第19回 《週間READING LIFE「けっこん、します」》
記事:藤原 宏輝(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
前回は、第4章‘現実的な生活設計・住まいのすり合わせ’についてお伝えしました。
生活の基盤である住まいは、一生モノだったりしますのでかなり重要なことかと思います。
前回、次回のご案内に第4章のまとめをお伝えする事を告知させて頂きましたが、さらに。
違う観点から、結婚し衣食住の環境が揃った後には、家族が増える事をお考えになる方も多くいらっしゃるのでは? と思い、第19回は‘現実的な生活設計・子育て’について少し触れたいと思います。
結婚し新しい生活が始まり、よりお互いを理解し、尊重し、敬い「心地よい暮らし」を日々繰り返していく中で、子供を持つのか? 持たないのか? 自由な選択のもとに、以前のように
「そろそろ、子供は?」なんて聞いてくる方もずいぶんと最近では減ったのではないでしょうか?
これまでもお伝えしてきた通り、結婚生活において、それぞれが育った環境の違いや見解、価値観の相違で、ぶつかる壁はいくつもあります。
それぞれの見解で異なりますし、個人差もございます。これらをよくご理解頂いた上で、ここから先は、読み進めて頂きたいと思います。
「……えっ?」
ガチャリと玄関のドアが開いた瞬間、私は思わず声を失っちゃいました。
パタパタと靴を脱いで上がってきたのは、なんとわが息子!
しかもその胸元には……すやすや眠る赤ちゃんが、がっちり抱っこひもでホールドされているではありませんか!
肩にはパンパンに膨らんだ大きなトートバッグ。もう、両手も体も大荷物状態です。
そのすぐ後ろから、ふわっと爽やかな笑顔で現れたのはお嫁さん。
お気に入りの可愛いワンピースを着て、手には小さなハンドバッグがちょこん。
「お邪魔しま〜す!」
「いらっしゃい……」
口ではそう言いながらも、私の頭の中は大混乱!
(ちょっと待って! なんてことさせてるのー!?)
いやいや、お嫁さんが悪いわけじゃないんです。でもね……どうしてうちの息子が赤ちゃんを抱っこして、重い荷物まで全部背負ってるのよ〜っ!?
ふと、半年前の結婚式を思い出しました。
生後半年の孫と一緒に挙げた、三人だけの小さな式。あの時も、息子が赤ちゃんを大事そうに抱きかかえていましたっけ。
(あの時はドレスが汚れたら大変だし、気を利かせたのかなって思ってたんだけど……まさか普段から!?)
街で見かけるパパさんたちの姿が頭をよぎります。
スーツ姿にリュックを背負って、ママチャリの前後に子どもを乗せて爆走するお父さんたち。「いまどきの時代ねぇ」なんて他人事みたいに感心していたけれど……まさか自分の息子まで「抱っこひもパパ」になっていたなんて!
ガサゴソと荷物を降ろす息子の背中に、私は耐えきれず声をかけました。
「ねえねえ、ちょっとあなた……いつもそんな風に赤ちゃん抱っこしてるの?」
すると息子は、汗を拭きながらケロッとした顔で一言。
「うん? そうだけど。だって、俺の子だもん」
あまりにもあっさり言われて、拍子抜けしちゃいました。
聞けば出産の日もバッチリ有休を取って立ち会って、その後もしばらくは息子の方が育休を取りやすい職場環境だったのだとか。
「じゃあ、お嫁さんは……?」
おそるおそる尋ねると、お嫁さんがクスクス嬉しそうに笑いました。
「私、復職したばかりでバタバタで……『いつもありがとね、ごめんね』って感謝しまくりです!」
「お互い仕事あるんだから、できる方がやればいいんだよ。なっ?」
顔を見合わせて「えへへ」と笑い合う二人。
小さな赤ちゃんの「スー……スー……」という可愛らしい寝息だけが、リビングにやさしく響いています。
(ああ、そうか……)
「男は仕事、女は育児」なんて、私が勝手に思い込んでいただけだったのかも。
誰か一人に任せきりにするんじゃなくて、手を取り合って「二人で」育てる。これが今の新しい家族の形なんですね。
厚生労働省の調査でも、男性の育児休業取得率は50%を超えたのだそう。
数字だけ聞くとピンとこなかったけれど、目の前の二人の笑顔を見ていると、なんだかとっても腑に落ちました。
玄関に転がる大きなトートバッグ。
息子の胸で気持ちよさそうに眠る小さな命。
そして、隣で愛おしそうに二人を見つめるお嫁さん。
時代は、ちゃんと温かい方向へ変わっていたんだなぁ。
……あ、でもね。心の中でこっそり思ったのは内緒です。
(ふふっ、抱っこひもを着けた息子のパパ姿……案外、サマになっていて格好いいじゃない♪)
- 「誰が育てる?」父親の育児参加と共働き
最もダイナミックに変化したのが、家庭内での役割分担です。
【昭和時代】(モーレツ社員と専業主婦)
男は外で仕事、女は家庭を守る
が一般的な価値観でした。男性の育児休業という概念自体がほぼなく、父親の育児参加は珍しい時代でした。
【平成時代】(共働きの増加と「イクメン」の誕生)
共働き世帯が専業主婦世帯を逆転。
平成11(1999)年の男性育休取得率はわずか0.42%でしたが、平成後半に向けて「イクメン」という言葉が広まり、少しずつ男性の育児参加が進み始めました。
【令和時代】(「共に育てる」が当たり前に)
厚生労働省の調査では、男性の育児休業取得率が40.5%(令和6年度調査)にまで急上昇。
産後パパ育休」などの制度定着もあり、夫婦ふたりで協力して育てるスタイルが定着してきています。
- 少子化とライフイベントの時期
結婚や出産のタイミング、子どもの人数に関する意識も変化しています。
初産年齢の推移
昭和50(1975)年:25.7歳
令和4(2022)年:30.9歳
晩婚化・晩産化が進み、仕事や自身のキャリアを一定程度築いてから出産を迎えるスタイルが増えました。
理想の子どもの人数
理想の人数自体は昭和・令和ともに「2人」が約6割で最多ですが、子どもを持つ理由・条件に変化が見られます。令和では「経済的な状況」や「仕事との両立」を考慮して人数を決めるご家庭が増加しています。
- 家事・育児のスタイルとテクノロジー
育児を支える環境やツールも時代とともに様変わりしています。
【昭和時代】近所や親戚など地域での手助けや、その一方で「一から手作り」など母親の負担も大きかった。
【平成時代】紙おむつや粉ミルクの進化、保育園の利用拡大。核家族化による孤独感の顕在化。
【令和時代】ミールきっとや便利家電の活用、育児アプリやSNSでの情報共有。デジタル技術を活かした‘効率化・時短’育児へ。
そして、変わらないものあります。それは「子どもの成長を喜び、愛おしく思う気持ち」は昭和・平成・令和のどの時代も変わらず受け継がれています
皆さんに最後にお伝えしたいのは、とくに今のご両親様世代の方々へ
「私の時は、こんなふうじゃなかった。今の若い人はッ!」と思わないでください。時代の流れとともに子育ての環境が変化してきたことを、どうか柔軟性を持って優しい気持ちで見守って頂けると、少しずつでも未来を担う子どもたちが増えるのでは? と感じています。
いかがでしたか?
皆さんも「結婚する」と決めたら‘お互いの価値観・子育てについて’も話し合ってみて下さい。
次回、第20回は‘お互いの価値観・働くこと’について、お伝えしていきます。
❒ライタープロフィール
藤原宏輝(ふじわら こうき)『READING LIFE 編集部 ライターズ俱楽部』
愛知県名古屋市在住、岐阜県出身。ブライダル・プロデュース業に25年以上携わり、2200組以上の花婿花嫁さんの人生のスタートに関わりました。思い立ったら世界中どこまでも行き、知らない事はどんどん知ってみたい。好奇心旺盛で、即行動をする。
何があっても、今を全力で生きる。切り替えが早く、とにかく前向き。
これまでのブライダル業務の経験を活かして、次の世代に、未来に何を繋げていけるのか?
といつも模索しています。2024年より天狼院で学び、日々の出来事から書く事に真摯に向き合い、楽しみながら精進しております。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
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