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質問は最も恥ずかしい部分をさらけ出すことから生まれる

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F (ライティング実践教室)
 
 
授業中に質問が思い浮かばない。
自己啓発で様々な講座を月10回ほど受けているなかで、段々この状況がコンプレックスになってきた。
 
学校の感覚だと、何が問題なのかと思われるかもしれない。
確かにあの教室内では、わかっていないことを表明する形になり恥ずかしい感覚があった。
そのため聞いただけで全てを理解でき、質問する必要がない状況こそ理想だと私も考えていた。
 
しかし大人になって多くの講義を聞くなかで、そうではないことに気付いてきた。
むしろ質問が思い浮かばない方が恥ずかしいのではないか。
そういう思いまでが、込み上げてきた。
 
このように感じた理由は、質問された時の先生方の表情が実に生き生きしているからである。
ほぼ全員が池上彰さんのように「いい質問ですね!」と言いたそうな笑顔を浮かべていた。
答えにくい内容が聞かれたとしてもだ。
むしろ難解なほど面白がっていた。
 
つまり講師の先生方にとっては質問が全く出ない状態より、バンバン飛び交う状況の方が理想なのではないかと思えてきたのである。
なぜなら疑問に思うということは、それだけ真剣に話を聞いているからである。
内容を理解しようとしているからこそ、わからない点が出てくるのだ。
それを多くの生徒に講義することで把握しているから、先生方も質問に対し全力の笑顔で答えるのだろう。
 
そう考えると、授業を聞いても質問が全く思い浮かばない私がとても恥ずかしく思えてきた。
私が本気で向き合っていないことを証明しているからである。
どのような内容だろうと「そうなのか」程度の理解で満足し追究しようとしない。
この程度の姿勢で受講していたから、疑問も浮かばなかったのである。
これは非常にまずい状態だ。
だからこそ原因を追究しなければならないと感じた私は、iPhoneでメモを取りながら数時間悩んでいた。
 
こうして導き出したのは「最も恥ずかしい部分をさらけ出そう」という意識がなかったことだった。
学校の感覚だと授業中に質問することは恥ずかしいと感じてしまう。
だからこそ先生の話に対してもわかったような顔をしてカッコつけてしまっていたのだ。
 
しかし本当に恥ずかしいのはこの程度の理解しかしていないのに、問題ない雰囲気を出している状況の方だった。
それよりも、わからないことを認めて恥ずかしさに打ち勝ち質問をする。
この方が遥かに立派な姿だったのである。
 
質問したくなるのは、講座を本気で聞いているからだ。
文章術なら、自分の文章の悪い点を改善したい。
音楽なら、推しの楽曲の素晴らしさを全て解き明かしたい。
そういう知識に対する飽くなき欲求があるから、わからない所が出てくるのだ。
 
これを表明するのは恥ずかしいように感じる。
だが先生も、そこまでの過程を十分理解しているのだ。
そのため笑顔で「いい質問ですね!」と褒めてくださるのである。
 
これに比べたら、わかったような顔をして聞いていた私など恥さらしにも程があった。
だからこそ改善しないといけない。
そう強く願った。
 
そして、導き出した解決策は自分の恥ずかしい部分と本気で向き合うことだった。
つまり自己啓発を大量に受けているのに、わからないことがたくさんある状況を認めることだった。
音楽講座なら、推しの新曲を数十回以上も再生しているのに良さをうまく説明できない事実。
写真教室では、光の微妙な違いを掴みきれていない状況。
このように理解できていない、見せたくない姿をさらけ出すことだった。
 
なぜ質問をしなかったのか。
それは全てわかったフリをすることがカッコいいと勘違いしていたからだ。
しかし、実際は逆なのだ。
本気で考え抜き、それでも理解できなかったと表明することの方が立派なのだ。
だからこそ「いい質問」と言われるのである。
 
こう考えるとわからない恥ずかしさなど、大した障害にならない。
私はこれから心を入れ替えて、わからない恥ずかしい姿をさらけ出すようにしたい。
この気持ちで講義内容と向き合えば、理解できていなかった部分が大量に見えてくる。
「理論が生まれるまで、歴史的にどのような流れがあったのか」
「この手法が最善である理由はなにか」
 
改めて考えてみると、わかったフリをしていただけの部分が結構あるのだ。
そしてこれらを頭に入れて聞くと、講座もより深い部分まで考えられるようになる。
さらに質問することで、自分だけでなく教室にいる全員の理解を深めることができる。
これこそが理想の学び屋だろう。
 
大人になった私は、好きなことを好きなだけ勉強できる状況にいる。
この幸せを本気で質問しながら噛み締めていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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