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誰でもファッションが決まって見える、たった一つのこと


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記事:John Ishii(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
「上海のファッションはとても個性的だよね」
 
数年前、まだコロナが流行する前に出張で上海に来た友人がそう言った。
 
私もそうだと思う。私は上海の日系企業に駐在する普通の初老サラリーマンだ。ファッションのことは詳しくはないけれど、流行を知る上で上海のファッションについて少しだけ気にしている。
 
今年上海の夏は40度近い気温が続くこともあり、20代の女性がへそ出しのミニTシャツにバギー風のハイウェストのボトムスという服装が目立つ。
 
上海の出勤ファッションでは、ヨガ用のストレッチパンツをはいている人がいるし、ビーチサンダルの人もいる。スニーカーのかかとを踏んでいる人もいれば日本の女子高生のようなミニスカートも。それくらいどの会社でも自由な服装であふれている。
 
東京の場合は、一定の流行の流れやファッションの定番といった「決まり事」があると感じるが、ここ上海にはあまり決まり事がない。
 
それがない原因として、さまざまな背景を持つ多くの中国人が地方から上海に来ていて、それぞれのファッション感覚自体に多様性があるからと思う。このような多様性が元々あり、その上に上海のファッションが形成されていて、その結果あまり制限がなく自由な感じがする。
 
ただ、その自由な上海のファッションに、何か物足りないものも感じていた。
 
私が幼かったころなので半世紀ほど前の話だが、そのころ私の実家は理容室をやっていて、すでに亡くなった母が理容師として毎日お客の髪を切っていた。私の小さい頃の思い出は、理容室内に革張りの理容椅子があり、椅子やその周辺で母に見守られながらよく遊んでいたことだ。ひげそり用の石鹸の香りや、蒸したタオルの湿気といっしょに、母が愛情を注いでくれたことを覚えている。
 
母は亡くなる前にこう言っていた。「昔の人はとてもオシャレだった」と。
 
母の言うオシャレとはどういうことか考えてみた。思い出したのは両親と私が、私の育った田舎町にある唯一のデパートの屋上で写した写真のことだ。
 
そこには、日曜なのに父がスーツとネクタイ、髪を七三に横分けして写っている。もちろん父のうなじや側頭部はしっかり刈り上げてある。母が父を散髪し終えてすぐに、三人でデパートに行ったのだと思う。
 
半世紀前の日本人男性の多くが、月1-2回は散髪して刈り上げ、顔そり(顔のうぶ毛やひげを剃ってもらうサービス)をし、平日も週末もスーツにネクタイをしていた。当時の理容室は組合の定価があって、散髪代はそんなに安くはなかった。それでもこまめに髪の毛を手入れする人が多かったので、母はそういうのをオシャレと言ったのだろう。
 
とても自由な上海のファッション何か足らないものがあると私は感じていた私が、母の記憶をたどってみて一つ気付いたことがある。
 
それは、上海でファッションが決まっていると思える人たちは、髪を整えていることだ。これは上海だけでなくおそらくどこでも、その人のファッション全体を100とすると、髪の手入れが70くらいの影響力がある。男女関係ない。
 
多くの人は、初めて会う人やすれ違う人の「頭部」をまず見る。その時の視野には髪の毛の状態も入っている。ここでその人のだいたいの印象が決まってしまう。服装や体形はその次だ。
 
髪を整えるのに、特別なことをする必要はない。女性であれば毛先をそろえたり、こぎれいにまとめたり、カラーリングをこまめにしておくということだろう。男性なら少なくとも月一回散髪して整えておくことくらいだ。ちょっとした手間をかけるだけで全体のファッションイメージが格段に上がる。
 
私の場合、4週間に一回美容室でカットと白髪染めのカラーリングをしてもらう。もちろん、半世紀前の父のような刈り上げにはしていない。今は短いソフトモヒカンでさっぱりした感じに切ってもらっている。年齢相応に見えればそれでいい。これが正解かどうかは分からない。自分がファッショナブルに見えているかどうか自信ないけれど、こざっぱりした印象を与えられているのではと思っている。
 
ファッションは自由だし、答えはない。自分なりにファッションやスタイルを選ぶことが個性の表現になる。服や靴は買うことができる。髪だって美容室に行けば整えてもらえる。髪の手入れはついつい先延ばしにしがちだが、実は一番高い効果を得られるのだ。
 
男性でも女性でも、髪をこまめに手入れしておけばだいじょうぶ。あとはそれなりの服を合わせればバッチリ決まる。自信をもって、ファッションの自由を楽しもう。
 
 
 
 
***
 
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2022-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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