メディアグランプリ

伝統文化のすごさを思い知った、私! 

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:垂水明美(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
子供のころから、ずっと、西洋文明に憧れていました。
西洋文化、西洋美術、ルネッサンス絵画、ギリシャ・ローマの彫刻、~ 洋食、洋式のマナー、なんて素敵で洗練されているのだろうと思っていました。
私の注目は、ずっと、ずっと、欧州でした。仏蘭西フランス、伊太利イタリーには、
特に憧れていました。そして、最初に選んだ職業は、飛行機乗り!
その頃は、今と違ってスチュワーデスと呼ばれていました。これも男女雇用機会均等法? によって、CAと呼ばれるようになり、なんだか、少し寂しい感じがするのは、私だけでしょうか? 女性はスチュワーデス、男性はスチュワードと呼ばれていたのをご存知の方もおいでかと思います。
 
さて、そんな時代ですから、機内では、KIMONOサービスが行われていました。そう、着物でサービスをするのです。だからでしょうか、西洋の方、特に欧州からのお客様から、たくさんの質問をいただきました。
「着物のファスナーは、どこにあるの?」
(着物には、ファスナーが付いていて、そこから着脱すると思っていたようです)
「帯の中には何が入ってるの?」
(帯の後ろの部分、お太鼓は、デイパックだと思われていたようです! )
「WABI、SABIって、どういうこと?」(そんなん、わたしも聞きたいくらい! )
「歌舞伎は何であんな化粧をするの?」(え~、なんででしょう?)などなど
そして、「漢字は、いくつあるの?」そして、「それ、全部覚えているの?」
これらについては、『いくつあるか、わからない~』し、『全部覚えていない……』という私の答えに、質問した人が、驚いたのです。
 
『そうか、彼らは26文字のアルファベットですべての言葉を表し、ほとんどの単語を覚えているのだ~』
でもね、日本語には、まだ他に、ひらがなや、カタカナもあるんだよ~
 
始めて自国の文化を意識した瞬間でした。自国の文化が誇らしくでも、全く知らない自分に愕然としました。何も答えられない自分が、恥ずかしかったのです。
それから猛ダッシュで、日本文化を学び始めます。
まず初めにお稽古したのは、着付けでした。KIMONOは、機内でも着用していたのですが……。すると色や柄、季節感をどのように取り入れるのか?
をとおして、洋服とは全く違った感覚、柄に柄を合わせる~という、すごい取り合わせ! に驚きます。洋服では考えられないのですが、KIMONOでは、自然で、マッチしているのです。それは、なぜなのでしょうか?
一つは、KIMONOは1枚の絵画だから、風景のように柄とガラがマッチするのを楽しむ、というのです。なるほど、細かい柄は遠くから見ると、無地のようにも見えますし、自然や、風景は、様々な色や柄で満ちています!
また、着物と帯の割合は、半々ではないので、柄と柄をあわせてもうるさくならない。という解説もありました。なるほどと納得しながら、そんなこんなで、着物の魅力にすっかりはまった私は、猛げいこ? の結果、何とか着れるようになります。すると今度は、着物を着たい~そして、どこかへ行きたぁい~それには、……
「そうだ、お茶を習おう!」なんともはや、動機は不純なのですが、ついにお茶をお稽古し始めます。若いころは、「お茶は、足がしびれるし、窮屈そう、お作法やお稽古大変そう」と敬遠していたのですが、始めてみると、お茶は、なかなか楽しいのです。
そうそう、着物を着た時にも、お茶の時と同じような感覚を味わっていました。
それは、いつもの自分と違うということです。
着物の私は、背筋を伸ばして、(帯を締めているので、当然、背筋は伸びます)
姿勢正しく、いつものように、どんどん歩けないし、少しすましています。手を伸ばすときは、袖をおさえにゃならんし、裾が乱れぬよう、足元の裾も少しつまんで、小股で歩きます。なんだかいつものせかせかした自分とは違うのです。
すまし顔で、ちょいと余裕があるのでしょうか? そうすると、なぜか、周りの方々も、道を譲ってくださったり、挨拶してくださったり! 丁寧に扱ってもらっている感じです。
 
そして、お茶の時の私……。なぜずっとお稽古を続けてるんだろう? と考えてみると、お茶にかかわっている自分が好きなんだろうな、と思うのです。
お茶にかかわっている自分自身も、いつもと少し違うと感じます。
 
いつもの私は、日々の生活にまぎれて、ああでないこうでもないと、悩みや迷いがいっぱい。でも、そんな自分自身を一旦おいて、静かで、何も無駄なものがない茶室に入ると、そこには、何も考えず、ただそこにいて、作法通り、決められた通りに、運ばれてゆく物事を見守っている私がいます。それは、まっさらな何にもとらわれない素の自分を選択し、その自分でいることが心地いいということなのかもしれません。
茶室では、すべてのことが決まっています。作法通りの所作、動作。季節によって合わせる道具や、着るもの、飾るもの。お菓子や、お茶の入れ方、いただき方。
すべてが決まっているということは、実はとても自由なことなのではないかとも思うのです。
たとえば後片付け。日常の雑務に追われると、とたんに面倒になりますが、茶会の後の片付けは、お仕舞いといわれるように美しいものです。
道具はすべてに箱に入れきちんとしまわれます。どこに何が入っているか決められているので迷うことはありません。考えなくても動作が進みますから、悩みや問題にとらわれている時ほど、それらのことにとらわれず動作を進めることが心地よいのです。
気がつくと、すっきりと片付いた室内は、心身をリフレッシュしてくれます。
そんな環境で静かに自分と向き合う時間は、かけがえのないひと時となります。それは、とても自由な時空、時間と場所ではないかなと思うのです。
祖先が大切に紡いできた伝統文化は、私たちに今も、様々な気づきや学び、癒しをもたらしてくれています。
 
 
 
 
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2022-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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