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自分を大切にすることから始める、他人との境界線


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記事:Dr Blue(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「(真夜中)今から電話していい?」
「ごめん。電話したら寝られなくなるから、今からは無理」
 
いつもだったら、自分の事なんて考えもしないで「いいよ」って直ぐに答えていた。
私は、これまでの人生の殆どを、他人との境界線をどうやって引いたらいいのか分からず、ただただ「いい人」になる事で、問題を起こさない様に生きてきた。
 
今思えば、それは
「他人に認めて貰いたい、必要とされたい、拒否されたくない」
って、思いからそんな返答をしていたのだと思う。
 
他人に認められる。必要とさせる事で、自分の存在意義や自己肯定感をなんとか保っていた。そして時には、自分の体調や思いを無視して、相手に合わせる。
私は、俗に言う「八方美人」に陥っていたのだと思う。
 
これは、自分と他人との境界線を学んだり、持ったりする機会が成長過程で失われてしまった人によく起こりえる、子供時代のトラウマサバイバーあるあるである。
 
完璧であったら、認められる。
勉強したら、ご飯を食べさせて貰える。
親の言う事を口答えせずに、何でも聞くいい子でいたら、褒めてもらえる。
 
条件付きの愛の元、はぐくまれた生き方がいつの間にか、世の中に溢れる理不尽な条件全てに応えようと過剰適応する。そしていつの間にか、生き延びる為、そういった条件を確実に守る為に内側から出てくる、自分を批判する声。そしてその声が成長して、幅を効かせて、大人の自分を苦しめる。
 
一般的に、人は1日4−6万回セルフトーク(心の中の独り言)をしていると言われる。
そして、もしそのセルフトークが自分に対する暴言、暴力に溢れていたとしたらどうだろう。きっと、それは逃げる事が出来ない拷問に近いのではないだろうか。
 
これまで決して満たされる事がなかった、安心感や、愛を求めて、自分に鞭を打ちながら「いい人」で居続けようとする。そして、残念な事に、世の中にはそういう人を上手に嗅ぎ分けて、弱みにつけ込もうとする人さえ存在する。
 
子供時代に傷つけられて、穴がボコボコに空いたバケツに、必死に愛という水を満たそうと頑張っているけど、報われない。そんな経験を、これまでずっと私はしてきた様に思う。
 
そんな中、先週前々から興味があり参加したNVC(Nonviolent Communication:非暴力コミュニケーション)講座で大きな気づきがあった。因みに、NVCとはアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセス。
 
それは、
「自分が、自分に対しての言葉、行動、扱いを非暴力にしていくと、
他人からの暴力にも気づける様になる。
そして、他人からの暴力に気付けるようになると、
他人からの暴力をそのまま受け入れる様な事もしなくなる」
という事だ。
 
つまりは、自分自身が自分をどう扱うべきであるかという事を学ぶ事で、これまで侵害され続けた他人との境界線がはっきりしてくるという事だ。
 
これまで私は、他人軸で自分をどう扱うべきかを判断していた。
だけど、今回は、セルフケアだけではなく、自分自身が自分に投げかけている言葉の質や態度を非暴力な物に変えていく事で、自分自身との関係性を見直すという事をしてみた。そして、自分自身との関係性を見直した過程で、本来の自分自身の感覚を受け入れるという事が出来るようになったというわけだ。
 
自分という輪郭が存在しないから、他人との対比で自分の存在を感じようとしていた自分から。自分を大切にするという事で、自分の輪郭/境界線が自然と出来上がってきて、自分と他人を区別できる様になる。
 
きっと、自分と他人の境界線がもう既にしっかりと引けている人にしたら、何故そんな事をと思われるかもしれない。だけど、トラウマサバイバーの多くは、そういった子供時代に学べる筈の境界線があることも知らずに、育ってきた人も多いのではないだろうか。
 
でも、ここでいう自分を大切にするという事は、決してトラウマサバイバーに限った事ではない。自分で自分を満たせないから、物質的に満たそうとする。SNSで他人からのライクを渇望する。本来は、自分自身に向き合い、自分自身を大切にする事で満たせる欲求や渇望を現代の人は、外に求め過ぎているのではないだろうか?
 
そして、私達は、そんなギスギスした世界を次世代に残すべきなのだろうか?
 
本当の意味で自分を大切にする事は、自分にも、そして他人にも優しくなるという事だと思う。そして、自分が満たされた時、人は、その幸せのお裾分けをしたくなるのではないだろうか?
 
 
 
 
***
 
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