BTSから学んだ、物事をフラットに捉えるコツ
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記事:池田 義国(ライティング・ライブ東京会場)
韓国の人気音楽グループ「BTS(防弾少年団)」が国連で行ったスピーチが、一週間前ぐらいにとても話題になってた。
なんで注目されたかと言うと、今の10代20代が
「コロナ・ロストジェネレーション」
と呼ばれていることについて、こう言ったからだ。
「彼らは『ロストジェネレーション』ではなく、『ウェルカムジェネレーション』という名前の方がふさわしい。変化におびえるのではなく、『ウェルカム』と言いながら前に進んでいく世代だ」
あるテレビのコメンテーターはこの言葉に対して
「コロナをネガティブに捉えるんじゃなくて、ポジティブに見ることが大事ですよね」
と言っていた。
「本当そう!」
と僕も思った。
20代のかなり若い人たちが、一見ネガティブな出来事をポジティブな物の見方に転換する。
そんな考え方ができることに、素直に尊敬の念を抱いた。
でもこの記事では、
「ネガティブな出来事をポジティブに見るようにしよう!」
と言いたいわけじゃない。
「物事をどう捉えるかを決めてるのは、結局その人自身なんだなぁ」
そんなことを思ったのだった。
そもそもコロナ・ロストジェネレーションとは、コロナ禍で若い世代がさまざまな経験をする機会を失った、ということから名付けられたらしい。
実は、若い世代がこう呼ばれているのを初めて知ったけど、ずいぶん一方的な大人の目線だなって感じた。
たぶん、学校に行けなくなったり、修学旅行とかいろんな行事がなくなっちゃったことを「機会を失った」と言ってるんだろう。
でも、今までだったらそこに費やされていた時間分、他のことに費やしてるんじゃないか?
例えば、ネットで様々な人と交流するようになったり、SNSで発信したり、自分で将来どうしていこうか考える時間ができたりと。
僕自信も、初対面の人とネットで交流することが増えて、そのおかげで海外にいる人とも簡単に話せるようになった。
だから、
「ずいぶん、一方向からしか物を見ないんだなぁ」
と感じた。
それで思い出したのが「ゆとり世代」だ。
何かミスしたり、やる気が感じられなかったりすると
「だからゆとりは」
と言う風潮がある。
「それと似てるな」
と思うのと同時に、人って一方向からしか物事を見ない人が多いんだなって感じた。
会社の上司にしても、部下が仕事でミスが重なると、「仕事ができない人」というレッテルを貼る人が多い気がする。
その部下の経験がまだ少ないとか、上司の伝え方がうまくないとか、会社の教育システムができてないという所には目を向けずに。
そして一回ある視点で見てしまうと、別の視点に切り替えることが非常に難しくなる。
もちろんその視点が正しいかもしれない。
けど、様々な場面で視点を変えることは大切なことだ。
例えば、あなたが商品開発の仕事をチームでやっているなら、他のメンバーにはいろんな考えの人がいることが想像できるだろう。
新しい商品を開発したい人がいたり、美味しいものを届けたい人がいたり、開発コストを気にする人がいたりと。
ゴールが一緒でもたどる道のりが違うのだ。
そのことを頭に入れておくだけで、もし相手が自分と違う意見でも、相手の言うことを理解しやすくなる。
相手の言うことが理解できれば、落としどころを見つけやすいので、グループをスムーズにまとめられる。
また、医者が手術をするときも、思い込みを減らして多くの可能性を考えることが、ヒューマンエラーを減らすために重要と言われている。
僕も経営者の方と話すことがあるが、
「ポジティブがいい、ネガティブが悪いってことじゃない」
「ポジティブにもネガティブにも捉えられることが大事」
ということをよく聞いていた。
だから、いろいろな視点で物事を見ることの大切さは知っているつもりだ。
そして、そんなことを考えたり思い出していたときにふと思ったのだ。
「物事に対して、ネガティブだったりポジティブだったり、そんなイメージを植え付けるのはその人自身なんだな」
「物事ってそもそもフラットなんだろうな」
僕もそうだけど、なんか嫌なことが起こったら、ついイラッとしたりソワソワしたりしてしまう。
でも、その出来事自体が、元からポジティブだったりネガティブだったり、そんな性質を持って生まれてくるものじゃない。
その出来事に意味を付け加えてるのは、自分自身の頭や心なんだなと。
「すべては捉え方次第」
っていう言葉をよく聞くけど、改めてその言葉が腑に落ちていく気がした。
その瞬間、今までネガティブに捉えて苦しさを感じていた出来事を、違う視点で見れるようになる。
どんな出来事も、自分で色をつけられるんだなと思ったら、何かフッと心が軽くなった。
***
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