ゼミ

「生産性が高い人」だけが知っているたった一つの思考法


 

全国10店舗を有する天狼院書店の経営者・作家・カメラマン・大学非常勤講師……。さまざまな肩書きを持ちながらも各方面で活躍する天狼院書店店主・三浦崇典。累計受講者数2,100名超の『時間術ゼミ』では、生産性をアップさせ、自由な時間を手に入れるための方法を語っている。
この記事では、過去開催された『時間術ゼミ』の講義内容をもとに、「生産性が高い人」だけに共通する思考法をお届けする。(構成:川代紗生)

 

「生産性が低い」のは能力の問題ではない


 

僕はよく「あんなにいろいろな仕事をしているなんて、一体いつ寝ているんですか?」と聞かれるのですが、じつは平均7時間は寝ています。きちんと睡眠もとっているし、NetflixやYouTubeをダラダラ見続けることもしばしばです。

 

それでもなぜ仕事をこなせるのか?

よく、「三浦さんは能力が高いんですね」と言ってくださる方もいるのですが、じつは、それは大きな勘違いで。「生産性が低い」のは能力の問題ではない、と僕は思っています。

 

というのも、僕は生まれつき体が強いほうではなく、体のバランスを崩しやすい体質なんです。それに、家でダラダラと過ごす時間も必要です。

 

だから、僕の生産性が高いのは「能力値が高いから」ではなく、僕の人生に最適化された「マスタープレート」(習慣集)を構築してきたからなのです。

 

そんなに難しい話ではありません。ひとつひとつ、無理なく合理的なアプローチをすることによって、他の人にとって理解しがたい時間の使い方をするに至ったのだろうと思います。

たとえば、「醤油」や「襲撃」や「薔薇」という漢字は、一見すると複雑ですが、「因数分解」すると、見慣れた部位の集合体であることに気づきます。

それと同じことです。

 

生産性を圧倒的に向上させる二つの特性


 

たとえば、僕の生産性を高めている大きな特性を、二つ洗い出してみましょう。

 

一つは、「ハゲ族」であること。

僕の髪型はスキンヘッドなので、ロングヘアーの女性と比較すると、かなりの時間短縮になります。髪を洗う時間・乾かす時間・出かける前にセットする時間……。数分で終わる僕と、30分〜1時間近くかかる女性では、1週間、1ヶ月、1年……と蓄積していくと、ものすごい時間の差になりますよね。

 

もう一つの特性は「通勤時間が圧倒的に短い」ことです。

僕の自宅は、職場から歩いて5分程度の場所にあります。天狼院書店には京都、福岡をはじめ、各地に店舗があるのですが、どの場所でも、5分〜10分程度の場所に拠点を設けるようにしています。

 

1日あたり10分の通勤時間の人と、片道1時間、往復2時間の通勤時間の人。

そのどちらのほうが時間を有意義に使えるかと考えると、一目瞭然ですよね。

 

 

「生活習慣的無能状態」から抜け出すために


 

僕は、こういった、本人の能力に関係なく時間を無駄にしている状態を「生活習慣的無能状態」と呼んでいます。

「能力的に無能」なのではなく、習慣的に無能、つまり「生活が無能化」している状態のことです。環境を整えられていないばかりに、無能でない人が「無能」とみなされる状態が起こるわけですね。

 

これって、恐ろしいですよね(苦笑)。

実を言うと、僕と皆さんの生産性の違いは、「能力」ではなく「時間の使い方」だけで説明ができるんです。

 

「いや、でも毎日の通勤時間はしょうがないし」「髪を綺麗にする時間はしょうがないし」と考える方も当然、いらっしゃると思います。

けれど、何気なく「しょうがない」と思って妥協している時間の積み重ねが、結果的におびただしいハンデになってくるかもしれないんです。

 

毎日2時間の通勤時間×平日5日間出勤している会社員の方を想定すると、1週間で10時間をロスしている計算になります。

職場のすぐそこに住んでいる人ならば、その10時間を企画書制作やプレゼン資料の準備、マネジメント戦略の構築などに費やせたかもしれません。これだけでも、同じ仕事をやって追いつくには相当なロスになると思いませんか?

 

「生産性が高い人」は、この「生活習慣的無能状態」がいかに恐ろしいか、自覚しているのです。そして、能力やモチベーションに頼らなくてもいいように、自分がパフォーマンスを発揮できる「環境」をきちんと整え、ルーチン化できている。

 

ですから、「時間は能力が低いから、いつまでも生産性を上げられない」と嘆く必要はありません。

人生に最適化された「マスタープレート」(習慣集)を構築して100%満足の行く時間管理ができれば「生活習慣的無能状態」を脱し、自由な時間を今よりも多く捻出できて、心にも余裕ができるはずです。

 


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◆第1ステージ/第1講 ムダと習慣〜習慣的無能状態から脱出せよ〜《2021年10月3日(日)10:00〜11:30》

〔事前課題〕
・最近、あなたがムダだと思い後悔した時間の使い方をできる限り列挙してください。
〔ワークショップ〕
・「スパイラル・シート」を実際に書いてみよう/ムダをあぶり出す

◆第2ステージ/第2講 デュアル化〜1つのタイムラインに2つ以上の意味を持たせよ〜《2021年10月17日(日)10:00〜11:30》

〔事前課題〕
・例えば通勤時間に本を読むなど、あなたが効率的にタイムラインを使っている事例を列挙してください。
〔ワークショップ〕
・「スパイラル・シート」を使って“デュアル化“できる時間帯を見つけよ


◆第3ステージ/第3講 集中と濃縮〜時間あたりの価値創出を最大にせよ〜《2021年11月7日(日)10:00〜11:30》

◆第4ステージ/第4講 投資とスキルのポートフォリオ〜スキルのポートフォリオをデザインせよ〜 《2021年11月21日(日)10:00〜11:30》

◆第5ステージ/第5講 逆転とパーソナル・マーケティング〜マイナスのプラス転換で絶対優位を手に入れよ〜《2021年12月5日(日)10:00〜11:30》

◆第6ステージ/第6講 マスタープレートの作り方と運用〜人生にマスタープレートを定着させよ〜《2021年12月19日(日)10:00〜11:30》

 

講師プロフィール


三浦崇典 | Takanori Miura

1977年宮城県生まれ。株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。天狼院書店店主。小説家・ライター・編集者。雑誌「READING LIFE」編集長。劇団天狼院主宰。2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』、『1シート・マーケティング』(ポプラ社)、を出版。ソニー・イメージング・プロサポート会員。プロカメラマン。秘めフォト専任フォトグラファー。

2009年4月1日、東京法務局豊島出張所にて「株式会社東京プライズエージェンシー」を設立登記。その後、編集協力や著者エージェント、版元営業のコンサルティング業等を経て、2013年9月26日に「READING LIFEの提供」をコンセプトにした次世代型書店(新刊書店)「天狼院書店」を東京池袋にオープン。
今は全国に店舗とサービスを広げており、2020年だけで、新規店舗を4店舗(湘南・渋谷・名古屋・大阪)オープン。現在は10書店1スタジオを運営。
景気や業界に関係なく持続可能なビジネスを生み出すマーケティング理論「7つのマーケティング・クリエーション」を構築した結果、ここ5年、運営会社である「東京プライズエージェンシー」は年に平均150%の指数関数的成長を遂げている。

【メディア出演】(一部抜粋)
NHK「おはよう日本」「あさイチ」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、日経雑誌『商業界』、雑誌『THE21』、雑誌『散歩の達人』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。雑誌『週刊ダイヤモンド』『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。

 

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2021-07-27 | Posted in ゼミ, チーム天狼院, 時間術ゼミ, 記事

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