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ホントの私、デビュー 〜大人編〜


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:辻美惠(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
世の中に裸眼生活者がどれほどいるか。インターネット上で見つけられるいくつかの調査では20から40%ほどらしい。つまり、少なく見積もっても、6割以上は眼鏡かコンタクトレンズを使用している。近視は現代病と言っても過言ではない。
特に、このような液晶上の文字を日常的に読んでいる、あなたのような方の裸眼率は低いと推察される。
かく言う私も、20年以上昔、小学校高学年の頃に初めて眼鏡を作った。一時眼科に通ったものの、どんどん視力は落ちていき、高校生の頃は眼鏡常用の生活を送っていた。大学生になってコンタクトレンズに変えた。大学デビューというやつである。
5、6年ほど前から目の健康を考えて、再び眼鏡生活に戻った。おでかけの時だけコンタクトレンズを使用する。だが、出産を機に眼鏡が邪魔だと思うことが増えた。
子供と顔をくっつけにくい。子供とゴロゴロしにくい。子供とお風呂やプールに入りにくい。
頭の形のせいか、あるいは度数が強くて眼鏡が重いせいか、眼鏡をかけ続けていると頭が痛くなることもあった。
 
裸眼になりたい。
でもそんなこと無理。
 
叶わぬ夢を胸に抱いていたある日、電車内で1つの広告が目に飛び込んできた。
 
眼内コンタクトレンズ? ICL?
 
そう、なんと目の中にレンズを入れ込んで裸眼生活を手に入れることができるらしいのだ。
 
こ、これだ!!!
 
と興奮したものの、急に不安になる。本当に大丈夫なの? 安全? 調べてみると、1980年代に開発され、これまでに全世界で100万眼以上の症例実績があり、日本では2010年に厚生労働省の認可が下りていることがわかった。
実績はある。レーシックと違って角膜を削るわけではないし、何か問題があればレンズを取り出すこともできる。安全性は問題なさそう。
でもお高いでしょう? たしかに一度にかかる費用は大きいが、これから半永久的にレンズが使えるし、眼鏡の不便さからの解放、コンタクトレンズを買う費用を考えれば一概に高いとは言えない。
 
いつか絶対受ける!
 
そう決意した私だが、なかなか実現へと行動を起こすことはできなかった。
ようやく重い腰をあげて検査の予約の電話をしてみる。が、初回検査の予約開始日は決まっているらしく、その日は予約ができなかった。
ついでに今後の流れを教えてもらう。初回の適応検査、2回目の視力検査、手術、手術翌日の検査、1週間後の検査を行うらしい。その後は定期的に検査を受け続けることになる。
初回検査は3時間ほど時間がかかるし、瞳孔を開くため運転ができないなど結構ハードルが高い。子供の春休みに合わせて予約をとった。
眼の状態によっては、たまにICLを受けられない人がいるらしい。検査を受けると、私も左目が規定値より少し小さく、先生から手術はできると言われたが、レンズが浮いてしまう可能性が人よりも高くなると説明された。瞳孔が開いた状態で帰宅に着くので、外が非常に眩しかった。
次の視力検査で、度数が正式に決まってレンズを注文した。レンズ代も支払う。なかなかの出費にドキドキである。医療費控除に使えるので領収書は取っておく必要がある。忘れて一度ゴミ箱に捨てたことはここだけの秘密にしておく。
そしていよいよ手術日。何度か目薬をさされながら1時間ほど待つ。
クリーンルームに誘導され、麻酔用の目薬をバシバシいれられる。
先生の診察を受けていざ手術室へ。手術室なんて帝王切開以来である。人生2度目。
とげとげしたリラックスボールを渡され、力をいれたくなったら顔ではなく、ボールを握るように説明を受ける。
まず目の周囲をバシャバシャ消毒される。次に片目ずつバシャバシャ洗われる。側から見るとどうなっているのだろう。初めての体験である。ホルマリン漬けになっている目玉になった気分。
目の上にカバーかけられて、まつ毛が入らないよう上下テープでとめられ、固定具をつけられる。
先生から眩しい光を見ろといわれる。いや、厳しい。と思いながらもなんとか頑張る。
なにか作業されるが、なにが起こっているかはよくわからない。
視界が少しかわったときがあった。そのときに切られたのだろうか?
目がぐいぐいされる。右目が終わり、左目も同様に処置される。左目の方が目が小さいせいか痛みが右よりあった。
レンズの入れ方も時間がかかった気がするが、私が心配していたせいかもしれない。
手術前は緊張していなかったが、始まったら怖かった。手のひらにぼこぼこと跡が残るくらいボールを強く握った。ありがたいボールだった。
45分ほど安静にするよう言われ、待機室のソファで待つ。水とお菓子が用意されていた。
この日は4、5時間ほどかかると説明されていたが、実際には3時間かからなかった。
目に関しては覚悟があったから何も思わなかったが、麻酔の目薬が鼻に流れてきて、鼻奥もしばらく麻痺していたことが不快だった。
術後は視界がぼんやりしていたものの、一人で歩くのに問題はなかった。病院と駅はほぼ地下道で行くことができるし、使い慣れている駅だからというのもあるかもしれない。そうでないなら、同行者がいたほうが安心だろう。
翌日検診は30分くらい、1週間後検診は1時間くらいで終わった。後者は瞳孔あくので眩しいし手元が見えにくくなる。
手術後から1週間後検診まで、日中は保護眼鏡、就寝時は眼帯をしていたので、いまいち実感がわかなかった。1週間後検診が終わって自宅で入浴した時に、ようやく感動がやってきた。
 
はっきり見える! お風呂に入りながらお風呂掃除ができる!
 
光の輪が見えたり、時折目がゴロゴロしたりするが、他は良好である。
来月の1ヶ月後検診を受ける頃には気にならなくなっているだろう。それまで3種類の目薬を1日4回する。術後1週間はもっと頻繁に目薬をする必要があったから減ってはいるのだが、まだこんなに必要なのか、と説明を受けた時驚いた。
もしコンタクトレンズも眼鏡も嫌だと思っている人がいたら、ホントの私になれるICLを選択肢として検討してみてはいかがだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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