ブックセラー・グランプリ

理想を求めよう! そんな願いが込められている《ブックセラーズ・レビュー》

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*この記事は、「1シート・リーディング」講座にご参加のお客様に書いていただいたものです。

1シート・リーディング講座〜本を人生に染み込ませる12の読書術〜読書は最強の思考術だ!マガジン・ノートに読書と思考をまとめる!

記事:やまもと(1シート・リーディング講座)
 
 
この本を知ったきっかけはある方のSNS投稿だった。当時の僕はその本の紹介を見つけて、購入したいと素直に感じていた。なぜなら、『本日は、お日柄もよく』『楽園のカンヴァス』を読んでいた私にとって、この作品も面白いに違いないと踏んでいた。
 
映画化のために文庫版の全面帯改訂に繋がっていることを書店で知り、CDに例えるならジャケ買いの感覚でこの本を購入した。実際に読み始めると、主人公の相馬日和が、妻である相馬凛子が総理大臣になってからのエピソードを日記にするという設定でスタート。
 
いま、この瞬間、この国も、地球も、あらゆる局面で「待ったなし」の状況にさらされている。(本文より抜粋)
 
読み始めてからすぐに上記の文章を発見。のちに気づくが、これは著者のインタビューで「私から提案した理想の総理像です。いずれこういう総理が現れてくれるという予言の書(笑)」と述べている。このインタビューは単行本の発刊時のもので、今より5年以上前のこと。その当時から著者はこのように考えていらっしゃったと思うと、よほど、単行本発刊当時から世の中に不満をもっていたように感じる。
 
ただ、今はパンデミックの影響でもっと不満だらけの世の中になっているのだから、この時期に映画化と文庫本の再販は的を得ている気がする。でも、内容は世の中の政治に対する不満を言及しているわけではなく、あくまでも著者が考える理想の女性像と夫婦像を描いているのではないかと思える。
 
だって君がいいと思ってやろうとしていることは、いいことに決まっているだろうから。少なくとも、君と僕にとっては。そんなふうに言ってやるのだ。(本文より抜粋)
 
この一文に妻を前面に立たせて夫が支える姿を想像できる。妻の仕事ぶりに夫が翻弄されながらも、妻を信じて行動をする姿に、フィクションでありながら近い将来日本もこんな姿に変わっていくんだなと素直に思えて仕方がなかった。なぜなら世界で女性が前面に立って動いているニュージーランドの首相のように実績がある方が登場しており、日本もそのうちに見習っていくのではないかと感じたからだ。でも、なかなか進まない。この状況に著者はイライラして小説にぶつけたように私は捉えている。
 
彼女はあくまでも自分の言葉にこだわり、自分の考えを伝えようと地道に努力していた。生きた言葉こそが国民の胸に響くのだと信じて。(本文より抜粋)
 
男性にも当てはまることだけど、この文面からも著者が今の現状にイラ立ち、自分の力を信じる女性像を思い描いたように思える。実際に読んだ私にはない姿で羨望の眼差しを凛子に向けて読んでいた(苦笑)
 
かといって、理想の女性像だけを描いているわけではなく、そんなことはないんだと思える文がでてくる。
 
凛子は、決してドン引きすることなく、私の背中にマイクを握ったままの両手を回し、ぎゅっとしてくれた。(本文より抜粋)
 
この文、実は映画でも一番盛り上がる1シーンとして登場しており、実際、小説と映画を見た私は、このシーンに感動した。妻と夫が政治の世界で奮闘する姿を淡々と描くだけでなく、凛子が夫を頼りにして安心できている姿が想像できた。
 
もう一つ、理想の女性像だけではなく、著者なりの理想の夫婦像を描いているように思えた。
例えば……。
 
どんなに一緒に過ごす時間が少なくても、なんとしても話をする機会を作る。(本文より抜粋)
 
ご主人、健気ですね……。
妻を信じているからこその決意と行動であって、実際、こんな主人は日本にいるだろうか……。
 
ごごごごごッ、と地響きを立てつつ天の岩戸が開いた。その向こうから、光を身にまとった女神、天照大神が現れた。(本文より抜粋)
 
凛子さんにほれ込んだんだね、日和さん。だから、凛子さんを一生かけてサポートするんだと行動するんですね。
ホント、一生に一度、こんな女性に出会ってみたいと思いましたよ、私は……。
日和クンに嫉妬してしまった(笑)
 
理想の女性像や夫婦像を描いているように思えるこの小説。フィクションだけど、日和クンの言動や行動に共感したり、笑ったり、憤慨したり。この小説はそんな感情に振りまわれながらも、一種の清涼剤にピッタリだと感じる。
また、閉塞感が漂うこの日本に対して不満を持っている人にも、一種のガス抜きにこの小説を読んでみてはいかがでしょう。今の常識に捉われずに理想を小説に求めることは、今の世の中に必要なことではないかと思いました。映画と合わせて是非ご一読を。
 
 
 

【紹介本】
『総理の夫』

著者:原田マハ
出版:実業之日本社
¥ 880

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