「教養」とは真っ白な紙に地図を描いていくこと【雑誌編集部:佐久間典子さんのイベント体験レポート】
*この記事は雑誌編集部に参加されている佐久間典子さんに書いて頂きました。
6月13日の天狼院書店で行われたイベント、
『これからは「教養」の時代だ!出版界のスーパーブレイン柳瀬博一さんと一緒にLIVE形式で「最強のリベラルアーツ棚」を創ろう!』
に参加しました。
「教養ってなんだと思いますか?」
そんな問いかけから柳瀬さんのお話は始まります。
4時間近くの間、様々な分野に飛び火しながら教養について語る柳瀬さんの話に圧倒されながら、私は「教養ってなんだろう」ということをずっと考えていました。
『池上彰の教養のススメ』『利己的な遺伝子』『友達の数は何人?』、『ウェブはグループで進化する』『グレイドフルデッドにマーケティングを学ぶ』・・・・・などなど。
柳瀬さんに、たくさんの教養本のエッセンスを紹介していただきました。
何よりすごいのは、1冊ずつ順に紹介するという形式をとりながら、大きな話の流れの中ですべての本の紹介がよどみなくつながっていることです。
あっという間の4時間でした。
また、多彩な話の中で、どれだけ自分で吸収できるか、自分のものにできるかは人それぞれだと思いました。
そこで、ぼんやりですが、
「教養とは真っ白な紙に自分で地図を描いていくこと」
ということではないかなと思いました。
例えば、一つの分野の教養として、こんなことを語ってくださいました。
「活気のある街は、1階に元気な店が入っている。だから企業のビルが多いようなところはだめ。昔、闇市だったようなところが今は街として発展している。闇市は自分の店が生き残るために近隣の店と戦いながら残ってきた。だから強いんです」
初めて聞く、新鮮な話。けれど、自分の今まで描いてきた地図に関連づけないと、広大な白紙にふわふわ漂ってすぐに消えてしまいます。
もし、この話を今の自分の地図に関連づけられないなら、「闇市」についての歴史を調べたり、実際に該当する場所に足をはこんで確認したり、詳しい人の話を聞いたり、「闇市」を取り扱った映画や小説を読んだり。
聞いたこと、読んだことを鵜呑みにするだけでなく、実際に街の現状について調べたり、考察したり。
そうすることで、まわりの地図も書き込まれ、初めて自分の教養として確かなものになります。
地図が描きこんでいけば、つながる部分も増えていくでしょう。
柳瀬さんはこうも言っていました。
「教養は、知識とは違う。インプットするだけでなく、自分の言葉でアウトプットできないとだめ」
アウトプットをするためには、背景や全体像も含め、関連事項がわかっていないと、自信をもって伝えることができません。
そして、基礎的な学習が大切なのは、地図におおまかな地形を描き入れるため。これから地図を描き入れていく助けになる。地図に大まかな目安が描いていないと、専門的な本を読んでも地図のどこに描き入れたらいいのか見当がつかないでしょう。
この考え方が、自分がこれから、どういう本を読んでいこうかという助けになりそうだと思いました。
地図を描くこと。
そして描いた地図について誰かに語ること(アウトプット)
こうして自分の教養を確かなものにしていく。
どんどん描き入れられる地図が、自分の生きる道しるべになるといい。
自分の地図には、今、何が必要か。これを教養本を選ぶ基準にしよう。
そんなことを考えた13日の金曜の夜。午後11時でした。
*佐久間さん、ありがとうございます。教養のイベントは今後は「天狼院リベラルアーツ・ラボ」として、定期開催したいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。店主三浦
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