メルカリで疲れが取れた話
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：bajio（ライティング・ゼミ２月コース）
４０歳。サラリーマン。
課長。
それが私の肩書きである。
課長と言うと聞こえはいいかもしれないが、そこはしがない中間管理職。
上司からは指示を受け、部下からは突き上げをくらう。
他の課とはつばぜり合い。どちらかが得をすると、どちらかは損をするからお互い大変だ
部下がお客さまからお叱りを受けると部下に代わって平身低頭、謝る。
口下手、コミュニケーション下手な性格も相まって、ゲームだったら常にハードモード。
そんな毎日。
いつも帰りはヘトヘト。
こんな日は、ちょっと一杯。愚痴を言い、酒を飲む。
でも今はコロナで自粛期間。
そもそも、そんな自分の思いの丈を言うほど、口がうまいわけではない。
そもそも、社交性が乏しい私が「ちょっと一杯」なんて軽く人を誘えるわけでもなかった。
とにかく思い通りにいかないことばかり。
これがしがないサラリーマンの性か。
そんな私だが、今はあるものと出会って、少し変わった。
何と出会ったって？
メルカリである。
そう、あの不用品を売ることができる、ネット上のフリーマーケットだ。
CMでやっていた、あの自分の家にあるものをじゃんじゃん売っているのが印象的で、気にはなっていた。
子供の使っていたおもちゃ、読まなくなった本、使わない電化製品
家に物が溢れ、捨てようにもお金がかかる。
「不用品がお金に変わるなんていいじゃん。小遣い稼ぎにもなるし。」
そんな軽い気持ちで初めてみた。
まずはスマートフォンにアプリをダウンロード
そして、アプリを開き、説明を見ながら操作。
・売りたいものを写真に撮る。
・商品の紹介文を書く。
・値段を決める。
これだけ。あっさりと出品できてしまった。
「なんだ、簡単じゃん」
出品してみるといつ売れるかが気になる。
そこからはスマートフォンを見ては、売れているかどうかをチェック。
１時間後、売れない
２時間後、売れない
３時間後、売れない
……
１日後、売れない
３日後、売れない
全然売れないじゃん
「CMだと飛ぶように売れているのに……」
何かがおかしい
他の人が出品している商品を見てみた。
良さそうな商品に見える。写真映りがいいぞ
説明文もわかりやすい。買った時期、商品の状態、特徴など買う人が気になるであろうところを押さえている。
そして値段。同じ商品に相場があり、相場からかけ離れている商品は半年経っても売れていないことがわかった。
そこから修正。
・写真を撮り直す
正面から、後ろから、角度を変えて複数枚。汚れ、スレ気になるところも写真に残す。商品を検討してくれたお客さまが見たいところを想像しながら。
・紹介文を書き直す
商品のおすすめポイント。その商品が欲しそうな人を頭に浮かべながらセールスをするイメージ。写真に撮った汚れ等の気になるポイントもコメント。
・値段も再設定
商品名を入れて検索。同じ商品の販売実績を見てみると、いくらで出品すると売れそうかが分かってくる。「このくらいでは売れたいなあ」相場より安めに、でも利益もちゃんと後悔しない程度には出る絶妙なラインの値段設定。
これでどうだ。
数分後、スマホに通知
「あなたの出品した商品が購入されました。」
売れた！
めっちゃ嬉しい。気持ちいい。
なんだか認められた気分。
そこから、一気にハマった。
何せ、家の中に不用品は溢れている。
出品し、時に購入希望者の質問に答え、値段交渉にも応じ、売れたあとは、梱包、発送、購入者への連絡、受け取り確認
なんだか仕事みたい
でも、いつもの会社での仕事とは違う
・上司の顔色を見なくてもいい
・部下の不平不満を聞かなくてもいい
全部自分で決めていい
こんな感覚、味わったことがない
なんて自由なんだ。
例えば、値段交渉。
「●●円に値下げできませんか？」
結構、思い切った値段引き下げの相談を受けることも。「言うのはただというやつか……」
これが会社の仕事なら、「社に持ち帰って検討します。」と受けて、上司に相談しないといけない。でもメルカリなら、自分だけで決められる。
「▲▲円ならお値下げしますよ」と相談に乗ってもいいし、
「そこまでのお値下げは考えておりません」と断わってもいいのだ。
そう思うと、自分で全てを決めて販売したことって、社会人になって初めてかも
なんか社長にでもなった気分だ
メルカリに出会い、自己肯定感が上がった気がする。
仕事の疲れをメルカリで癒す。
こんな気持ちがいいのなら、会社でも社長を目指してもようかしら。
なんて妄想しながら、いつもの会社でいつもの中間管理職の仕事をしている。
＊＊＊
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