『いつも笑顔』は要注意！！
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記事：田中雅子 （ライティングゼミ・平日コース）
いつも笑顔でいることは、いいことばかりではない。
誰がなんと言おうと、私はそう思っています。
かつての私は、実は笑顔の効能を信じていた１人です。
辛いことがあった時、負けるものかと歯を食いしばって笑顔で過ごしてきたし
そうすることで、自分の気持ちが前向きになって頑張れるのだと信じていました。
結婚して子供が生まれ、私の仕事は家業のほかに・家事・育児・妻業の4つ。
つまり、４足のわらじです。
想像をはるかに超える忙しい日々で、とにかく目の前にある仕事をこなすだけで
精一杯です。毎日はものすごい速さで過ぎていきました。
ちょうどそのころは、始めた仕事が軌道に乗りかけたということもあり、
主人に頼ることも出来なかった。
会話も、ほぼ業務連絡だったと思います。
心の余裕などあるはずもなく、休むこともままならずの毎日が続くと
お互いをいたわるどころか、どちらが大変かを競い合い喧嘩がたえません。
そんな状態でも、「いつも笑顔でいること」を私は守り続けていました。
つまり、自分の感情に蓋をして笑顔を作っていたんですね。
すると…
主人も仕事のスタッフも、まだ私は仕事を頼んでも大丈夫！だと思ったのか
ますます忙しくなったのです。
このころは、３人の子供たちにも、手が掛かります。
母親として、愛情を注ぎたいと思いながらも、時間に余裕がなく
なかなか思うようにはなりません。
小さいうちは特に子供の友達の親とのかかわりが多く、時間も取られるので分刻みの
スケジュールです。
落ち着く暇さえありませんでした。
ここでもまた、『お母さんは笑ってなければ！』と思い込み、奮い立たせる私がいました。
またもや、笑顔の仮面をかぶり続けたのです。
すると…
『家のお母さんは、いつも笑っているから遊んでるみたい』
『暇なら、色々頼んじゃえ～』
こんなことを直接言われたことはありませんが、このようなニュアンスの言葉を言われたことがあります。
『違う違う！ママ、これ以上は無理です』
今なら平気で言えることが、この時の私は言えませんでしたね。
いつも笑顔を絶やさず頑張り続けること２０年。
私は、もはや自分の感情がどうなっているのか、分からなくなりました。
もちろん、楽しいこと・嬉しいこともたくさんあったはずです。
いっぱい笑ったし、いっぱい悩んだし、いっぱい泣きもしました。
それなりの感情は、持ってはいたんです。
でも、私がわらっていなければ！と思い続けたことで、
感情に蓋をし続け、本音を押し殺し、笑顔の仮面をかぶり続けたのも事実。
自分の苦しさに気づいていたのに、気づかないふりして過ごした結果、
自分自身のことが、さっぱり分からなくなりました。
こんなに頑張った私が得たものは、
私が私でいられない、居心地の悪い家族関係と心の中で迷子の私？
こんなはずじゃない！どこで間違えてしまったのか！
私は、第三者の力を借りるため、心理学を学び始めました。
私はどんな人だったのでしょう。
何が好きで、何が得意で、何に一生懸命だったのか？
どんなことに興味があって、どんなことで笑い、どんなことで幸せを感じたのか？
恩師の言葉は、私の心にストレートに入ります。
仲間のサポートもあり、徐々にも本来の自分を取り戻すことができました！
いや、本来より自分を愛おしく思えるようになった気がします。
無理に笑うことはせず、
嫌なことは嫌。
出来ないことは出来ない。
腹が立ったら、素直に怒る。
言いたい事があったら、言う。
こんな当たり前の事が、２０年出来てなかった。
なんてことでしょう！
当たり前のことが出来る幸せ。
きっと、あたりまえでは無いのかもしれませんね。
心に素直に向き合って、正直でいられると
とても心が楽ですよ。
それがまずあっての笑顔ではないか、と今では思います。
笑顔は、取り扱い説明書が必要ですね！
使い方間違えると、大変ですから。
いつも笑顔でいることは、いいことばかりじゃないです。
『いつも笑顔』は、要注意！！です。
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