チーム天狼院

【女優がいる書店】女優に恋多き女が多いのは本当ですか?≪女優デイズ≫


禁断の恋こそ、人は燃え上がるものなのだ。

僅か5日の恋に命散らしたかの有名なロミオとジュリエットを見てみれば解るように、人は周囲の妨害があるほど燃えてしまう。

来てちょうだい、やさしい夜よ。来て。愛にあふれ、黒く塗られた眉を持った夜よ。私のロミオを届けておくれ。

彼女は熱弁を振るう目の前の少女を前に、懇願の気持ちでジュリエットのセリフを諳んじた。

聞いてますか!の声に思考を現実に戻す。
少女の話はこうだ。
例え振り向いてくれなくとも良い、ただ側に居られるだけでいい、だなんて、そんな事で収まってたまるか!
片思いが故の持て余す熱量を少女はぶつけていたのだ。

そんな事、本人に言えよ。と本山由乃は思ったが、後輩の真剣な、本人にとっては至極真面目な悩みを無下にするわけにも行かなかった。
少女のようなタイプには話に反論をしてはいけない、アドバイスもしてはいけない。
同調する、それだけ。
大きく頷きながら、ただただ話を右から左へ受け流した。

少女も女優の卵であったが、その前に、女でもあったと言うことだ。
一時の気の迷い、と言うには燃え上がりすぎているように見える。推測するに、周りが反対や不要なアドバイスをしたものと見える。
恋をする事は女優にとって必要な事だ。
女優たるもの、一人の男も魅了せずして幾人ものファンを持てようか。
大女優に恋多き女か多いのも頷ける。
大恋愛は人をひとまわりもふたまわりも成長させ、熟成へと導く。
確かにそうなのだ。
だがしかし、男女の縺れで消えてゆく役者の存在も無視は出来ない。
ひっちゃかめっちゃかかき混ぜられて解散に追いやられた劇団も見てきた。
演劇界とは恋愛に満ち満ちているものなのか、と錯覚する時もしばしばある。

それは何故か。
男女か出会う機会が多い、というのはもっともなのだが、本山由乃は一つの要因を思った。

ことば である。

女優だけでなく、役者というものは言葉を操る仕事なのだ。たくさんの言葉たちを生かす。
その言葉たちは心を癒し、時に乱す。
役者たちは言葉に揺さぶられる。
それは恋愛においても変わらないのではないか、と思っている。
大女優がたくさんの恋を仕留められるのにも納得である。

「何度言っても伝わらないんです!」
と、氷の溶けきったアイスティーを飲みながら言う彼女にはまだ、言葉を生かす力が足りないということか。

「どうしたらいいと思います?!」
少女の問いに、

「もつと芝居の勉強したら」
と返答すると、少女は大きな音を立てて残りをすすり切った。

 

どうも本山です!
今回は恋と言葉の話でした。
言葉の力はとても大きい………

というわけで、次回の劇団天狼院のイベントは、言葉を使ったシアターゲームをやろうと思っております!
シアターゲームとは、遊びながら演劇に必要な要素を学ぶゲームの事です。
初めての方でも楽しめますので、ぜひご参加下さい!

イベント参加はこちらから↓
https://www.facebook.com/events/1507601636125806/


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2014-06-17 | Posted in チーム天狼院, 記事

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