うつ病と向き合って自力で治してみた
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:岡筋耕平(ライティング・ゼミ木曜コース)
「なんか調子悪いな」
最初は軽い感じだった。
気が付いたら、気分が塞ぎ込み、眠れない日々が続く。挙句の果てにはお酒無しでは毎日安定して過ごすことが出来なくなっていた。今から3~4年前の出来事だ。
診断結果はうつ病。その他パニック障害だったり色々な診断結果を医師から言い渡された。詳しい病名は正直なところ良く分かっていない。後から調べてわかったことだけど。精神疾患はその都度診断名が変わることは良くあるらしい。
僕は昔から悩みすぎて塞ぎ込んだりすることが多かった。学生時代に引きこもっていた時期もあるし、色々と考えすぎる性格から不眠症になることも良くあった。昔はそこに心療内科や精神科を受診するといった選択肢がなかった。
正直言って病院を受診すると負けたような気分というか、何か世間に対する後ろめたさもあったのかもしれない。
実は10年くらい前にも精神科を受診した時があった。その時は10数年買っていた家の飼い猫が旅立ってしまい、そのショックから日中急に悲しくなって涙が止まらなくなって精神的に不安定時期が続いていた。精神科を受診した時、軽いカウンセリングを受けただけで特に薬の処方などもその時はなかった。
「気持ちの持ちようだ」
僕は心の病についてそのくらい軽い気持ちで捉えていた。
その数年後、僕の症状は悪化した。
日中、ずってネガティブな考えが頭から離れず、気分の浮き沈みが激しい。あることないことをずっと考えて不安に陥りお酒に逃げる日々が続いた。
ある時、家の近くの整形外科を受診した時に、軽く頭が痛いという事を話すと、評判の良い近所の心療内科を紹介してもらった。
仕事中でも、わけもなく急に泣き出したりしていたので、遅かれ早かれこうなっていたと思う。
その時、夜落ち着いて眠れないことを先生に話すと、睡眠薬を処方してくれた。
最初は抗うつ剤や睡眠薬を飲むと、気分が落ち着き夜もよく眠ることが出来た。
問題はここからだ。
実は医師からはお酒と薬の愛称は悪いから、断酒するように勧められていた。
この頃僕は辛いことがあると、すぐにお酒を飲み、お酒の量も半端ではなかった。もしかしたらアル中も入っていたかもしれない。
毎日適量ではなく、明らかに飲みすぎだった。意識が無くなるまで飲むのが習慣化してしまっていた。
簡単にお酒を辞めることは出来ず、抗うつ剤を飲みながらお酒も飲んでいたので、余計に悪化したのかもしれない。
最初は軽い抗うつ剤だったけど、だんだん体に免疫が出来てきて効かなくなってくる。睡眠薬も同じで飲んでも眠れない。
そうなると、必然的に強い薬が処方される。最初は薬が変わると効果があるのだけど、それも次第に効かなくなってきてもっと強い薬になるというループに陥っていた。
薬の強度が強くなってくると、副作用も勿論強くなる。日中、頭がぼ~として回らなかったり、体重も増えていった。人と会話している時も睡魔に襲われる時があるので、せっかく仕事を見つけても仕事にならずに続かない。
そんな生活が続いたある日、僕は思い立った。
「このままでは人生が終わってしまう! 何とかこの生活を抜け出そう」
そう決心した瞬間、行動に移った。
まずは自分が飲んでいる抗うつ剤について、インターネットで調べまくった。抗うつ剤にはSSRIやSNRIといった種類の薬があるらしい。そのメリット、デメリットを自分で調べることでだんだんと知識が深まってきた。
そして、気分が落ち込んだ時の解決策を書いている本を読み漁ったり、健康的に過ごすためのお役立ちサイトなども見まくった。
まずは薬の副作用で太ってしまっていたので、食生活の見直しから。
その他、色々と調べた結果、朝日を必ず浴びる、運動を欠かさない、良く笑う、なるべくストレスを溜めない、お酒は適度に飲むといった事を生活に取り入れた。
朝日を浴びるとセロトニンという物質が分泌されて、精神が安定する。運動を行うことで睡眠薬に頼らなくても眠ることが出来た。
笑うことでもセロトニンが分泌されストレス発散につながる。お酒を辞めたことで、お金も浮くようになったし、一日が充実して過ごせるようになったと思う。
この生活を続けることで、次第に薬に頼らなくても夜寝つけるようになり、日中仕事に就けるまで精神も安定してきた。
心の病は生活習慣で改善できるという事を身をもって知ることが出来てとても良かったと思う。何より社会復帰できたことは大きかった。
いまだに気分が沈み込むことはあるし、ストレスが度重なると眠れなくなることも多い。そんな時は質の良い睡眠を取るように生活習慣を見直したり、大分自分でコントロールが出来るようになってきた。それでもダメな時は心療内科を受診して睡眠薬を処方してもらうこともあるけれど、大概すぐに良くなる。
僕は働き盛りで、人生の中でも輝かしい時期でもあろう20代後半から30代前半はうつで社会から離れていた。
そんな経験があるからこそ、同じ思いをする人が一人でも少なくなって欲しいし、うつ病は自力で治すことが出来ることを知ってもらいたい。
もちろん、薬に頼って治療することも良いと思う。徐々に回復して来たら軽い運動を取り入れたりしてたら良いだろう。
うつ病を始め、精神疾患は社会的問題にもなっている。
しっかり向き合って、一人でも多くの人がうつ病から解放され、健康な生活を送れることを心から願っている。
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