してシャドーイングして……を繰り返した。すると、本当に点数が伸びたのだ。結果的に78点を取得することが出来、留学の候補生に選ばれた。中学生のころからの夢を、叶えることが出来た。
わたしにとってこのTOEFLの公式問題集は、単なる参考書ではない。中学生のころからの夢を叶えてくれた1冊なのだ。この本には感謝してもしきれない。今や留学は昔ほど珍しいものではなくなり、多くの学生が留学を志す時代になった。そのような留学を志す学生の皆さんに、ぜひ手に取って勉強してもらいたい本である。この本で勉強して、留学という夢を叶えられる人が1人でも増えることを願う。
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