感覚の世界へ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：haruki (ライティング・ゼミ2月コース)
意識が遠のいていく だんだんと現実がわからなくなる 全身の力が抜けていく
これが、ととのった！ との世界だろうか？
今流行りのととのうために、サウナに行ってみることにした。
やるからには、しっかり事前に勉強！ まずいつもの温泉と同じで体を洗う。体をタオルで拭いて水分をしっかりとってサウナ室に入る。12分間暑さに耐えて、汗をシャワーで流し 2分間水風呂に入る。その後、外気を浴びに外の椅子に座って、足元が少し冷えてくるまでゆっくりする。またサウナに入る。このセットを3回繰り返すと、ととのうらしい。
さっそくやってみた。サウナ室の中は暑い。だんだんと汗が出てくる。12分間はしっかり入っておこう！ と強く思い気分が少し悪くなりながらも12分間耐えた。
シャワーで汗を流し水風呂へ入ってみた。ものすごく冷たい。一気に体が冷え込む。心臓の鼓動がドクドクと聞こえてくるようだった。ここでも2分間耐えよう！
そして、水風呂修行も終わり外気を浴びに、屋外の椅子に座ってゆっくり。すでに体は、ぐったりだった。これではあと2セットも耐えられない。まったくととのうこともなく、初めてのサウナはあっさりと終わりを迎えた。
それから、サウナのことはすっかり興味がなくなり忘れてしまった。
最近、ベテランサウナーである友達がテントサウナを購入した。ちょうどキャンプを始めたこともあって、一緒にキャンプをすることになった。いつも通りに普通のテントを設営。そして、ロシア製であるテントサウナの設営を手伝った。気密性の高いテントの中央には、薪ストーブ、その上の鉄板にサウナ用の石が積み上げられていた。薪ストーブに火を着けて、鉄板から石へ熱が伝わりテントの中が一気に暑くなる。30分ぐらい時間をおいて、十分な暑さとなったところで、テントサウナの開始となった。
テントの中に入って、椅子に座り、熱された石の上にアロマを少し含んだ水をかける。
ジューとした音とともにいい香りと熱気がテントの中に広がる。リラックス効果間満載だ。
「時々アロマ水をかけて蒸気をだします。いい香りでしょ。これがフィンランド式サウナです」
ベテランサウナーが説明してくれた。
だんだんといい香りと共にテントの中が、かなり暑くなってきた。
暑い！ まだ5分しか経っていない。せっかくだからか12分間は、がんばらないと！ と以前に得た知識を思い出しながら耐えていた。
すると、ベテランサウナーは、さっさと外に出て行ってしまった。
12分経っていないよー。と思いながらその後ろ姿を見ていた。
12分間経ってやっと外に出ると、ベテランサウナーは目の前の川の中に浸かっていた！
自然の川が水風呂なのだ。さっそく同じように川に入ると水風呂と同じぐらいの温度で、かなり冷たかった。
ここでも2分間か！ と思っていると、ベテランサウナーはさっと川から出て、テント横に置いていたリラックスチェアーに寝そべっていた。
2分間しっかり川に浸かって、リラックスチェアーに寝そべってみた。やっぱり以前と同じで、ととのうまでいかなかった。
そして 2セット目。
ベテランサウナーに、サウナでのととのう極意について聞いてみた。
「ととのうには、人それぞれで、自分の体の状態をよく判断して、自分がきついとか思ったら、やめて水に浸かる。少し体の状態が落ち着いたと思ったら、上がってゆっくりしたらいいよ。あまり時間とかを考えずにね」
それから自分の体と相談して、決して無理をしないで、テントサウナ、水風呂（川）、外気浴のセットをおこなった。
すると、リラックスチェアーの上で、
きたー！ なんとも言えない高揚感。感覚がどこかにいってしまうような気がした。意識はあるのだが、全てを手放したような感覚となった。
これが、ととのうだろう！
せっかくだから もう少しテントサウナを体験しようと思ったが、ベテランサウナーはすでに着替えて、夕食の準備をしていた。
「自分のタイミングでサウナを楽しんで！ それが、ととのう第一歩だよ」
ベテランサウナーの一言だった。
私もととのいました。本日は、これにて終了とします。夕食のお供させていただきます！ と心の中で思い、サウナを終了して着替えた。
外で焚き火と食事と共に、夜にもっとサウナ談義を楽しもうとビールを飲んでいると突然会話が途切れた。
どうしたのかなと横を見てみるとベテランサウナーは寝てしまっていた。
あっという間にビールで、ととのわれてしまっていた。
寝落ちしたベテランサウナーをテントに連れて寝かせて、一人でゆっくりした時間を過ごした。
人それぞれの形で、楽しむ時間があるのだろう。
サウナは、思考でなく感覚で楽しむのかなと一人焚き火を見ながら実感していた。
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