チーム天狼院

「なんとなくめんどくさそう」という理由で現金決済派だった僕が、キャッシュレスを導入して激しく後悔している理由《スタッフ平野の備忘録》



*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:平野謙治(チーム天狼院)

 

 

「タイムマシンで過去に戻れたとして,もしも何か一つだけやり直せるとしたらやりたいことありますか?」

 

これは、人気お笑いコンビ「かまいたち」が、2018年のM-1グランプリで披露した漫才の導入だ。

 

長い人生を歩んでいれば、誰しも少なからず後悔はあるはず。
皆さんの頭の中には、何が浮かんでいるでしょうか?

 

「ひとつだけやで」

 

ツッコミの濱家さんが、さらに条件をつける。
それに対して、ボケの山内さんが出した答えは……

 

 

「ポイントカードを作ります」というものだった。
なんでも山内さんは、一番最初に「ポイントカードを作りませんか?」と言われた時に、断ってしまったらしい。
なんとなく、めんどくさかった。そんな理由だろう。

 

そこからも利用する度に、聞かれ続ける。「ポイントカード作りますか?」と。欠かさず、毎回。
確かに今カードを作れば、これから先のポイントは回収できる。だけど当然、今まで回収できなかったポイントは戻ってこない。
「それはなんだか、損した気分になる」。そんな変な意地で、結局ポイントカードを作ってこなかったから、過去に戻ってポイントカードを作りたい。
というのが、山内さんの主張だ。

 

これは、「タイムマシンで過去に戻る」という壮大なイベントで、そんなセコイことをするなんて! というボケなのだが、この漫才を見ていた僕は、激しく共感した。

 

「僕も過去に戻って、回収し損ねたポイントたちを回収したい!!」と。

 
 
 

「なんとなく、めんどくさい」。
あるいは、「減っている感覚がなくて怖そう」。

 

そんな曖昧な理由で電子マネーやQR決済の導入を躊躇っていた。お小遣いをもらってからずっと、現金で支払ってきたし。一応持っているクレジットカードも、高額決済でたまに使う程度。べつにそれで困っていなかったから。決済手段が多様化していくのをただただ傍観していたけれども。

 

大学の同期から、「めちゃくちゃポイントが貯まる」という話を聞き、思い切って導入することにした。
今から約3年前。ちょうど、「かまいたち」がタイムマシンのネタを披露した2018年のことだった。
「とにかく得をしたい」。その一心で、「なんかめんどくさそう」というメンタルブロックをようやく破壊した。

 

何も知らなかった僕は、とにかく友人のアドバイスに従った。まずはQR決済のアプリを入れて、それから相性の良いクレジットカードを申請する(例えば「楽天ペイ」なら、楽天カードが相性が良い)。
そしてQR決済のチャージ元を、クレジットカードに設定する。

 

……なるほど。こう設定することによって、QR決済での還元と、クレジットカードでの還元、二重で恩恵を受けられるんだな。

 
 

ついに始まる「ポイントが貯まる生活」。設定が終わり、買い物をするのが楽しみになった。
かといって、これで無駄な出費が増えては元も子もない。平常心を保ちつつ、普段通りの生活を送ること一ヶ月……。

 

溜まったポイントを、そろそろ確認してみるか。そう思い、アプリを開く。そこには、予想以上に大きな数値が!
 
え!? 一ヶ月でこんな貯まるの!?

 

厳密には覚えていないけれど、入会キャンペーンもあってかなり溜まっていた。現金を使い続けていたらこのポイントを取り損ねていたのかと思うと、恐ろしくなった。

 
 

還元率はその時のキャンペーンや条件によって変動することもあるが、僕が導入した時使っていたQR決済の還元率は1%だった。
さらにチャージ元のクレジットカードの還元率が1%、そこに乗っかってくる。合わせて2%、現金よりもお得ということだ。

 

現在20代独身、社会人駆け出しの僕でも、年の出費は少なくとも150万円はある。150万の、2%……。
そう。すべてを現金で決済していた時と比べて、年3万円も得していたことになる。

 

たかが3万円と思っただろうか? されど、3万円である!
もらっておくに越したことはない!

 

3万円あったら、ちょっとした国内旅行にも行けるだろうし、家具家電の買い替えだってできるかもしれない。もちろん、貯金したっていい。
買うのを躊躇ったあのアウターだって買えるかもしれないし、僕の大好きな家系ラーメンなら33杯も食べれる!!

 

同時に思った。もしあと3年早く導入していたら、あと9万円回収できたいたかもしれないと!
だから僕は共感したんだ。山内さんの発言にね! (その後の漫才のくだりでは、たくさん笑わせてもらいました)

 

そしてキャッシュレスの長所は、還元されることだけではない。
むしろ最初に不安視していた部分こそが、キャッシュレスの長所であることを知っていった。

 
 

「ポイント貯まるのはわかるけど、なんとなくめんどくさそう」

 

導入前は、そんな風に思っていた。だけど決して、そんなことはない。むしろ、めっちゃ楽。

 

ATMに行く回数が、圧倒的に減った。この記事を書いている今現在、最後にお金をおろしたのがいつだったか思い出せないくらいだ。調べてみたら、なんと三ヶ月前。その間もし以前のように現金だけを使い続けていたら、何回行っていただろう。
大金を持ち歩くのが怖い僕は、少なくとも月に数回は行っていたはずだ。これだけでも、相当な時間の節約になる。

 

時間の節約といえば、決済時もまさにそうだ。小銭を財布から出し、お釣りを受け取り、財布にしまう……。キャッシュレスの楽さを知ってしまうと、途端にこの行為が煩わしく感じられる。
最近は特に、レジ袋有料化の影響もあり、マイバッグを持ち歩くのが当たり前になった。コンビニに行く時、少し前なら店員さんがさっと袋に入れていたけれど、最近は自分でつめる必要がある。出勤時など急いでいるときは、この少しの時間も惜しい。そんな時、スマートフォンの画面ひとつでのQR決済は、大きな味方となる。

 

ついでに言うと今のご時世、「非接触」というのもありがたい。現金は絶えず、人の手を媒介し続けている。感染面においてQR決済が「安全」とまでは言わないが、相対的に安心なのは間違いないだろう。

 

「割り勘とかは不便そうだよね」という不安もあった。しかしこれも、互いにQR決済を導入していればむしろ楽だ。
近くにいなくても、「送金」できる。1円単位で、だ。「やばい。万札しかないから近くのコンビニで崩さないとピッタリ払えないわ」みたいなことがないから、余計な出費も減るし、渡し忘れても家からでもいつでも払える。想像以上の便利さに驚かされた。

 

「めんどくさい」のは、導入時の手続きだけ。最初だけ時間を投資してしまえば、後は楽ちんでスムーズな日々が待っている!

 
 

「けどやっぱり、使っている感覚がないのは怖い」

 

現金を使っている方がキャッシュレスを導入しない理由の1位は、これなんじゃないかな? と思う。何より、僕自身がそう思っていたというのもあるけれど。

 

しかし使ってみて思う。むしろ逆だ。今や僕は、現金の方が怖い。

 

というのも、電子決済はすべて、決済履歴が残る。
クレジットカードにしろ、QR決済にしろ、ご利用明細のページが必ず存在していて、どこでいくら使ったかが一覧で出る。
キャッシュレスを導入してからというものの、少なくとも月に3回は見るようにして、余計な出費がなかったか反省するようにしている。

 

それはちょうど、「レコーディング・ダイエット」のようなもの。日々の食事や、体重を記録することで、自覚する。「ここもっと気をつけなきゃな」と改善していくことで、体重が落ちていく。それと全く、同じだ。
日々の決済が一覧で出されるから、「使っている感覚」ではなく、出費の実態を理解できる。何にどれだけ使ったかが一目でわかるから、後悔するような買い物しないように自然と気をつけるようになる。仮に家計簿をつけ忘れても、遡るのだって簡単だ。

 

現金も確かに、いくらおろしたかは記録に残る。だけど使用した分の内訳がわかるものは、レシート以外に存在しない。
「使っている感覚」こそあれど、しっかりと記録しなければそれこそ感覚しか残らないのが、今では怖く感じられる。

 
 

でもやっぱり、現金のメリットもあるよね!

 

さて。そんな風に現金派からキャッシュレス派に、『DRAGON BALL』のピッコロ大魔王ばりに寝返った僕だけれども、現金にしかないメリットがあるのも、もちろん理解している。

 

まず挙げられるのが、災害時に強いという点だ。普段はどこもかしこも、電気が通っているのが当たり前の現代だけれども、もし何かが起きて、電気が止まってしまったとしたら。
当然、キャッシュレス決済はできなくなる。クレジットカードすら、使えない。だけど現金なら、やり取りが可能だ。

 

それからこれは現金のメリットというより、キャッシュレスのデメリットとも言えるが、セキュリティ面だ。
もちろん各社各サービス、気を使っているのは間違いないが、時に情報漏洩した、なんて見出しをニュースで見かけることもある。クレジットカードの不正使用だって、まったく心配ないわけではない。

 

当然現金も落として失くすリスクこそあるが、それは気をつけてさえいればいい。キャッシュレスで起きるセキュリティ面のリスクは、時に気をつけようがない。

 

あと最後に当然ながら、現金でしか決済できない場所が少なからず存在することが挙げられる。
一方で、現金で決済できない店はほぼないだろう。思いつく限りでは、西武園ゆうえんちくらいじゃないかな? (園内通過が円ではなく、「園」が採用されている)

 

今では決済の9割以上をキャッシュレスで済ます僕も、念の為現金は持ち歩くようにしている。
とはいえ使用頻度が減ったので、大きな長財布は必要なくなったのだが。思えばこれも、キャッシュレスのメリットだ。

 

写真の通り、今では厚さわずか13mmの財布を愛用している。サ○ミオリジナルもびっくりの薄さだ。

 

それでもオススメは、キャッシュレス決済

 

確かに現金のメリットはある。それにリスクを、完全否定できるわけではない。
しかしながら、キャッシュレスのメリットは非常に大きい。導入してみて、強く実感する。もしまだ現金決済派という方がいらっしゃったら、切り替えることを強くオススメしたい。

 

「いやーでも今キャッシュレスに切り替えても、今まで回収できなかったポイントは戻ってこないし、なんだか、損した気分になるよなあ」

 

その気持ちも、わかります。僕も導入した時、思いました。それこそ、タイムマシンがあったら、なんてね。

でも過去には戻れないから。導入するなら早い方が絶対にいい。

 

人生100年時代。これからも続いていく日々の中で、いちばん若いのは他でもない今日なのだから。

 

これ以上、ポイントを取り逃がさないためにも!

 

 

◽︎平野謙治(チーム天狼院)
天狼院書店「パルコ心斎橋店」副店長。
1995年生まれ26歳。千葉県出身。
早稲田大学卒業後、広告会社に入社。2年目に退職し、2019年7月から天狼院スタッフに転身。
入社以来「東京天狼院」を中心に勤務。その後2020年10月に大阪心斎橋へと異動。
2019年2月開講のライティング・ゼミを受講。16週間で15作品がメディアグランプリに掲載される。
メディアグランプリ33rd Season, 34th Season総合優勝。
『全く興味なかったはずのダンスグループ『BE:FIRST』のせいで、危うくノーパンで出勤しそうになった話。』など、累計6作品でメディアグランプリ週間1位を獲得。
その他、『ラブホテルの階段で、ボコボコに殴られた話』など。

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