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満足することが良いとは限らない


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記事:赤羽利輝(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
「満足していないからこそ、これからまだまだ良くなるってことだよ」
僕は理学療法士という仕事をしているのだが、これはその仕事をする中で非常にお世話になっている人の言葉だ。
 
僕は、理学療法士という仕事をしていく上で医療従事者として、たくさんの患者さんと関わらせて頂くことから、勉強をしていく必要性を強く感じている。そのため、よく講習会へ参加するのだが、講習会を開催している団体は様々ある。そんなたくさんある講習会の団体の中で僕が新人のころからお世話になっている団体がある。その団体を運営している人(以降はAさんと呼びます)には頭が上がらないくらいお世話になっているのだが、ある日僕が「腰痛について知りたい」と相談したところ、「講習をしてみれば良いじゃん」と無茶ぶりをされたのである。
 
僕は、自分が講師をするなんてとんでもないと考えたのだが、Aさんはアウトプットをするのが、一番自分の勉強になると言うのである。たしかに一理あると僕は思ったが、すぐに僕は「僕みたいな何者でもない人間から習いたい人だっていないだろうし、自分自身もそんなことができる自信がない」と考えたのである。そうしたらAさんは「赤羽さんが悩んでいることは他の人でも同じ悩みを持っている人がいるはずだし、実際にその悩みを抱えて勉強して、それを伝えてくれる人がいるのはそれだけで講義をする価値がある」と言ってくれたのである。僕は戸惑いながらもその言葉で講義をすることを決めたのだ。
 
初めはそもそも腰痛にどうやって対処していこうかと悩んでいた段階だったため、それを勉強していくというのはどこから手をつければ良いのだろうかと頭を抱えた。先の見通しが立たない中での勉強はとても大変だった。だが、アウトプットをする前提で勉強をしているのと、可能な限り患者さんに還元していこうと臨床を繰り返しているうちに徐々に腰痛に対しての自分自身の考え方が構築されていき、臨床での結果も以前と比べて大きく変わるようになってきたのである。結果が目に見えて以前と変わってくると、段々と楽しくなっていくもので、僕は理学療法を患者さんに提供する時間が以前にも増して、有意義に感じるようになったのである。
 
そうやって、勉強と臨床を繰り返してついに講義資料を完成させた。正直、作っている時は何度も何度もこの内容で良いのだろうかと不安になったし、もっと詳しく色々と記載した方が良いのではないだろうかと様々な思いを抱えながらどうにか作成したのである。作成した後もいつまでも不安は拭えなかったが、現状これ以上の資料をうまく作れるのかと聞かれると、時間をかければ可能性はあっても、講義までの日程を考慮すれば、難しいであろうことは予想できた。そのため、腹を括って講義本番に臨んだのである。
 
そうして、臨んだ講義では、出席者の評価は幸いにも良い評価をしてくれた方々が多かったものの、僕自身は反省点が非常に多く、とても満足のいく講義とはならなかったのである。
 
その時に言われた言葉が冒頭の「満足していないからこそ、これからまだまだ良くなるってことだよ」という言葉だ。そこで、僕はハッとしたのである。僕は現状を嘆いてばかりで、これから先のことは一切考えていなかった。僕は、今日のこの講義で全てが終わりなのではなく、その先があることに気づかされた。そして、今回のような反省があるからこそ、次はもっとうまくやろうとか、足りない部分を研鑽していこうと考えられ、次の成長につながるのだと気づいたのである。僕は本当に満足しなくてよかったと心から思った。自分の頑張りを認めて、自分を労う気持ちはとても大切なことであると思うが、心から満足してしまったらそれ以上勉強して、研鑽していこうという気持ちは少なくとも今以上に持つことはできず、そもそもそれ以上の成長を満足感から求めようとしなくなると思ったのだ。これからも、自分の頑張りを認めて、達成感を大切にすると同時に心から満足することなく、自分自身の成長を追い求めていきたい。
 
みなさんも、現状を嘆いて落ち込むことが多く、少しでも満足のいく結果を出そうとすることを考える人は多いだろう。しかし、必ずしも満足感が良いものとは限らない。そこで成長を止めてしまうきっかけにもなりうるからだ。仮に自分自身が満足できても周囲の評価は違う場合だってありえるのだ。もし、自分の結果に満足できていないのだとしたら、それはこれからまだまだ成長できる余地があることだと、むしろ喜ばしいことであると考えると、少しは気が楽になり、これから先に希望が持てるのではないだろうか。
 
 
 
 
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2022-09-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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