IT苦手文系50代はどう生きるか
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事: K(ライティング・ゼミ6月コース)
「はい、このボタンをクリックして~。 作業が終わった方はしばらくお待ちくださいね」
PCを前にみんな一斉に同じ作業をしているのに、「なぜか」一人だけ違う結果になることが多かった。
イライラして待てなくて、つい、テキトーに、違う操作をしてしまうためだ。なので、本当は「なぜか」ってことは、ない。
Enterキーを連打する。ダメだ。動かない。電源でも切るか。
「あああああ! 勝手に電源切っちゃだめですよ!」
そんなこんなで、ITとの相性はよくない。
なのに、ITの会社で、会社全体のチェック、「監査」という仕事をすることになった。
一応、Excel、Word、PowerPointは、ちょっと行が歪んだりすることはあってもそれなりに使っている。オンラインでの経費精算も、オンライン会議も、会計システム、販売管理システム、日々のコミュニケーションに使うチャットツールも何とか。データはすべてクラウドに保存されており、必要に応じ検索してアクセスする(時々行方が探せず保管場所を聞いたりしているが)。
プライベートでも、Email以外にもLINEにFacebookにInstagramを駆使している。
それなりに私IT頑張ってるわ、と、正直思っていた。
が、「勝手に電源を切っちゃう」レベルで、そんなはずはなかった。
先日2023年7月8日の日経新聞に、
「ニトリ、全社員の8割にIT国家資格 25年までに」
という記事が掲載された。2025年までに約18000人の社員の8割に、情報処理に関する国家資格である「ITパスポート」を取得するようにするとのことだった。
ITパスポート。聞いたことはある。知人が何人か、受験していた。パスポートというくらいなので基礎的な内容なんだろう。ニトリでも本社の人はともかく、店舗の人まで入れて全体の8割が受験するというくらいなのでそれなりに重要なんだろう。どんな資格なのか。Facebookで聞いてみた。
「ITパスポート、って正直、どう? 受験された方、おられますか?」
すると早速5人からコメントやメッセージが来た。
「知ってて損はないと思います」
「知識として重要」
なるほどなるほど。
なかでもショックだったのはこちらのコメントだ。
「高校生はこれくらいの知識は全員習っているので、今後若手と接するときに知ってないとヤバいです」
勉強するのがベター、ではなく、知ってないとヤバいレベルなんですね。と。
なんだろうなあ。
毎日(たぶん)マジメに一生懸命働いて50代になってみたら、若手にとっては常識なことを先輩格のこちらは全然知らなくて、
「あの人、あんなことも知らないんだ」
とあわれみを受けたりするのか。
まあ、Enterキーを連打している時点で、既にそんな感じかも知れないけれど。
検索してみたところ、ITパスポートの合格率は50%という易しめの試験で、毎月受験が可能とのことだった。思い立ったらすぐに受験できそうだ。
対象は「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生」であり、内容は「ITに関する基礎的な知識」とのこと。
具体的には、
新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)
新しい手法(アジャイルなど)
経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識
IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識
プロジェクトマネジメントの知識
など、幅広い分野の総合的知識を問う試験だという。
国家資格ではあるが、問われる知識が浅く広く、これをとることで何かができるようになるわけではないことから、「意味がない資格」と考える人もいるようだ。
しかし、IT苦手文系50代でも、いや、であるからこそ、知っているべきだと思い、テキストを買ってみることにした。
難しい本だと絶対挫折しそうなので、字が大きくてイラストが多いテキストを選んだ。その名も
「いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書」
今、テキストをパラパラ見ている。
見て思ったのは、何となく知っているようでいて、今までITをいかにふんわりとした理解のもと使ってきたか、ということだった。
例えば、
「攻撃者からサーバーを守るための壁、3つを挙げなさい」
と言われたらどう答えるか。
「ファイアウォールと、ええと、ええと、なんかブロックする仕組み(違)」
てな感じ。
答えは、①インターネットから社内ネットワークを守る壁(ファイアウォール)、②サーバーへの不正アクセスを検知するシステム、③社内システムの中のWebアプリ(Googleなどwebにつながっているアプリケーション)の弱いところへの攻撃を守る仕組み、の3つとのこと。
そうなのか。
みなさんにとっては常識かもしれないが、こちら、日ごろ意識していないので理解がふんわりしている。この状態で情報システム部と話したら、確かに話が食い違って仕事に支障がでそうだ。
やっぱり勉強しないといけないな。
まあ、こうやって勉強しても、たぶん、多くのことを忘れるだろう。
それでもいい。
忘れたら、また復習しよう。残念ながらそれでも忘れたら、その時は誰かにサポートしてもらおう。
この年になって働く場があって、若手の方々との接点があり、新しく勉強しよう、勉強しなければ。そう前向きに思えることがありがたい。
そんなことを思いつつ、テキストのページを1ページ、めくってみた。
***
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