服を買うことをやめたら、オシャレ上級者への道が拓け、異性との距離も縮まった!?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:加藤 真矢(ライティング・ゼミ9月コース)
40代、東京で働く会社員の私だが、ここ2年ほど1着も普段着を買っていない。
女を捨てているように聞こえるかもしれないが、
毎月、24着の異なる服を楽しんでいる。
港区OLだが、残念ながら若くもなく、買ってくれるパパがいるわけでもない。
ごく普通の会社員の私がなぜこうした生活ができるのか。
きっかけは3年ほど前のコロナ禍に遡る。
二度目の緊急事態宣言が発令された当時、一度目ほどの完全引きこもりムードはなく、平日は在宅勤務で引きこもり、週末に限られた用事で外出する生活を送っていた。
洋服は、出かける時だけあればいいな……。
そう感じた私が目を付けたのが、
とある、ファッションレンタルサブスクサービスだった。
週末だけ服をレンタルし、平日が来たら返却し、次の服が週末までに届くのを待つ。
一度のレンタルで3着の服が届くプランで、
返却時に感想を入力し、次回のレンタルに向けたリクエストを入力すると、
スタイリストさんがそれをもとに新たな3着をスタイリングしてくれる。
ある時は、
「逗子にいる友人の所へ遊びに行くので、それらしい格好でお願いします」
となんとも漠然としたリクエストを入れてみた。
すると、黄色とグリーンを基調とした鮮やかなリゾートワンピースが届いた。
「すごい! めちゃくちゃそれっぽい。今日ここに来る為に買ったの?」
「いや、服をレンタルしていて、リクエストしたらこういうのが来て」
ワンピースは話題を集め、私はレンタルにはまっていった。
SNSに定期的にレンタル服をアップすると、さまざまな反響があった。
格好いい女系のタイトスカート、シャツ、パンツスタイルは女性に評判が良く、
年齢的にきついかな……と思われるブリブリのフリル服や甘い色のスカートスタイルは意外にも男性にはウケが良い。
性別や世代による印象の違いも興味深く、レンタル生活を楽しんでいたある日、
当時、好意を持っていた男性からメッセージが届いた。
「加藤さん、ネイビーが似合いそう。っていうか着てほしい」
「ピンクとか可愛い感じの色よりも、濃い色の方がデキる女のイメージで、合ってると思う」
自分から積極的にメッセージを送ることもできない、恋愛弱者の私は胸が高鳴った。
丁度その頃、コロナ禍でもファッションレンタルを促進すべく、
スタイリストさんによる無料オンライン相談会が開かれていたため、申し込みをした。
「気になる男性に、ネイビーが似合うって言われて、自分に合いそうなものを知りたくて……」
「なんとそれは責任重大ですね。任せてください。でもあんまりその男性に言われたことにストレートに従っちゃうのも癪だから……さりげない感じで見せたいですね!」
恋の駆け引きにも入れ込んだ熱意あるアドバイスで、ストライプやドットでネイビーを効かせたワンピースや、ホワイトのような明るい色のシャツに、ネイビーのスカートを合わせて引き締める、部分使いのスタイリングもいくつか提案いただき、次のレンタルへリクエストを出した。
希望通りのスカートが届き、写真をSNSにアップすると、
「締まって見えて……いいんじゃないかな」
ちょっと素っ気なくも、そう言ってくれたことが嬉しくて、
気に入った服は購入もできる仕組みだったため、お買い上げをした。
お買い上げまでしたのに、この男性とは残念ながらご縁がなかったのだが、
その後も私はファッションレンタルを続け、
仕事が出社スタイルに戻ってからは、平日用3着と週末用3着を毎週レンタルするプランに拡張し、1か月で24着を体験する生活を楽しんでいた。
自分で選ぶとつい似たような服ばかりになってしまう所、ざっくりしたリクエストに沿って毎回プロに見立ててもらえるので、
「いつもすっごく素敵よね!」
とすれ違う人からわざわざ呼び止めていただけるようになり、オシャレ上級者になれたようで気を良くしていた。
最近、婚活でやり取りを始めた年下男性と3回目のデートを控えたある日、
「平日夜に食事デートに行くので、座った時に上半身がスタイルよく魅力的に見えるようなトップスでお願いします」
とリクエストしたところ、とても素敵な、首元がアシンメトリーのデザインになっている黒のトップスが届いた。
予約してくださったのは、イチオシというもんじゃ焼きのお店。
コロナ直前に関西から東京に転勤してきた私が、もんじゃ焼きをほとんど食べたことがなかったので、
オススメを是非食べてほしいと連れていってくださった。
定番の海鮮系に舌鼓を打った後に、珍しいイカ墨のもんじゃ焼きを店員さんから薦められる。
真っ黒な生地に仰天しながらも、イタリアンな風味でとても美味しく、はふはふとコテが進んだ。
生地の飛び散り防止にと、紙エプロンが店員さんから差し入れられる。
すると、
「これ、イカ墨を見越して、黒を着て来てくださったんですか?」
とさり気なく、肩に触れて来られた。
「奥手なので、積極的にアプローチしてくれる女性だと嬉しいです」と自己紹介に書かれていた方なので、仰天した。
えっ、今、ボディタッチしたよね!? 君、奥手なんだよね!?
以降は動揺して、すっかりもんじゃ焼きの味が分からなくなった。
そしてまた次のデートに誘っていただいた。
ファッションレンタルサブスクサービスは、TPOに合わせて普段着ないような服にチャレンジできたり、その時々のリクエストに応じてスタイリストさんの提案が楽しめたりするだけでなく、時にこちらの想定を超えた嬉しいサプライズが起こることもある。
様々なファッションをきっかけに、会話の糸口が広がるのだ。
自分でコーディネートを考えることが苦手、という方はもちろん、
自分に似合うスタイルが既に分かっているという方も、ひょっとすると、プロの見立てで新たな世界が広がるかもしれませんよ。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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