イベント参加者、2/15名の嬉しさ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:村人F(ライティング・ゼミNEO)
「参加者、2/15名」
イベント募集サイトでこの数字を見たとき、あなたはどう思うだろうか?
以前の私なら少ないと思っていた。
こんな人数でやらなくてもいいのに。
そう考えたかもしれない。
しかし、自分でイベントを企画し集客した今は違う。
嬉しい。
2名も来てくださり、本当に嬉しい。
この事実に気づけたことが最大の収穫だった。
これは、過程を見れば理解いただけることだと思う。
開催したのは『お酒と共に、ソースコード読書会』というイベントだった。
プログラミングで書く文章ソースコードを、参加者それぞれで持ち寄り語りながらお酒を飲む。
そういう飲み会だ。
かなりニッチな企画だが、面白くなりそうな予感があった。
よくわからない専門用語と笑いが飛び交う光景が頭の中にハッキリと浮かんでいた。
だから、イベントを客自身で企画・集客・運営する天狼院書店の新サービス『解放区』の一発目として、華々しいデビューを飾れると正直思っていた。
実際、募集を始めたときは順調だった。
告知サイトも公開直後から結構なアクセス数を稼いでいたし、開催2週間前にもかかわらず2名も申し込みいただいた。
このペースなら満員も夢ではない。
そんな期待まで抱いていた。
しかし、そこまでだった。
これ以上、参加者が増えることはなかった。
宣伝はしている。
Facebookの色々なプログラミング系グループに登録し、読書会の宣伝を行った。
Twitterにもハッシュタグマシマシで投稿した。
それなのに、当日になっても2週間前と変わらず2名のままだった。
中止にしようか。
一瞬、そう思った。
しかし第1回目である。
しかも2週間前から予約してくださったお客様がいるのだ。
それなのにやらないなんて申し訳ない。
だから開催する覚悟を決めた。
そしてイベント開始5分前、予約された参加者が全て会場入りしたとき。
芽生えた感情は、ここ数年味わったことのない安堵感と嬉しさだった。
ドタキャンという恐怖と戦っていたからかもしれない。
しかしそれ以上に私の読書会に対して、1000円もお金を支払ってくださった事実が嬉しかった。
これは予想できなかった感情だった。
以前は大幅な定員割れを見るたび「人気がないな」、「中止すればよいのに」などと無責任にほざいていたのに。
ここまで集客が難しいとは。
「やってみなければわからない」とは、よく言ったものだ。
経験することで、ようやく大変さを実感できた。
もはや全員来てくださっただけで感謝の気持ちでいっぱいになったが、さらなる幸運はとても素敵な参加者に恵まれたことである。
最初に紹介されたソースコードは、プログラミング言語「Haskell(ハスケル)」で記載したクイックソートだ。
これを「Ubuntu(ウブントゥ)」OS上に構築したテキストエディタ「Spacemacs(スペースマックス)」環境で披露してくれたのである。
字面からわかる通り、強者の構成である。
これだ。
この初心者どころか私も置いてけぼりになる高度な内容が見たくて開催したのだ。
ここまで趣旨に則った素敵なプログラムを披露していただけるとは。
主催者冥利に尽きる。
もう1名の大学生が紹介してくれた「エイトケンのデルタ2乗加速法」も素晴らしかった。
名前が既に凶悪なのに、内容も「酒を飲んだ状態でわかるか!」と叫びたくなる複雑さなのだからもうたまらない。
あまりの楽しさに終了時間が過ぎたことに誰も気づかないほどだった。
終了後もお客様から「とてもよかった」と感想をいただくことができた。
このように私にとって初めての解放区イベント『お酒と共に、ソースコード読書会』は、2名の参加者のお陰で大成功に終わった。
だからこそ感じた。
リベンジしなければならない。
この読書会はもっと凄まじいパワーを持っている。
終わった後の興奮感がそれを証明している。
きっと人数が増えればさらなる満足度を得られることだろう。
そして私は、そのためにより集客しなければいけない。
2名のお陰で最高の時間を過ごせたのだ。
ならば、この感動をより多くの方々と共有することが私の使命だろう。
幸いだったのは参加者にイベント主催経験があったことである。
彼から集客について多くのアドバイスをいただいた。
だから次回の『ソースコード読書会』はより面白くなる。
それをたくさんの人々と分かち合えるよう、精進していきたい。
初めて企画したイベントの「2/15人」は、多くのことを教えてくれた。
集客の難しさ。
祈るように毎日メールボックスを開くが、参加者増加の連絡が来ない絶望を何度も味わうこと。
ドタキャンの恐怖が想像を絶するほど心を蝕むこと。
そして来てくれる方がいることが、ものすごく嬉しいということ。
これからもこの初心を忘れず、様々なイベントを『解放区』で開催していきたい。
そして定員が満席になり、多くの笑顔が生まれる。
この光景のためにより一層、頑張っていきたい。
***
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