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【しばらく放心状態】グサッとくる、人間の本心をえぐる衝撃的な小説5選《川代ノート》


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スタッフ川代です。
今回は私の人生に大インパクトを与えた小説を紹介します。とにかく言葉のひとつひとつがグサッと来て、読み終わった後はウゥ…と胸が苦しくなるくらいに共感できたり、ドキッとさせられる本。どれも息がつけなくなるほど自分とシンクロしてしまうものばかりです。人生のどん底だ、何か衝撃がほしいというときに是非おためしあれ。
 
1.辻村深月「凍りのくじら」(講談社)
 
凍りのくじら

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。

主人公の理帆子が、高校生の頃の自分のまんますぎて驚きました。冷めていて、斜めからものを見て、いつも同級生達よりも距離をとっている。でも実際その冷静さはある意味意識してつくられたもので、本心ではいつも寂しい、寂しいと心が泣いているのです。ひとり、そんな孤独を抱えた理帆子のたどりつく最終的な結論、怒濤のどんでん返し。読み終わった後はすっきりしつつも、しばらく考えさせられてしまいます。
 
2.村上春樹「沈黙」(文春文庫・レキシントンの幽霊に収録)
 
レキシントン

中学高校時代の人間関係の苦しみを吐露する話。喧嘩したことがきっかけで陰険なやり方で復讐され、いじめにあい、それでも主人公は負けずに学校に通い続けます。

私が村上春樹にはまったきっかけです。こんなに自分の考えていることを明確に表現してくれる人がいるのかー!と高校生だった当時は本当に驚きました。主人公の大沢さんを陰険なやり方でおとしめる青木という男、本当に「うまい」んです。そして狡い。でもあまりに頭がいいので、その巧妙さや意地汚さに大沢さん以外は気が付かない。その葛藤が当時友人関係で悩んでいた自分にガツーンと響きまして、ああやっぱりこういうことで苦しむのは自分だけじゃないんだ、と救われた思いがしました。
 
3.白石一文「一瞬の光」(角川文庫)
 
一瞬の光

橋田浩介は一流企業に勤めるエリートサラリーマン。38歳という異例の若さで人事課長に抜擢され、社長派の中核として忙しい毎日を送っていた。そんなある日、彼はトラウマを抱えた短大生の香折と出会い、その陰うつな過去と傷ついた魂に心を動かされ、彼女から目が離せなくなる。派閥間の争いや陰謀、信じていた人の裏切りですべてを失う中、浩介は香折の中に家族や恋人を超えた愛の形を見出していく。

「しみる」って言葉がぴったりな本。スタッフのサトエリさんに勧められて読んだ本です。高スペックすぎる主人公は珍しく、あんまり共感できないかなあと思いつつ読んだのですが、これが立場も年齢も全然違うはずなのに本当にしみるんです。とくに私は主人公の恋人にものすごく感情移入してしまいました。自分から徐々に離れていくのが、カンがいいと全部わかっちゃうんです。でもわかりたくない。そんな面倒な女心をうまくすくってくれます。
 
4.朝井リョウ「何者」(新潮社)
 
何者

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

就活生は絶対に読むべからず!!就活中に読んだら憤死します。すべてが自分のことすぎて、ツイッターのやりとり、就活生同士のせめぎ合い、プライド、見栄、劣等感・・・そういうものを冷静に観察する主人公。イヤイヤ、自分は大丈夫・・・そう思って油断していると、うしろからグサッとやられます。これは辛すぎてしばらく立ち直れなくなる可能性大です。でもすべての大学生が読むべきだと思う。

5.泉ウタマロ「瑠璃色の涙」(プレジデント社)

瑠璃色の涙

突発的に自ら自分をこの世から消してしまおうとした主人公、最愛の恋人をガンで亡くした居酒屋のマスター、そのマスターに大切なことを伝えられなかった恋人、毎夜居酒屋「コンチキ屋」に集う悲哀漂うオヤジたち、狂おしいほど大地を愛しながら畑を追われた青年…それぞれがそれぞれの悩みを抱えながら生きるということとは?今は暗闇。でも、人生には隠された意図と光がある。生きることに絶望した28歳OLのちょっと不思議でヘンテコな経験。

将来に悩みすぎたときに読むとすっと心が軽くなる本です。すべてが順調に行っていた主人公が、一気にすべてを失って天から地へと突き落とされます。あくまでも自分自身は広い宇宙の一部で、この一瞬の悩みなんてなんでもない・・・ということを気付かせてくれます。「生きることとは」と改めて考えさせられる本です。
 
小説は辛いときに心を救ってくれる相棒であり親友であり師匠です。ガツーンと衝撃を受けたい!という方、ぜひ手に取ってみてください。なにかの見方が変わるかもしれません。変わらないかもしれませんが。
 
ひとつでも「わかるわかる!」がある方、「これが好きならこの作品が好きに違いない」とおすすめがある方、ぜひ語り合いましょう!天狼院でお待ちしております。
 
 
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2014-08-29 | Posted in チーム天狼院, 記事

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